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2008年4月 1日 (火)

和而不同

 由緒深い和室の欄間などにかかる揮毫によくあります。[和而不同]。明治時代の先祖の心意気、といった感じがします。「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」からとった言葉で、『論語』の子路篇にあります。

 その意味は、小人=つまらない人間は自分でよく考えることをせず、すぐ他人のいうことにそうだそうだと同調します。「付和雷同」の「同」です。これに対して、君子=キミ子ではありません、クンシといわれる人生の達人は、それぞれの考え、意見を持っています。

 それでありながら、ひとつの方向に調和して強い力を発揮することができるのです。似ているようで質的には全く違います。お互いの意見を知った上でそれを乗り越えたひとつの結論を身につけるからです。

 周の史伯という人は、またこういっています。――「和は実に物を生ず、同なれば継がず」。ただ「同」だけではそこで止まってしまう、「和」があってはじめて物事は前に進めることができるということですね。紀元前数百年、卑弥呼より前の時代の中国には偉い人がいました。

 漢文を習うことが少なくなって、日本人の教養から失われたもののひとつだと思います。国会とか地方の政治、マスコミ、選挙民、インターネット……それぞれあてはめて考えてみてください。そんなこと「同」でもいい、とおっしゃるのでしょうか。無政府状態に似てきた日本、君子が住みにくい世の中になってしまいました。

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コメント

久しぶりにお伺いしたらえらいことに…。お気の毒でした。
でもまともに記事を読んだと思えるものはほとんどありませんでしたね。
「和して同ぜず」蓋し名言だと思います。個性重視の風潮には寧ろなじむと思うのですが、実践は必ずしも容易ではないですね。

投稿: locust72 | 2008年4月 1日 (火) 17時43分

locust72 さま
やあ、しばらくです。
実情がわかり、いい勉強でした。
年度はじめなのに閉塞感ばかり。
結局老人のお説教みたいな記事でお茶をにごし、気が引けています。

投稿: ましま | 2008年4月 1日 (火) 20時53分

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