差別語
後期高齢者なんとかという行政用語を、福田総理の一声で「長寿医療制度」に変えたようである。そう呼ばれる方にとってみて、たしかに考古学の区分じゃああるまいし、前期・中期・後期・晩期・終末期などをあてはめられたようで、気分は良くない。
反面、言葉狩りかどうか知らないが「看護婦」とか「助教授」、「産婆さん」などという美しい日本語が消えていくのは残念だ。ついでながら、このブログは以前「反戦老年委員会」と名付けていたが「老」とか「翁」などは敬語であっても差別語とは思わない。
先月、このブログにチベット問題で膨大な書き込みがあった。また、今回の「靖国上映問題」でもアクセスはあがっている。書き込みの中に、自称かどうかわからないが「ネットウヨ」云々と書いてあり、別のサイトには「それを見分けるには“支那”という言葉を使うかどうかでわかる」とあった。
チベットも靖国も、そのこと自体より問題の核心は「反中」「反媚中」「反自虐史観」にあり、その裏返しとして蔑視と敵愾心をこめた「支那」になるのだろう。もっとも、私の子供の頃は「支那事変」であり、北支派遣軍の叔父に慰問袋を送り、シナは「支那そば」同様親しみのある語感であった。
戦後それを使わなくなったのは、先方が「多くの国に分かれている」という意味にとれる当て字を嫌ったからだろう。そもそも「チャイナ」の語源は、シンとかチンとかの音からきており、漢字をあてない限りそうとられる要素はない。
西暦800年頃、日本は中国語の「倭」の文字の意味がよくないので「日本」に変えて欲しいと申し出て、以後同国では「倭=わ」を使っていない。しかし、「ひのもと」と読ませるならともかく、ニホンもニッポンも漢語読みだ。だから、なにも相手がいやがる文字をことさら使う必要はないだろう。
それより、若者言葉とされる「ださい」「きもい」「うざい」などという、身近にいるもの、隣にいるものに発する蔑視、いじめ、差別語と同根であることが気になる。朝日ににおう山桜の「大和魂」とは、全く相容れない。言葉狩りでなく、そういった土壌をなくするのが先ではないでしょうか。文部科学大臣さま。
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コメント
お久しぶりです。まだ、生きてます(^^;。
タイトル名を変えられたのですね。
しかし、「委員会」を「塾」と変えるのはともかくとして、「老年」を外すのはまずかったのではないでしょうか?
>このブログにチベット問題で膨大な書き込みがあった。また、今回の「靖国上映問題」でもアクセスはあがっている。
だから、「老年」を外したからこうなったんですよ(^^;。
>シナは「支那そば」同様親しみのある語感であった。
前も、この件やりませんでしたか?
例の始皇帝の「秦」は「シーナ」と発音するそうです。
それが、欧州に伝わり、「チャイナ」と発音されるようになったわけです。
しかし、我々、日本人は「秦」が特定の王朝国家を指す言葉だと知っているのですから、今更、「秦」と呼ぶようなアホなことはできません。そこで、「支那」という字を別途持ってきたのでしょう。
しかし、字を変えたところで、やはり、「シーナ」が過去の国であることには変わりないですから、それもやめて「中国」と呼ぶようにしたわけですね。
もっとも、「インドシナ」という言葉はいまだに残っていますね(^^;。
ちなみに、PCで「しな」と入力して変換しても「支那」とは出ません。差別用語として削除されているようです。
投稿: Runner | 2008年4月 5日 (土) 13時35分
こんにちは。
支那という呼称に本来差別の意味合いがなかったとしても、向こうがこういう名前でいきますと名乗っていて同じ文字も持っているのにわざわざ理屈をこねて違う呼び方をするのは、相手の心情を慮るのが身上の日本的感覚と一線を画するものだと思います。
それにしても長寿医療制度、発案者が誰かは知りませんが、お上の決めた名前にしては珍しく(余計?)ナイスアイディア!と最初に感じました。
投稿: locust72 | 2008年4月 5日 (土) 14時16分
ましまさん、こんにちは。
トラックバックを送りましたが、通るかどうか分からないのでコメントにも残しておきます。
『認識と言語の理論 I』を読む 1(7)――予想の段階的発展
http://okrchicagob.blog4.fc2.com/blog-entry-194.html
当該記事は差別語を取り挙げたものではありませんが「支那」について注の形で書きました。ましまさんのおっしゃるように私などの世代にとって「支那」は差別語ではありません。しかしいわゆる「ネトウヨ」や石原都知事等が好んで使う「支那」は明らかに「侮蔑語」です。
投稿: シカゴ・ブルース | 2008年4月 5日 (土) 14時25分
runner さま
♪お富さん~ですね。
二番煎じです。こういう記憶力のいい人がいるから困る。3年も続けるとこういうこともあるからご勘弁を。
locust72 さま
昭和の初め頃まではとても統一国家とは言えないような状態もあったわけですが、今の国土を保つためには連邦国家、台湾までふくめれば共同体のような形が考えられるのでしょうか。いずれ書きたいと思います。
シカゴ・ブルース さま
トラックバックOKです。うちからも成功率70%ぐらいで困っています。ことばは世につれでもいいのですが、雑でノンセンスなのはいやですね。
投稿: ましま | 2008年4月 5日 (土) 18時11分