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2008年6月20日 (金)

公明党の存在

 自民党は、自衛隊の海外派遣をいつでも実行できるような「恒久法」を作るため、公明党とプロジェクトチームを設け協議をしていた。その中間報告が出たが、核心となる憲法解釈で結論が得られず、法案国会提出のめどが立たなくなった。

 民主党は、かねて小沢代表の持論もあって同法案に前向きの姿勢を持っていたが、その行方を公明党がはばんだ形になっている。当塾はかねて、同法案が解釈改憲にお墨付きを与えるようなことになるので、再三その危険性を指摘してきた。

 集団的自衛権の解釈変更で目論まれた安倍政権時代の下工作は、福田内閣成立と共に瓦解してよかった。そして、インド洋給油の特措法は最初の参院3/2逆転議決で成立はしたものの、東アジア外交やクラスター爆弾禁止賛成など、福田首相は、目立たないかたちで安倍タカ派色を確実に消してきている。

 当塾はさきに「福田内閣を支持する」と「政界再編の秋」を記事にした。そこへさらに公明党の存在を評価する記事を加えるとどうなるか。反戦、平和、護憲を標榜するブログの全部と言っていいほど「自公政権打倒」を統一スローガンにしている。当塾も去年の今頃はその一角にいたが、転向したようでやや孤立無援の感もする。

 クラスター爆弾の時も、公明党の浜四津代表代行などが肝心な時点で公邸を訪れ、首相の背中を押した。公明党はその平和政策で確実に自民党の右傾強硬勢力へのチェック機能を発揮している。もし公明党の存在がなければ、福田路線はもっと抑制されたものになっただろう。

 現在、安全保証問題で国政運営上実効ある影響力を発揮しているのは、護憲勢力の社・共ではなく公明党である。民主党は上記のほか、新憲法制定議員同盟(中曽根代表=名称が改正でなく「新憲法制定」であるところに注意)に、鳩山幹事長や前原元代表などを参加させている点で、その方向感覚はゼロである。

 共産党は、個別の国会質疑や党員による9条の会応援などで、まだ目に見えるものを持っているが、社民党に至っては最も親近感があっただけに、その効果を問われると情けないのが実態だ。前にも言ったが、私は自民党支持でもなければ公明党支持でもない。

 これも繰り返しになるが次の総選挙は、自民か民主かではない。その前後に政界再編は必至だし、またそうなって貰いたい。憲法は3/2だが、その他の法律は2/1だ。自衛隊や日米同盟は2/1で動いていく。その際公明党はどうなるか。

 必ず多数与党に入り、野に下ることはしない。池田創価学会名誉会長は、海外で多くの要人と接触し、数知れない感謝状や表彰を受けている。これは公明党が与党で国に影響力があればこその話で、少数野党になればそうはいかない。その意味からしてタカ派主導党を過半数、または過半数近くにさせてはならない。

 それにはどうすればいいか。現在の所属政党にとらわれず、その議員(候補者)の日頃の言動・行動・能力にしたがって選挙に臨み、平和指向議員をひとりでも多く議会に送り出すしかないのではないか。       

         
 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 真島様、こんにちは。いつも迫真性ある記事を楽しみに拝見しております。私も反戦争への実効性ある「何か」を追い求める日々です。かなり昔の記事にコメントすることをお許しください。

 私としては「政治」という領域が、あまりに人間の幸不幸を左右しすぎてしまうことに制度上の限界を感じています。この政治という領域は多様な分野に重層的・複合的に関わりすぎて、能力の限られた人類の手には収拾がつかなくなり始めているのではないかという気すらしてくるのです。とはいえ、まだ私にはそれに替わる仕組みを思いつくわけではないのですけれども…。

 結局のところは現段階で政治が主権国家の方針を決めていることは否定しようのない事実。政治力という具体的な「力」の影響を避けて平和も安定も考えられませんよね。
 この記事のテーマでありますが、ある公明党議員と懇談した時に「我々は色々と情報戦(情報操作)を仕掛けられて随分悔しい思いもしたが、基本的には政治的「実」を取ることを方針としている」と言っていました。公明党の国政レベルでの政策、地方レベルでの政策、そこには一本の芯が見えます(もちろん、完全などというものはありませんが)。国政と地方とで同一の党が矛盾した政策を採ることがあるなかで、「公明党の現実」はやはり民衆・平和・安定を志向しているものと思います。
 政策の高低浅深を同時代に正確に見極めるのは難しいことですが、マスコミの評価や各個の先入観を取り除いて、野党時代を含めて数十年にわたる公明党の今まで積み上げてきた仕事そのものを直視した時に「どのような実体が浮かび上がるか」ということが政党の本当の勝負なのかなとも考えます。

