« そり歌 | トップページ | 古代史教育 »

2008年3月23日 (日)

チベットに和解を

 チベットで暴動が起きて1週間、だんだんその姿が見えてきた。中国国営新華社通信(22日)によると、チベット自治区ラサで死者はこれまでの13人から6人増え市民18人、それに警官1人を加え19人に上ると報じた。負傷者は市民382人、治安当局者241人の計623人。暴動に加わったとして出頭した人数は183人に上るという。

 もうこれだけで十分、ちょっとしたこぜりあいなどではなく、周辺地域や海外におけるデモなどを含め市民蜂起であることに疑いがなくなった。天安門事件の全容が分かってくるのに、記憶によると1カ月近くかかったのからくらべれば早くなった。

 この国はどうせ分かることを小出しにするくせがある。日本でも、人のことは言えないが、その結果はダメージを大きくする。あらためて前の記事「チベットに真の解放を」を見直してみても、その方向を変更する必要はなさそうだ。

 また、中国共産党機関紙「人民日報」は22日、ラサの暴動に関する「法制を堅持し、人民を保護し、安定を維持する」と題した論文を書いた。その中で、暴動は「祖国分裂を企てる陰謀」と断定。鎮圧を「正義の行動」と位置付けた。(毎日新聞)

 この書き方は、最早当初言っていた単なる「国内問題」ではないことを、はしなくも露呈したことにならないか。ダライ・ラマ師は、自治の拡大という基本姿勢を変えていないようだ。前回も言ったとおり、中国にとって、武力制圧でない話し合い解決の道が幸いにも残されているのだ。

 この件について、どこであろうと外国が介入することに断固反対する。解決を困難にするからだ。昨日行われた台湾の総統選挙で、独立には距離を置く馬英九候補が当選した。これも中国にとって交渉に入れる有利なチャンスでないか。かりに、中国がよりチベットに対し強圧的な態度を続ける(その可能性は高いが)となると、台湾独立に消極的な国際与論の風向きが変化してくることも考えておくべきである。

 前々回、「選民意識と和解」という記事を書いた。1950年人民解放軍が蒋介石の残党を追ってチベットに攻め込み、チベットは共産党は宗教を抹殺すると聞いて人民解放軍と鋭く対立した。こういった故事は今が和解するいいチャンスではないのか。さもなければ、両民族の対立は未来永劫のものになるだろう。

 なお、このブログは週1回、更新お休みの日がある。たいてい日曜だ。そのこともあってか、先週は事件を無視したなどというコメントを含め、当ブログにしては天文学的か数のアクセスをいただいた。

 はじめてのことなので、一週間じっくり観察させてもらったが、だれかの作ったリストが元のようで、「団体」扱いにされている。これは間違い、戦時体験のある一個人のささやかなブログに過ぎない。

 前後を見ればすぐ分かるはずなのに、中を読んでいないと思えるコメントが多い。そういったことで他の方を誤解させたり、スパムなみの意味をなさないコメントはやはり削除すべきかなあ、と思ったりしている。

|

« そり歌 | トップページ | 古代史教育 »

反戦・軍縮」カテゴリの記事

コメント

ブログ炎上かと憂へけり彼岸過ぎ  谷人

投稿: tani | 2008年3月23日 (日) 17時59分

『近火お見舞い御礼』
最近はとんと見かけませんね。この貼り札。ちょっとしたぼやでも向こう三軒両隣。全焼でもすれば町内競って貼りだしたし、ちょっと小金をもつ商店や銀行などなら新聞広告までしました。
「当店一切被害無之、平常通り営業仕候上は、御安堵賜り御来店の程願上奉候 店主」

投稿: ましま | 2008年3月23日 (日) 20時11分

土曜日六本木界隈を歩いてみて、某団体の集会で貴殿のブログを中傷しているのを耳にしたました。
その後単独で中国大使館まで様子を窺いにいくと、なにやら4mはあろうかと思う高い塀(中に隔離した人を逃がさないため?)に見とれていると、何やら涌いてきた警察の一団に取り囲まれ、すんでのところでパトカーに乗せられ(悪名高い任意同行)されそうになりました。

