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2008年2月 4日 (月)

入門編・戦争とは9

 「人間はなぜ戦争をするのでしょうか」の2回目です。前回は「差別」について書きました。サ・ケ・カ・ナ・シの順でいくと、今度はケ、「経済」です。「差別」と「経済」、そのあとの「拡張」や「宗教」もそれぞれお互いにからみあっています。

 資本主義と共産主義、貿易摩擦、開発利権、そういったものも当然「経済」といえますが、ここでは単純化して貧困だけを考えてみましょう。中東と並んで最近はコソボの独立をめぐるバルカンの動きが注目されています。アフリカではケニアも内戦の危機にあります。

 こういったところでは、貧困や高い失業率などから、宗教や民族の違いで格差を生み、それに政治権力がからんで、武装闘争に発展することが多くあります。難民が発生し、周辺国や利害関係のある国が背後から干渉するようになると、解決が遠のき本格的な戦争に発展することもあります。

 日清戦争は、東学党の乱という朝鮮農民の貧困から起きた暴動を鎮圧するという口実で、日清両国軍が衝突をしたのが始まりです。ただし、これは戦争のきっかけであり直接原因ではありません。昭和になって、中国の東北部に満州国という日本のかいらい政権を作り、ここを植民地としたことは、まぎれもない事実です。

 第一次世界大戦の好景気が過ぎると関東大震災が起き、日本も世界恐慌のあおりを受けて昭和大恐慌に見舞われました。エロ、グロ、ナンセンス、「大学はでたけれど」などのことばがはやり、欠食児童20万人といわれた時代です。

 私たちは、「日本は国土が狭く、東洋ではジャワ島の次に人口密度が高いので食糧が不足する。満州、中国は国土が広いのに技術が低く、まだまだ食糧を増産できるし、鉱物資源も使われていないので、日本人がいってみんなを幸せにしてあげられる」と教えられました。

 これも戦争の直接原因ではありませんが、国内の「貧困」が、次にのべる「拡張」を招いたかげの原因であることは疑いないと思います。したがって、世界から戦争を無くするためには、貧困を追放することがどうしても必要になってきます。

 日本は、今貧困どころか世界有数の豊かな国です。ところが、日本国内でまかなえる食糧はたったの4割、この点では、昭和のはじめよりはるかに貧しくなったのかも知れません。かりに戦争になって「経済封鎖」されたらどうなるでしょう。

 減反政策、農漁業の衰退、それを急に回復することなどできません。どんなに基地や軍備をふやしても役に立ちません。「腹がへってはいくさはできぬ」ということわざどおりになります。中国産の輸入ぎょうざの問題がきっかけで、「食糧安保」を「日米安保」におとらない重要な課題にしてほしいものです。

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コメント

戦争の原因は究極的には物質ではありません。敵への恐れという心の問題です。他人の心はわからないという問題から生じるものです。

北朝鮮は朝鮮戦争のころより、貧しくなっています。毎年餓死者がでています。それなのに何故、金正日は作戦計画を発動しないでしょうか?あなたのおっしゃるところによれば、朝鮮はいつ戦争を始めてもおかしくないですよね。瀬戸際外交を北朝鮮はやってますが、実際戦争は起こっていません。そして、貧困を理由に戦争を開始した国家は歴史上ありません。
全人類が貧困から脱しても、戦争を強化することはあっても、なくなることはないでしょう。ある貧困国の経済力が上昇すれば、それに応じて武装をさらに強化しようとするだけのことです。中国を見てください。軍事費が異様な伸びをしていることで知られています。私が金正日であれば、朝鮮人民が豊かになり、経済力がつけば、その経済力で軍事力を強化します。人口も増えれば、兵隊が増えて喜びます。豊かになったということで、私への人民の忠誠心はますます強固になることでしょう。


貧困を理由に人を計画的に殺しても、いいんでしょうか?良い訳がありません。戦争というものは偶然発生することはありません。どこの国でも、軍部が綿密に戦争計画を立て、政治家が軍部に命令を下さなければ、生じないのです。
海上保安庁と北朝鮮の工作船が戦闘しても、戦争にはなりません。
戦争が現代の世界で違法なのは、計画殺人だからです。母親が病気でも、薬を買うために、計画的に人をあやめれば、犯罪です。

投稿: ツーラ | 2008年12月25日 (木) 05時40分

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