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2008年4月19日 (土)

漂流する「安保」1

 空自のイラクにおける活動に、名古屋高裁が違憲の判断を示した。これに保守政治家が危機感を抱き、自衛隊海外派遣に恒久法という煙幕で憲法を覆い隠したり、一旦遠のいたように見える安倍改憲路線を、政界再編をてこにもう一度新規巻き直しをはかろうとする動きが出てくるであろう。

 私は基本的に、現行憲法に手をつけるな、という考えは持っていない。しかし問題なのは、極右が目論む戦前路線復帰や、世界平和実現への先行的な指標でありかつわが国の財産でもある9条を、改変、後退させようとする分子によって目論まれることである。

 このブログでは、以前から「改憲」や「解釈改憲」を推し進める前に、現行日米安全保障条約の見直し再点検を先行させるべきだと主張してきた。それは、占領下→冷戦の進行→旧安保→新安保→高度成長→冷戦終結→地域紛争続発といった半世紀以上にわたる客観情勢の変化にかかわらず、米軍駐留権優先などのいわゆる「安保体制」を規定の事実のように憲法の上に置くのはおかしい、ということである。

 そこで、最初に旧安保の前文と第一条を復習してみることにする。この条約がサンフランシスコで締結されたのは、朝鮮戦争が休戦となって2カ月もたたない1951年9月8日であることを念頭においてほしい。前年の6月には北朝鮮軍が韓国になだれ込み、韓国政府は釜山まで後退、北九州に警戒警報が発令されるなど「また戦争か」とおそれおののいたものである。

日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧安保)

 日本国は、本日連合国との平和条約に署名した。日本国は、武装を解除されているので、平和条約の効力発生の時において固有の自衛権を行使する有効な手段をもたない。

 無責任な軍国主義がまだ世界から駆逐されていないので、前記の状態にある日本国には危険がある。よって、日本国は、平和条約が日本国とアメリカ合衆国の間に効力を生ずるのと同時に効力を生ずべきアメリカ合衆国との安全保障条約を希望する。

 平和条約は、日本国が主権国として集団的安全保障取極を締結する権利を有することを承認し、さらに、国際連合憲章は、すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。

 これらの権利の行使として、日本国はその防衛のための暫定措置として、日本国に対する武力攻撃を阻止するため日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持することを希望する。

 アメリカ合衆国は、平和と安全のために、現在、若干の自国軍隊を日本国内及びその付近に維持する意思がある。但し、アメリカ合衆国は、日本国が、攻撃的な脅威となり又は国際連合憲章の目的及び原則に従って平和と安全を増進すること以外に用いられうべき軍備をもつことを常に避けつつ、直接及び間接の侵略に対する自国の防衛のため漸増的に自ら責任を負うことを期待する。

 よって、両国は、次のとおり協定した。

第一条 平和条約及びこの条約の効力発生と同時に、アメリカ合衆国の陸軍、空軍及び海軍を日本国内及びその付近に配備する権利を、日本国は、許与し、アメリカ合衆国は、これを受諾する。この軍隊は、極東における国際の平和と安全に寄与し、並びに、一又は二以上の外部の国による教唆又は干渉によって引き起された日本国における大規模の内乱及び騒じょうを鎮圧するため日本国政府の明示の要請に応じて与えられた援助を含めて、外部からの武力攻撃に対する日本国の安全に寄与するために使用することができる。
(以下略)

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