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2008年4月25日 (金)

内政問題

 オリンピックの聖火が羽田に到着した。明日、長野でリレーが行われる。善光寺の一部僧侶による追悼法要はいい試みだと思う。中国政府に意思表示をしたいのなら、平穏かつ堂々とやってほしい。このブログではチベットの問題が報道されたあと、次のような意見を述べた。

これからの中国当局の対応が注目されるが、極端な分け方をすれば、体制転覆をねらったとする天安門の時のように武力をもって制圧するか、香港返還のように交渉と知恵で平和裡に円滑な権限委譲の道をとるかの二つである。先行きはわからないが、日本にとっては境を接する隣国であり、あとを引かない形での安定が望まれるところである。

 その後海外の動きに対して、中国政府やそれを支持する中国市民は、一貫してこれを「内政問題」だと抗弁してきた。皮肉なことに聖火リレーが世界各国を回ることにより、各国では万一の事故に備えて万全の警備体制を強いられ、その模様は報道で世界を駆けめぐっている。動員される各国の警官はのべ一体何人になるのだろう。これを「国際問題」というのだ。

 小泉首相が依怙地になって靖国神社参拝を続けていた時、近隣諸国からの非難に対し「国内問題」とか「内政干渉」という主張がされた。これも、結果として国際的な影響をもたらした点では同様である。実は、私も「国内問題」だと主張していた。

 それは、中国などで問題がエスカレートする前から、日本国内に首相の公式参拝に反対する有力な意見があり、戦争責任を明らかにする意味でも国内で決着を図る必要がある、という考え方からきている。したがって前述のような抗弁とは全く次元を異にする。

 もっとも、こうは言える。小泉の靖国参拝も、ブッシュのイラク戦争突入も、盧武鉉の反日政策も、胡錦濤のチベット強硬策も、自らの政治基盤強化や選挙対策のためとあれば、たしかにそれは「内政問題」に違いなさそうだけど……。

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受信: 2008年4月25日 (金) 11時12分

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受信: 2008年4月26日 (土) 12時53分

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