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2008年6月30日 (月)

独立行政法人

 独立行政法人国立国語研究所というところから、封書が届いた。表に「著作物利用許諾依頼書 在中」とある。そんないかめしいところから手紙がくる心当たりはないのだが、5年ほど前にだした本の一部を研究データとして使いたいので、著作権者の承認を得たいという手紙の内容である。

 「独立行政法人」という言葉は、ニュースにたびたび出てくるので、なんとなく「役人の天下り先」かな、といった感じで、TVに写る渡辺行革担当相の顔が思い浮ぶ程度の知識しかなかった。NPOやNGOなどとともに、年輩層には苦手の言葉である。

 家の近所に国立病院があり、一時民営移管の計画があったが、住民運動の結果(そればかりではないようだが)白紙撤回された。住民にもやはり「国立」の方が信頼できて安い、という幻想があったのかも知れない。いずれにしても知らないまま放っておけない性なので、「独立行政法人」の常識程度は持ちたいと調べてみた。かいつまんでいうとこういうことになるらしい。

 国が必要とする事業を間接的に実行する機関、団体を法律で法人化したものを「特殊法人」という。JRも「みずほ銀行」の前身のひとつ「勧業銀行」も以前は特殊法人だったわけだ。それが大小とりまぜて増えに増え、かぞえきれない数になった。

 国語研究所というのも来年で創設60年を迎えるという。実はこのたび初めてその名を知った。同所はこれまでも、日本語の話し言葉や書き言葉の変遷などを調べるデータペースづくり、漢字の使われかた、児童や外国人向け国語教育についての調査、そしてそのあり方などの研究を進めてきたようだ。

 こういった法人を行政改革の一環として分類整理を図ったのが、9年前小渕内閣の時にできた「独立行政法人」である。この中で「特定独立行政法人」と、そうでないただの「独立行政法人」にわかれる。特定の方は、役員・職員の身分が国家公務員となっている。いずれも特殊法人と違って資金調達に国が保証を与えることなく、その収入により民間と同じ納税義務を負うことになっている。

 まあ、この程度の知識でいいとして、その独立法人は07年4月現在で101もある。最も多いのが文部科学省の所管25、次いで国土交通省の20、以下9省にわたる。名前を見るだけでは中味がわからないが、まだまだ、廃止、民間移管、統合、業務縮小など改革の余地は相当ありそうな気がする。

 さて、冒頭の国語研究所であるが、地味な存在であり、票にもならないためこれからも存在価値を問われるようなことなしとはしない。しかし日本語を正しく人に伝える「ことば」の重要性は、どんなに強調しても強調しすぎることはない。

 税金の無駄遣いや、天下りポスト廃止は大賛成だが、わずかな費用をケチって国語研究の灯を消してしまうようなことはことだけは避けてほしい。ちなみに、拙著は『現代日本語書き言葉均衡コーパス』で1億語をデータベース化すため、無作為で抽出したサンプルだそうだ。著作権料は無料。お国のために、ここはご奉公することにした。

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