« 石破大臣の後任? | トップページ | 段のある街 »

2008年3月 2日 (日)

入門編・戦争とは13

 「人間はなぜ戦争をするのでしょう」は、「差別」「経済」「拡張」「ナショナリズム」と続き、最後は、サ・ケ・カ・ナ・シのシ、「宗教」です。宗教はこれまでの話とすこし違います。というのは、昔からよく「宗教戦争」という言葉をつかいますが、どうも定義がはっきりしないからです。

 『広辞苑』には、「宗教上の衝突に起因する戦争。特にヨーロッパにおいて宗教改革後、旧教徒と新教徒との間に行われ、政治的・経済的利害ともからんだ激しい戦争」とあります。それ以前のイスラム教徒による北アフリカ、イベリア半島への進攻や十字軍の遠征も宗教が前面に出た戦争だと思います。

 こういった中世までの例を見ても、宗教上の違いが直接原因なのか、これまでお話ししてきた「差別」「経済」「拡張」などから生ずるトラブルを、宗教の名で戦争にしたのか、突っ込むとわからなくなります。現在でも、パレスチナ、スリランカ、ボスニア、キプロスなどでは厳しい宗教対立があり、紛争の火種になっています。

 中国のチベット、ロシアのチェチェンなどにも宗教問題があります。しかしそういった摩擦が直ちに戦争に結びつくとは限りません。異宗教の人が混在して長いあいた平和に暮らしている例はいくらでもあります。紛争が起きるのは、他の複雑な要素がからんでお互いの憎しみに転化するからでしょう。

 現在は、古典的な宗教の違いというより、「宗教的情熱」に基づく攻撃意欲の昂進といった動機に注目すべきです。「神は偉大なり」と叫んで目標に突っこむ自爆テロも、「天皇陛下万歳」の特攻精神も、宗教的情熱には違いありません。

 宗教を思想、信条という面まで広げると、尊皇攘夷、フランス革命しかり、共産主義、自由主義、民主主義であっても「宗教的情熱」あるいは、偏狭な「原理主義」が入り込むことで、現代の「宗教戦争」となるということを心得ておくべきです。

|

« 石破大臣の後任? | トップページ | 段のある街 »

戦争とは」カテゴリの記事

コメント

政治経済なら多少は知識がある。
一番判らないのが宗教。
宗教戦争も理解できないが、もっとも理解できないのが宗教裁判。

昔、異教徒を国外追放していた。これは自分の宗教の敵だから、有る程度理解できる。
理解できないのが異端者を火炙りにしたこと。
同じキリスト教徒を、一寸考えが違うからといって、議論や論争は当然でも、幾等なんでも火炙りは無いでしょう。
日本のように、異教徒(キリシタン)が火炙りで、異端者が国外追放(島流し)なら私でも理解できるが、一神教の考え方は日本人的には理解しにくいですね。

今マスコミで、イスラム世界の特異性と欧米の価値観との紛争を報道していますが、あれ嘘ですよ。
イスラム教を少し勉強してみたら、驚くべき事実が判りました。
イスラム教は、キリスト教をバージョンアップしたもので、教義の内容は殆ど同じものです。
ウインドウズ95とXPかビスタの違い程度。
豚肉を食べ無い戒律は、両教の先祖宗教のユダヤ教の教えで、旧約聖書の記述に由来しているので三つの宗教共通の戒律です。

投稿: 逝きし世の面影 | 2008年3月 3日 (月) 17時58分

<ウインドウズ95とXPかビスタの違い程度

これには声をあげて笑ってしまいました。
さっそく「原理主義」の題名でエントリーしてみます。

投稿: ましま | 2008年3月 4日 (火) 21時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/10877696

この記事へのトラックバック一覧です: 入門編・戦争とは13:

» 旅先で感じたこと [「猫の教室」 平和のために小さな声を集めよう]
今回、9日間の旅行で訪れたのは、おもに、ミクロネシア連邦の島と、アメリカ領のグァム島でした。 ミクロネシア連邦は、長年、アメリカの信託統治領でしたが、10年ほど前に独立し、国連にも加盟しています。しかし、人口は、10万人余りにすぎず、独自の文化で自給自足..... [続きを読む]

受信: 2008年3月 3日 (月) 07時12分

« 石破大臣の後任? | トップページ | 段のある街 »