>池田創価学会名誉会長は、海外で多くの要人と接触し、数知れない感謝状や表彰を受けている。これは公明党が与党で国に影響力があればこその話で、少数野党になればそうはいかない。

 公明党が野党であった1975年に池田会長はモスクワ大学の名誉博士号を授与されています。これを皮切りに世界からの評価が定まるようになってきております。公明党が与党入りするのはそれから四半世紀後です。会長への評価が国内での政治力で決まるとの見方はその実態を捨象した評価になるのではないでしょうか。パワーマネジメントの観点で池田会長への表彰を根拠付ける説は少なくないですが、少なくとも池田会長の世界的運動は強い政治力を持たぬ半世紀ほど以前からすでに平和・文化・教育を柱として展開されてきたものです。現在もその延長線上に会長はあるわけで、とりわけ与党でいる意味が「表彰などのためにあるもの」とは別物であると認識します。

>現在の所属政党にとらわれず、その議員(候補者)の日頃の言動・行動・能力にしたがって選挙に臨み、平和指向議員をひとりでも多く議会に送り出すしかないのではないか。       

 強く賛同します。議員がどのような見識に立って政治に関わっているのかを、真島さんのブログから垣間見ることができます。実に参考にさせて頂くことが多いです。議員の発言を追っていったり、発言のアーカイブを参照したり、一人の主権者として自己の意見を発信したりできるのは、ウェブの時代に生きる我々のような国民が採れる政治的アクションの一つなんだと思っています。
 選挙にしても、小選挙区から議員を選ぶにはあまりに限られた選択肢しか我々には与えられておらず、かつその信任基準となれば、真島さんの仰るように平素からの議員としての言動・行動・能力を見極める以外にはありませんものね。

 こうしてウェブ上で反戦をテーマに社会を見つめるブログがあることで、私自身も反戦の原点に還ることができると思っています。

 冗長な長文、大変失礼致しました。

投稿: 伊達半蔵 | 2009年4月24日 (金) 21時20分

伊達半蔵さま
懇切なコメントありがとうございます。

 <1975年に池田会長はモスクワ大学の名誉博士号を授与されています。これを皮切りに世界からの評価が定まるようになってきております。公明党が与党入りするのはそれから四半世紀後です。

 知りませんでした。新知識を得ました。公明党が福田政権を見限り、小泉、安倍、麻生総理を支えてきた理由がどうしても理解できず、最近の聖教新聞などを見てげすの勘ぐりをしたわけです。

 最近の太田さんは政局の先が見えず、やや暗い顔をしているように見えるのですがどうでしょうか。

投稿: ましま | 2009年4月25日 (土) 09時47分

>最近の聖教新聞などを見て

昭和32年の段階で池田会長の師にあたる創価学会2代会長戸田城聖会長が「原水爆禁止宣言」を横浜三ツ沢競技場に集まった数万人のメンバーの前で発表しています。
 宣言曰く「我々世界の民衆は生存の権利を持っている。これを脅かすものは魔物でありサタンであり怪物である。それをこの人間社会、たとえ一国が原子爆弾を使って勝ったとしても、勝者でも、それを使用したものは、ことごとく死刑にされねばならんということを私は主張するものであります。たとえ、ある国が原子爆弾を用いて世界を征服しようとも、その民族、それを使用したものは悪魔であり、魔物であるという思想を全世界に広めることこそ、全日本青年男女の使命であると信じるものであります。」と。
 仏教的生命哲理を思想的根幹に据える創価学会が「死刑」を持ち出すほど、この原水爆に対する激しい怒りをあらわしたものといえましょうか。その後、国連に対して1千万以上に及ぶ核廃絶の署名(アボリション2000に参画)、50点を超える反戦出版物の刊行(理念的なものだけでなく、とりわけ思い出すだけで苦痛を伴う生々しい戦争体験を膨大に聞き取りしたものなどを含む)、現在も続く池田会長による幾度に渡る核廃絶・戦争廃絶への具体的取り組みの提案(この中に早々とクラスター爆弾の使用禁止を提言するものもある)など、戦争反対への「本気度合い」は並のものではありませんね。

>福田政権を見限り、小泉、安部、麻生総理を支えてきた理由がわからず

 福田総理の電撃辞任の直前に公明党国対委員長の話を聞きましたが、マスメディアとは全く逆のことを言っていました。覚えている範囲で大要を書き出してみます。
 
・「福田総理は話を聞ける人だ。消費者庁創設の件も非常に理解があり、かなり前向きに話が進んでいる。」
・「うちはテロ特の再議決には容易に応じないことにした。なぜなら、それを前提にすると民主党をはじめとした野党と本気の議論ができないからだ。相手だって再議決されると思っていたら、真剣に討論する気にはならなくなるだろう。うちが再議決しないというスタンスを取ることで、野党を含めて国民的議論が出来るものと信じる。再議決前提の議論をしては国民全体の意見が見えにくい。国家の安全に関わる重大問題であるから再議決とも言えるが、やはり討議して話し合いで合意点を探る最高の努力が必要だ。」

