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2008年1月 9日 (水)

入門編・戦争とは5

不戦条約
 去年の参院選では、左翼政党が「自民党は憲法を改悪して戦争のできる国にしようとしている」と、主張しました。その自民党の改憲草案でも、章の題を「戦争放棄」から「安全保障」に変更し、9条第1項は、「平和主義」に名を変えたもののまま残しています。

 それは、1928年(昭和3年)8月27日にアメリカ合衆国、フランス、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、日本といった当時の列強諸国をはじめとする15か国が署名し、その後、ソビエト連邦など63か国が署名したいわゆる「不戦条約」がもとで、今でも生きています。

 ところが、その後日本は日中戦争をはじめ、アメリカもアフガン戦争をつづけるなど、条約などあってなきがごとしの状態です。それは「戦争」ではなく「事変」だとか、「自衛」のための戦争はいいんだ、とかさまざまな理屈をつけては、勝手な解釈で条約の精神をふみにじってきました。

 だから、第2次大戦を経て誕生した国連の「国連憲章」では、「戦争」という言葉をやめ、すべて「武力行使」という表現に置きかえて規制したのです。安倍内閣当時に「集団的自衛権」という言葉が問題になりましたが、これも拡張解釈のもとになる危険をはらんでいるといえましょう。

 そこで、不戦条約と現行9条、同じく自民党原案をならべてみました。じっくり読みくらべてみてください。

「戦争抛棄ニ関スル条約」
第一條
 締約國ハ國際紛争解決ノ爲戰爭ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互關係ニ於テ國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳肅ニ宣言ス

第二條
 締約國ハ相互間ニ起コルコトアルベキ一切ノ紛争又ハ紛議ハ其ノ性質又ハ起因ノ如何ヲ問ハズ平和的手段ニ依ルノ外之ガ處理又ハ解決ヲ求メザルコトヲ約ス

 (第3条があるが手続き等を定めたもので省略した。また、第1条の「其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ」というのは、天皇主権のわが国の国体に反するという右翼や軍部の主張を立憲民政党がとらえ、政府攻撃の材料にしたため、わが国ではその部分を保留して批准した)

「日本国憲法」
   第二章 戦争の放棄
 第九条[戦争の放棄、戦力の不保持・交戦権の否認]日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。

「自民党新憲法草案(原案)」
--同党では05年10月、原案の第1項を撤回して現行どおりとし、②項を削除して第九条の二(自衛軍)を新設する草案に変更しました--
   第二章 安全保障
(安全保障と平和主義)
 第九条 日本国民は、諸国民の公正と信義に対する信頼に基づき恒久の国際平和を実現するという平和主義の理念を崇高なものと認め、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する平和国家としての実績に係わる国際的な信頼にこたえるため、この理念を将来にわたり堅持する。

2 前項の理念を踏まえ、国際紛争を解決する手段としては、戦争その他の武力の行使または武力による威嚇を永久に行わないこととする。

3 日本国民は、第一項の理念に基づき、国際社会の平和及び安全の確保のために国際的に協調して行われる活動に主体的かつ積極的に寄与するよう努めるものとする。

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