憲法記念日の新聞
いつもは、社説チェックを中央3紙、広げても日経・産経、ブロック紙(道新・中日・西日本)どまりだが、今回は有力県紙まで拾い読みした。県紙にはごくわずかだが憲法にふれていない紙があり、もう午前を回ろうとしている時間だが昨日の分までしかネットに載っていないところもある。
各紙に共通するのは、去年にくらべて議論が低調だということに加え、先月17日に名古屋高裁がイラク派遣で9条問題で判断を下したことを、肯定的に触れているものが多かった。さらに、所得格差・ワーキングプアーといった憲法第25条、生存権関係、それに立川反戦ビラ判決、プリンスホテルのサービス拒否や映画・靖国上映自粛といった、表現や言論の自由の軽視に関する懸念を示す論説も目立った。
そういったことにはあまり触れず、現在の国会の衆参ねじれ減少に特化し、参院制度の見直しを主張するのが読売新聞である。これと似た社説を展開したのは、見た限りでは北国新聞(石川県)だけだった。産経新聞は、相変わらず中国と北朝鮮の軍事的危機感をあおり、建軍改憲一本槍だ。
おまけに、先ほど起きたイエメン沖の海賊によるタンカー被弾事件まで持ち出し、「9条があるからこうなる」などという論法まで展開する。海賊の取り締まりは海上保安庁の仕事で、軍隊を出動させ海賊と戦争をする国がどこにあるだろうか。国民の中で護憲派がふえたことに、よほどいらだっているのか、見当はずれの意見としかいいようがない。
ちなみに、産経のような社説を掲げた一般紙は、さすがにひとつも見かけなかった。戦前から気骨のある新聞として知られる信濃毎日は、昨日、今日、明日の上・中・下の三部作で憲法に関する社説を載せる。自前の社説すら書けない県紙がある中で「さすがは」である。
最後に、ブログなどネット世論にふれた新潟日報と、護憲を真剣に考えるとどうしてもこういった考えに至る例として沖縄タイムス社説を部分的に紹介しておこう。
●新潟日報
ネットの一部では自主規制の反動のように、内向きで陰湿な感情がむき出しである。生身の人間同士のような気遣いや責任感はない。特定の個人や団体を標的に中傷や悪口が殺到する。
ネットは、法律が及ばない聖域のようだ。そのため政治の側が有害サイト規制に乗り出す動きもある。表現の自由は他人を傷付けたり、おとしめたりすることまで保障するものではないことを自覚すべきだ。
●沖縄タイムス
護憲という言葉に付着する古びたイメージを払拭するには、護憲自体の自己改革が必要である。九条を国際公共財として位置づけ、非軍事分野の役割を積極的に担っていくことが重要だ。
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コメント
改憲に躍起になっていた安倍政権下と比較すると、世論が低調になっている感はありますね・・・。
世論調査では、平和主義を謳った現憲法の意義を評価し、改憲に慎重な国民の声が高まっているようですネ・・・。いいことだとは思いますが、相手もこのまま引き下がるとも思えませんので、今後も憲法をめぐる動きには注視していかないといけませんね・・・☆
投稿: 棘入り《妄言録》! | 2008年5月 4日 (日) 04時35分
61年目の憲法……拝見しました。
力作ですね。スラスラッと読めました。このような意見開陳が、閉塞感だらけの世相を、前向きに引っ張る憲法の新しい任務を再発見させることになると思います。やはり世論は個人ベースでシコシコつくっていくしかありません。
投稿: ましま | 2008年5月 4日 (日) 15時10分
「つき指の読書日記」は下記の方へ移設しました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
http://plaza.rakuten.co.jp/tukiyubi1
投稿: つき指 | 2008年5月 4日 (日) 22時46分