テロ支援国家指定解除
米・北朝鮮間のかけひきで、アメリカによるテロ支援国家解除の動きが具体化している。各新聞ともこれを社説に掲げているが、論調は似たり寄ったりである。いずれも、北朝鮮が申告した核処理の内容に核兵器やウラン濃縮問題などが含まれておらず、日本の拉致問題が置き去りにされていることなどから、指定解除をする条件としては不十分だとしている。
その中で、もっとも過激にブッシュ大統領を非難したのが日本経済新聞である。「あなたは太平洋の対岸にある最も重要な同盟国を失うきっかけとなる決定をした大統領として歴史に名を刻みたいのですか」という言葉を結語としている。
産経新聞も、もっと対米工作に本腰を入れるよう日本政府に注文を出している。なぜ、アメリカが拉致問題に対し、リップサービスだけで本気になってくれないのか、また、韓国人が日本以上に拉致被害者がいるのにあまり問題視しようとしないのか、政治家個人の器量に帰すだけでは、本質を見逃すことにならないか。
それは朝鮮戦争以来、ずーっと戦争の相手国であり、さらにアメリカは、テロ支援国家指定以来いつ戦火を交えてもおかしくない国として位置づけられていた。38度線をめぐる停戦協定はあるものの、要人の暗殺、スパイの暗躍、拉致、国内攪乱工作など、交戦国としては当然のことだったのである。
北朝鮮は、大韓航空機爆破やビルマにおける韓国要人爆殺など、テロ支援ではなくテロ国家そのものであった。以前にも書いたことがあるが、金正日の父、日成は朝鮮が日本であった時からゲリラとして日本軍と戦ったいた。その実績をもとに英雄・建国者として平壌の大銅像になっているのだ。
日本人は全く意識しないが、北にとって、敗戦の後アメリカの兵站基地となった日本は、そのまま敵国として残っているのである。したがってまずアメリカとの交渉を第一とし、日本との交渉の優先順位は低い。ただ、敵対国解消の機会は小泉訪朝の時にあったが、その後相互不信をつのらせ、未帰国拉致被害者にとって不幸を強いることになった。
また、アメリカと北朝鮮の関係を見てみよう。北朝鮮は、日本人がテポドンをおそれる何十倍もアメリカの攻撃をおそれていたはずである。今回の6カ国協議でも、朝鮮半島の非核化は当然の目標として存在するが、北朝鮮が戦争に負けたわけではなく、武装解除はもとより、軍事機密を文書で出すようなことはしない。
もし、核兵器廃棄や削減をするのであれば、アメリカと対等の立場で双方の軍縮交渉にゆだねるべきだという立場だろう。アメリカをはじめ、国際社会が核開発や核兵器保持にダブルスタンダードをとり続けるかぎり、イラン同様話は前進せず、軍優先の体制をゆるがすようなことはできないはずだ。
だから、この問題に日本が口を出すには、日本が核武装するか、日本が核の傘をはなれ、平和憲法を完全遵守するしかないのだ。6カ国協議で発言しても「ひとりごと」程度にしか聞いてもらえないだろう。やはり日本は平和ぼけなのだ。
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コメント
日経新聞の動向が面白いですね。
『もっとも過激にブッシュ大統領を非難したのが日本経済新聞である』
次がサンケイ新聞。反対に、読売は淡々と事実経過だけを簡単に記述して論評は全くなし。
読売は、本音は絶対反対だけども『アメリカにもの申す』気持ちは最初から無いのでしょう。嘘つき売国奴の面目躍如。
日経ですが、6月11日のブッシュ大統領弾下院劾決議を報道した日本で唯一の報道機関です。
因みに共産党機関紙赤旗さえも報道していません。
日経の報道は、小さく海外短信を報道する枠ですが、それでも日本唯一CNNなどの海外報道の翻訳として報道した。
今回の態度と何か繋がっているのでしょうか。?
投稿: 逝きし世の面影 | 2008年6月29日 (日) 12時39分
日経記者は「日米同盟信者だったのに裏切られた」のか「日米同盟のうさんくささ、底の浅さをを承知していて、ここぞとばかり攻め込んだのか」、どっちでしょうか。
まあどっちでもいいけど、政治家・マスコミが外交・軍事オンチなのは困ります。両方ともアメリカにおんぶにだっこでしたからね。
投稿: ましま | 2008年6月29日 (日) 13時06分