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2008年5月 2日 (金)

狂乱物価

 この言葉は、1973年に起きた第4次中東戦争でアラブ産油国が石油を武器にという発想で、石油輸出を大幅削減するということから起きた国内の物価高騰をいう。しかしこの時期、景気のピークに来ており、中東戦争の直前の9月の物価水準が、前年同月比で卸売物価18.7%、消費者物価で4.6%という、朝鮮動乱以降最高水準の高騰ぶりをしめしていた。

 そこへ原油が4倍に値上がりするということで、なぜかトイレットペーパーなどの買い占め客がスーパーなどに殺到、品切れになるなどの騒ぎになった。石油の安定供給を口実に、通産省は輸入統計、生産調整、卸売価格など石油業界に対する様々な行政指導を行った。『石油インフレ』(朝日新聞社)はこう証言する。

“危機”の虚像をつくりあげた犯人の追及が始まった。石油業界が、独占禁止法違反のヤミカルテルを結んで石油不足を演出し、不当な値上げをはかったというカドで公正取引委員会に告発され、東京高検から起訴された。これはカルテルを「悪」と感じない日本の経済界への「一罰百戒」の色彩が強いが、反面、さながら中世の魔女狩りを思わせる。天災や疫病に魔女の犠牲が求められたように、“危機”に対応できなかった政府が、石油業界だけを魔女として引き立てることによって“犯人捜し”に幕をひこうとしているかに見える。

 価格決定の会議に通産省の役人も出席していた、つまり今で言う「官製談合」のようなものがあったらしいが、不問に終わった。今のところ、福田総理はひたすら「混乱の責任」をお詫びしているが、これから相次ぐ諸物価の値上げが、いつ狂乱物価を生むかもしれない。

 それに犯人捜しがつきまとうことも避けられないだろう。その際、どこに「魔女」を求めるのか、今からひそかに筋書きが練られているとするとそら恐ろしい。

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受信: 2008年5月 3日 (土) 07時38分

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