入門編・戦争とは10
「人間はなぜ戦争をするのでしょうか」の3回目です。これまで「差別」と「経済」について書きました。サ・ケ・カ・ナ・シの順でいくと、今度は「カ」、「拡張」です。このあとの「ナショナリズム」や「宗教」も含め、全部がからみあって戦争が起きます。
「拡張」ということばも、あまり範囲が広すぎて一口では言いあらわせません。これまでで一番多く戦争の原因となったのは、①領土の拡張でしょう。そのほかでは、②軍備の拡張があります。また、宗教や思想の拡張などは別に考えることにします。
①領土の拡張
国の支配地域をふやすことです。他国の土地を奪い取って直接領土とすること以外に、植民地をふやす、属国や傀儡(かいらい)政権をつくる、植民地や周辺国にまたがる利益線とか生命線という線引きをして、その範囲内での利権や防衛権を主張することなども含みます。
独立戦争は、領土の変更をともなう点でここに入れてもよさそうですが、話が複雑になるので保留しておきましょう。領土の拡張は戦争の結果であり、原因ではない、とおっしゃる方もあると思います。 たしかにそうですが、19世紀までは「帝国主義」という列強の激しい競争がありました。
特にヨーロッパの覇権競争は、規模の大きさや期間の長さから歴史そのものといっていいほどでした。東洋がその影響を受け始めたのは、日本の江戸時代からです。中国のアヘン戦争、日本の開国、すべて西欧帝国主義のさなかのことです。
特に中国は、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、そして遅れて日本などが中国内に特殊の利権地帯を設け、ズタズタにされました。アメリカも公平な貿易を熱心に求めてきました。しかし、ロシア革命、第一次世界大戦、パリ平和条約などを経て、露骨な帝国主義が反省されるようになってきました。
日本だけが中国に嫌われるのは、各国の利権が後退する中、満州国を独立させ、中国に無理な要求をつきつけて軍隊を居座らせたからです。満州事変にしろ日支事変にしろ戦争のきっかけはいろいろ言われていますが、中国国内に日本の正規軍が常駐していたことだけは、たしかなのです。
他国軍が駐留していて、政治に口をだし、武器を持って住民ににらみを利かしていたら国民はどう思うでしょう。たとえ、復興支援だとか治安維持だとかといっても、とてもいい気持ちではいられません。外国に軍隊をだすというのは、大変危険ことなのです。まして長期にわたることは許されません。
湾岸戦争の時、イラクはクエートに侵入しました。イラクには、原油価格の協定破りや国境沿いの油田乱掘被害など、いろいろな紛争の口実がありました。しかしかりにその言い分が正しくとも、外国に正規軍を入れたことでど、こからも支持を得られません。
こうして国連決議が通り、多国籍軍が協力してイラク軍を撃退しました。悪いのは軍を入れたイラクの方だ、という共通認識が持てたからです。今、自爆テロが続発している国は、外国軍隊が駐留している国か、それに関係のある国であることは理由のあることです。
外国軍がいるというだけで、それで得をする勢力と被害を受ける勢力ができて、内戦のようになってしまう例はいくらでもあります。また、いないと治安維持ができないというケースもあるでしょう。しかし、片方に武器を供給するなど、国内で自主的に解決する機会をなくしてしまうようなことだけは、すべきではないと思います。
いずれにしても、軍隊はうむをいわさず人をおさえつけることのできる暴力装置です。他国に居座る限り真の平和は訪れません。自衛隊が海外派遣される場合は、憲法9条の趣旨からすると、暴力装置ではない文官として出向くべきでしょう。
長くなったので、②軍備の拡張は次回にまわします。また、「戦争とは」シリーズのバックナンバーは、左らんのカテゴリをクリックしてください。
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コメント
ましま様
こんにちは。トラックバックありがとうございます。ウエブリブログには、同じエントリが送られてくると、保留になる機能があります。最初の一件が反映し、その後何件かが保留に入っていたので、一応ご報告しておきます。(ごめんなさい、操作間違いかと思い、保留に入っていた2件目以降は、もう削除しちゃいました。)
投稿: 散策 | 2008年2月10日 (日) 11時15分
散策さま
わざわざご教示いただきありがとうございます。
知ってはいたんですが、猫の教室さまへのTBが通らずについいらいらしていたもので。
ご迷惑かけました。(..;)
投稿: ましま | 2008年2月10日 (日) 13時07分