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2008年6月26日 (木)

福田政策の源流を見る②

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 ▼これからの国際協力のあり方▼(前回の続き)
        福田 康夫
  衆議院議員 元内閣官房長官(07/6/22当時)
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■日本に対する評価
 ところで、日本は外国からどのようにみられているいるかも大事なことである。外国が日本を信頼しているかどうかである。これは相手の立場にたった経済活動をするということの前提でもある。

 昨年1月、BBCとアメリカのある大学が共同して行なった国際世論調査によると、世界中の国のなかで日本が一番、世界のために役立っているという評価が出た。本年1月の調査でも同じ評価であり、信じられないような感じでもあるが、世界の人々が日本を高く評価しているということは、素直に受け止めていいと思う。

 どうして評価が高いのかを考えると、第1に日本は戦後の発展のなかで協調して行動してきたこと、すなわち平和に徹して軍事力を一切もたなかった、これが他の国に安心感を与えた。第2は、国際社会で積極的に活躍してきたことがあげられる。

 その中で日本の冠たる実績はODAである。ODAは現在は若干減っているものの、これまでのODAの実績が高く評価されているということであろう。また、日本人自身に対する評価として、例えば日本は長寿社会であり、日本食がいいということも評価の一つとなっている。

 日本の商品は品質がいい、長持ちすることもあげられる、経済的である――これを作っている日本人は悪い人ではない、という評価につながる。さらに、日本人は新しい文化と古い文化をもっている、大変礼儀正しくて親切であることも、評価されているようである。

 こうした高い評価を私たちはこれからも維持できるかどうか、これが問題である。例えばODAは2000年までは世界で一番多額であったが、その後、質の問題が出てきたり不景気などから、次第に順番に下がり、現在は3~4番というところである。これからどうなるか、ODAばかりではないが、日本はどういう国であるかをはっきりと明示しながら、それが国際社会に役立つようなイメージをもってもらうような政策をとることが大事であると思う。

 しかし、国内的に心配されるのは、憲法改正問題、戦後の歴史認識に対する問題、核開発問題などである。これは海外から、今までの方向と変わってしまうのではないかと疑問視されており、このことは対外的によく説明する必要がある。今までの日本のあり方と変わったイメージを与えるとなると、今までやってきたことがどうなるのか、よく考えてみる時期がくるのではないかと思う。

 私は日本は軍事力をもたないといけないと思っている。それは過度なものであってはいけないが、他の多くの国も納得するような範囲のなかであれば、当然もたなければならない。これは説明の問題であると思う。これによって、日本は今までの方向性を失うことがないという理解をえることができると思う。

■エネルギー・環境問題
 エネルギーの面でも、今まで述べたように国際協力が不可欠である。相手の国の発展に役立つような協力の中でエネルギーの確保に努めていくことが、一つの大きな課題であると思う。もう一つは、国内のエネルギーを調達できるための組織というか受け皿がなければ、国際協力はできないということ。

 今までは石油公団があったが、今は小さな組織であり、とくに調達部門では国際メジャーと競争できる状態ではない。それだけ小さな相手国に対する協力しかできないということであり、これは考えなければならない。専門家としてエネルギーを調達できる大きな組織が必要であると痛感している。

 環境問題は、資源問題とひっくるめて考えた場合、非常に難しい問題である。中国などは今後、従来と同じように発電するとなれば資源と環境問題をクリアしなければならないし、できればいいが、できるような技術を開発する必要があると思う。と同時に、消費の面でも相当努力しなければならない。日本も消費の面では非常に大きな問題がある。

 実は私は自民党の中で住宅問題に取組んでおり、「200年住宅ビジョン」を打ち出すことにしている。要するに「200年もつような住宅をつくろう」という政策をつくろうというというもので、来年から具体化する計画である。これは資源問題の解決と環境問題の改善に大きく貢献するものと期待している。

 今、日本では新築の家でも30年経つと壊してしまう。しかし、アメリカでは60年近く、欧州では80年ぐらいは保つ。日本でもこれから200年も保たせようではないか、という考えで、それによって資源の無駄遣いはなく(使用量は現在の3分の1に減少)、投資コストも安くなるというものである。

 一般に生涯収入の3分の1は住宅に当てられており、住宅コストを安くできれば、今後、国民負担が少し増加しても、それほど大きな負担にはならないということもあり、なおかつ省資源にもなる、すなわちエネルギーの使用量が少なくなる、ということであることから、こんないい方法はないわけである。

 これはストップ型社会の構築ということで、いろいろな方々が提唱しているが、日本もいよいよそういうストップ型社会をめざして一生懸命走っていかなければならないという状況になったと考えている。資源と省エネと環境とをパッケージした新しい構想をもって次世代を考えていかないと、この地球は駄目になる。世界全体では今後、人口も増える見込みであり、人口が増えると環境は悪くなるし、人口問題も考えなければならない。

 エネルギー問題については、資源と環境問題を考えると、しばらくの間は原子力を使うことになるであろう。ただ、原子力は危険な面もあり、絶対安全でなければならない、100%安全であってほしい。そのための技術対策もあるが、さらに安全対策に万全を注いで、その日本の優れた安全対策を他の国にも提供し、国際協力に努めてほしいと思う。

 日本は他の国をどうしようということはないし、またいろいろな形での世界とのつながりにおいて経済的メリットを享受しているわけであり、その分、いろいろな形で世界の国々にお返しをしていかなければならない、ということを理解して頂きたいと思う。(文責在社)

-------------以上転載おわり。

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