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2008年4月 8日 (火)

亡国の山河

  中野正剛・船旅日記『亡国の山河』(「日本及日本人」より)

 上海、香港、新嘉坡(シンガポール)、マラッカ、彼南(ペナン)よりコロンボに到るの間、吾人は何を目撃せしか。嘗て孔子を出せし国の末路や如何、嘗て安けらく緑陰に眠りし馬来(マレー)人の現状や如何、嘗て釈迦を出せし民族の後裔や如何。途中に車輪の轣轆たる(れきろく=車輪のきしる音)あり、車上に揚々たるは皆白膚碧眼の人なり、車前に鞭を執り輪下に塵に塗るゝは、皆吾人と眉目相似たる有色の民なり。(1915年)

 帰国後ジャーナリストを経て衆議院議員となる。アジア主義を唱え後にファシズムに共鳴する。東方会を組織するが一匹狼的な右翼政治家として活動。

  戦中も大政翼賛会の推薦を受けずに当選して、「天下一人を持って興る」と題した講演などで東条首相の官僚統制失敗を追求、1943年10月には倒閣工作をしたという理由で検挙された。

  議員としての不逮捕特権があったものの、釈放された日の深夜に割腹自殺。東条側近の憲兵隊長に殺されたという噂もある。

 中野が生きていたら、今の中国・インドの興隆をなんと見るやら。また日本の現状をどう解釈するだろう。おそらく今の靖国神社賛美派右翼にはない、将来を見据えた斬新な視点を示すような気がする。

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