・「福田総理はマスコミの扱いがもうちょっと巧くなるといいんだけれど…。公明党としても「もっとこういう風に話してみたら?」などという提案を総理にするんだけど生真面目だからあんな対応になっちゃうんだろうね。」

・「基本的に福田総理の考え方とうちの考え方は似通うところが多い。総理を全力で支えるといつも言っている。マスコミは逆のことを流すが、流言飛語によって両者離間を図るのは古今常のこと。総理とウチとはいつも密接な連携を取っている。消費者庁創設も総理とこれからキッチリ詰めて法案を出す。」

 このような様子でした。だから電撃辞任は驚きましたが、公明党もびっくりしたことでしょう。私が考えるに、再議決しないというカードは総理にすればアメリカや国際社会に顔が立たなくなることを意味したのでしょう。大連立まで構想するのは、そこまでそれを重要課題と位置づけていたからだと考えます。
 一方、公明党にすれば国民議論の上での選択を優先したのだと思っています。福田総理にも野党と徹底議論して欲しかったということでしょう。結局のところは「目線の温度差」なのでしょうか。もちろん他にも理由はあるのでしょうけれど。

 世で色々と言われますが、公明党が総理を支えている理由(与党でいる理由)に関してはシンプルです。与党でいることで各種政策を通じ国民生活にセーフティーネットを張ることが出来るからです。混乱する報道の中にあって、公明党が推進してきた法律が何であったかを見てみれば明瞭です。(こういう細部にいたるところの報道ってないんですよね)
 それと憲法の改悪を抑止する意も強いです。環境権、プライバシー権などの加憲を提唱していますが、集団的自衛権はこれを認めない、9条にも変更を認めない、国際社会への貢献問題は別項にて確立する、という主旨であるように記憶しています。麻生総理が集団的自衛権の解釈変更?を言い出しているそうですが、公明党はこれを抑えにかかるものと信じます。理念的なものだけでなく、実際に「実現していく力」、また「抑えていく力」を政党は持たねばならぬと考えます。戦争抑止に強い力を発揮できるのは現時的に見て公明党の存在ではないでしょうか。

>最近の太田さん

 私はTVを持っていないので表情は分からないのですが、激務の故か疲労がたたるのでしょうか。東京では7月に都議選が控えています。衆院選との調整も並々ならぬ疲労が想定されます。
 昔「伏魔殿」と呼ばれた都議会をリコールさせた公明党ですが、都議選にかけるエネルギーは相当に大きなものです。少数政党でありながら、与党として国政・地方に一貫した政治的ストリームを流し続ける旗振り役兼調整役の苦悩もあるのではないかと感じますね。

 またも長文の投稿、お許しください。

投稿: 伊達半蔵 | 2009年4月25日 (土) 14時14分

マスコミ報道に毒されている面はずいぶんあると思います。おっしやっているような報道も断片的にはいっていました。けれど、矛盾点をわれわれ素人は直接政治家に確かめることもできず、結局、報道の最大公約数と起きた事柄の結論(「利」の部分かもしれません)で判断するしかありません。その判断力をとぎすますのが課題だと考えております。ただ、甲か乙か、白か黒かという単純な割り切りだけで世の中が成り立っているわけではないことにも目を向けなくてはなりませんね。

投稿: ましま | 2009年4月25日 (土) 19時56分

>結局、報道の最大公約数と起きた事柄の結論(「利」の部分かもしれません)で判断するしかありません。

 仰るとおりだと思います。もちろん各種報道には「意図」があるでしょうから、それをよく汲みながら判断を下していくスタンスは必要ですよね。
 政治に関していえば、各政党はサイトを持っており、理念・政策主張や推進した法律などは掲載されております。私の見方としては、「政党サイトの主張」「衆議院・参議院サイトでの議事進行の追跡」「実際の成立法案」を見た上で、マスコミ報道を俯瞰するようにしています。あとは、出来得る限り政治家そのものから話を聞く機会を持つことも心がけております。

>ただ、甲か乙か、白か黒かという単純な割り切りだけで世の中が成り立っているわけではない

 本当にそうですね。理念的に「白か黒か」ということと、実社会の様相が「白か黒か」とはまったくの別問題であると思います。白と黒とは互いに綱引きする状態が続くのでしょうけれど、その中にあって「戦争」を誘発するような事態になることは断じて防がねばならないと強く思う一人であります。

投稿: 伊達半蔵 | 2009年4月27日 (月) 10時16分

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受信: 2008年6月21日 (土) 12時54分

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