中国の公安のようなことを日本の警察もやりますから、厄介です。

投稿: きょうたろう | 2008年3月24日 (月) 07時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/11660543

この記事へのトラックバック一覧です: チベットに和解を:

» 彼らの難癖、その欺瞞 [日本の誇り 憲法9条]
前回の更新からなんと半年。仕事が異常に忙しく、かけずり回っているのでブログを書いているヒマなどないというのが実感だ。だが、まあたまには書くかということで。 チベットでの民衆蜂起に対する中国政府・軍の弾圧には、大いに憤りを感じるところだ。昨今いくつかの反..... [続きを読む]

受信: 2008年3月23日 (日) 13時26分

» 裁判員制に関する取材メモ ― 裁判記録が一切残っていないという驚き ― [鳥居正宏のときどきLOGOS]
本日(2008年3月24日)午前中に、裁判員制度に関して、ちょっとした取材をしましたので、その記録をご紹介申し上げます。 1.鳥居、大阪... [続きを読む]

受信: 2008年3月24日 (月) 15時07分

» 福島みずほ党首が懸念を表明 ― チベット問題 ― [鳥居正宏のときどきLOGOS]
●対話による平和的解決こそ望む 中国チベット自治区ラサで発生した僧侶や市民らと治安部隊との衝突事件について、福島党首は19日の記者会... [続きを読む]

受信: 2008年3月25日 (火) 01時40分

» 鳥居正宏、チベットを擁護して迫害・強制排除される [鳥居正宏のときどきLOGOS]
先月(2008年2月)、私は京阪神地域を主たる活動拠点とする、とある平和・人権系(いわゆる左派系)で、貧困問題にも取り組んでいる市民運... [続きを読む]

受信: 2008年3月26日 (水) 00時14分

» チベット暴動と中国に内在する不満 [虹色オリハルコン]
今回のチベットの騒乱について、思ったことがあります。 共産主義の中国でありながら、資本主義の悪い部分が、チベット文化を壊しているという皮肉です。 ■■ここで、チベット近代史について、ざっとおさらい。 1949年欧米からのチベットの解放を名目に、中国がチベット侵攻、1951年中国政府は、チベット政府に「平和解放」協定に無理やり調印をさせ、チベットを自治区に編入する。1959年、ラサでチベット蜂起したことにより、中国はチベット人87,000人を殺害して蜂起を鎮圧した。そのとき、ダライ・ラマ14世ととも... [続きを読む]

受信: 2008年3月26日 (水) 14時23分

» チベット関連アクションのお願いと、暴走する植民者の軍隊が牙を剥く先 [多文化・多民族・多国籍社会で「人として」]
2008.3.22.08:10ころ ブラウザをFirefoxに変えたら、無事、T [続きを読む]

受信: 2008年3月27日 (木) 12時04分

» 「すべてやらせだ」直訴のチベット僧らTV映像に [政治]
僧侶らの勇気に敬意を表します。この僧侶らはこの後逮捕拷問されることはほぼ間違いないと思います。私達の政府はただ経済的な関係の為だけに彼らを見捨てます。 「すべてやらせだ」直訴のチベット僧らTV映像に 3月27日21時47分配信 読売新聞... [続きを読む]

受信: 2008年3月28日 (金) 06時04分

» 〔メモ〕チベット亡命政府と米国CIAの関係 [逝きし世の面影]
イラクのフセイン政権が軍事独裁政権だったことは誰でも知っている。 しかしイラク亡命政府を名乗って反政府活動をしていた勢力が、果たして正しいことを言っていただろうか。? 『アハマド・チャラビ』 イラク侵攻の大義名分だった大量破壊兵器は、 アメリカ側が一方的に捏造したフィクション(詐欺)だったが、その情報を提供したのがサダム・フセイン時代の反体制派グループであるイラク国民会議(INC)の共同創設者アハマド・チャラビは、「どこに兵器があるかを知っている技術者、科学者が数千名はいる」と発言していた。... [続きを読む]

受信: 2008年3月28日 (金) 16時09分

« そり歌 | トップページ | 古代史教育 »