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2008年3月22日 (土)

そり歌

 江戸中葉の地方文人、鈴木牧之が『北越雪譜』でいう。

     そりをひくにはかならずうたうたふ、是
    をそり原文は車へんに盾)とてすなわ
    ち樵歌なり。唱歌の節も古雅なるものな
    り。

     親あるひは夫山に入り、そりを引てか
    へるに、遠くそり歌をきゝて親夫のかへ
    るを知り、そりに遇う処までむかへにい
    で、親夫をばそりに積たる薪に跨がせ
    て妻や娘がこれをひきつゝ、これらも又
    そり歌をうたうてかへるなど質朴の古
    風今目前に存せり。これ繁花をしらざ
    る幽僻の地なるゆゑなり。

     春もやゝ景色とゝのふといひし梅も
    柳も雪にづもれて、花も緑もあるかな
    きかにくれゆく。されど二月の空はさ
    すがにあをみわたりて、朗々なる窓
    のもとに書読むをりしも遙にそり歌の
    聞るはいかにも春めきてうれし。是は
    我のみにあらず、雪国の人の人情ぞ
    かし。

【以上『校注北越雪譜』、野島出版による】

 にわか雨に、妻か子供が傘を持って駅まで迎えにでる、という風景がなくなったのは、いつの頃からだったのだろう。

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