やはり政治だっ!!
最初は題を「拝啓自衛隊員殿」としよう思った。このまえ、横須賀から洋上給油のため海上自衛隊員出発するセレモニーのTV映像を見ていたら、よく聞き取れなかったが「憲法違反という声がある中……」というような、うわずった声の自衛官の答辞をマイクが拾っていた。
今のガソリン税問題にしてもそうだが、日本の安全保障についての本格的な国会論議がないまま、テロ新法が成立した。そうした中で、いわゆる「国際貢献としての軍事行動継続」について、現場の自衛隊員はどう感じているのだろうかということが気になっていた。
現場は違うが、かつてイラクのサマーワで勤務した佐藤正久隊長が、昨年8月参院議員に当選した際の発言が問題になったことがある(下記注参照)。これも社民党福島党首がとりあげて質問したが、議論が深まるでもなく、適当にかわされてしまった。
『軍事研究』としう雑誌がある。この2月号に防衛問題研究家・賀谷眞悟という人の「海外派遣部隊の苦悩 もし戦わば」という論述があり、一読した。賀谷氏に関する知識はないが、自衛隊制服組出身者と思われ、かなりの部分で現今の隊員の心情代弁しているものと察せられる。
その内容は想像以上に過激で、仮に日本国民がこういった自衛隊員を抱えこんでいるとすると、戦前の2.26事件前の日本を彷彿とさせるような危険な状態を感じさせるものさえある。それは佐藤正久隊長と同様、制服組の憲法軽視、法の無視といった傾向である。
筆者は自衛隊を「軍隊」ととらえており(外見的にはそのとおりだが)、米軍との共同作戦、共同訓練や海外の多国籍軍などとの交流の中で、自衛隊が「軍隊」の常識からかけはなれており、外国の軍隊なみの機能を果たせないことについて力説している。
筆者の視点に立てば、その内容は正論であろう。ただし、文民統制を軽んじたり専守防衛を否認するなど、国民の視点とは相容れない内容を、町の本屋で売っているような雑誌で公言することについては、大いに問題視しなければならない。
このような見解を堂々と述べるようになつた下地は、やはり小泉・安倍路線を支えた和製ネオコン支配と、安倍内閣の改憲促進路線にあったといえるだろう。これには、筆者の指摘にもあるように、政治家の軍事に関する不勉強が、自衛隊員のストレスを高めているという面がある。
しかし、その前に日本国憲法をないがしろにするような発言がまかり通る現状に問題がある。その一半の責任は、国の安全と自衛隊について、国民的立場に立った視点を示せない野党にもある。自衛隊員は、日米同盟という檻の中で、すべての軍事知識を米軍に仰ぐしかないのだ。以下は、同論の雰囲気を知っていただく意味で引用した。詳細は同誌によっていただきたい。(太字は管理人による)
九八年北朝鮮のミサイル発射事件は我
が国にとって、国民や政治家を覚醒させる
意味で逆説的に言えば格好の事案であっ
た。この一点においてではあるが「よくぞ撃
ってくれた」と言わねばなるまい。(中略)
平成一七年三月号本誌において、専守防
衛の誤謬、BMD整備よりも先に対地攻撃ミ
サイルの研究開発、装備の必要性について
小論を述べた、さらに戦略や軍令等に関す
る分野は国会において軍人たる幹部自衛
官が説明や答弁する仕組みにすべきであ
ると述べた(中略)
先の北朝鮮のミサイル発射事案がなけれ
ば、また何年も議論も無く、研究の必要性さ
えも取り上げられなかったかもしれない。金
正日将軍閣下には重ね重ねお礼を申し上
げておこう。
(前略)現状は一般市民でも保有している正
当防衛・緊急避難等の原則でしか行動でき
ない。自衛隊の部隊はこの種任務の場合、
敵襲、攻撃された際に任務遂行のため生存
しなければならないが、そのために部隊とし
て武力の行使はできないのか?。
シビリアンコントロールが原則の民主主
義国家日本はいつまでこのようなことを
放置しているのか?国家の基本的な政治
の怠慢である。(中略)そもそも、後方支援
であろうとなかろうと、部隊が任務遂行上、
敵に遭遇した際には、武力の行使が伴
うものである。これは軍事組織の常識で
ある。
(前略)今、政府の責務としてなさねばなら
ないことは、武力行使を国際貢献の場合
でも認めることである。憲法がこれを認め
ていないという解釈なら憲法を変える必然
性がある。
自衛隊には我が国防衛だけでなく、国際
貢献の任務が正規の任務として与えられ
た。
以上抜き書きしたように、現行憲法は守られるべきものではない、という考えと、自衛隊法や防衛省設置法案の改正点を憲法より上位に置き、シビリアンコントロールを軽視しようとする点など、アメリカですら考えられないような暴論が散りばめられている。
安倍首相時代によく口にされた、アメリカと価値観を同じくするという「価値観」には、「法の支配」が入っている。日本の憲法を軽視する自衛官は、すでにその点で日本の自衛官ではない。もう一度いう。このような事態を招き容認してきた安倍前首相の責任は重い。同時にこれを座視してきた野党は、この風潮をどう是正するのか、ただちに緊急の課題としてほしい。
(注)佐藤正久発言
2007年8月、佐藤はJNNの取材に対して、以下のとおり発言した。この発言は、2007年8月10日付のTBS系列ニュース番組で放映された。
「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います。」
また佐藤は、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだった、として、続けて次のとおり発言した。
「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと。」
以上Wikipediaより
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コメント
「悪法も法なり…」の倫理にたてば、まさしく平和憲法は稀代の悪法と呼べるのでしょう。そして、憲法改正は、それにさきだって「しからば、日本の国家理念とはなにか?」の難題を克服したあとでないと、はじまらないのでしょうね。
投稿: 罵愚 | 2008年2月 1日 (金) 05時37分
罵愚さんこんにちは。
変な題つけてしまったなあ、と思ったけどこの点は兄と共通していそうです。
投稿: ましま | 2008年2月 1日 (金) 10時39分
はい。この佐藤氏の発言。大問題だと思います。それをなおざりにしていることそれが一番怖いと思います。髭の佐藤であのころテレビ受けしていて格好よくてその無残な背景のなか静々と砂漠を走ってサマワに到着駐留の
画面。指揮を執る佐藤鬚隊長まるで青年将校
かのごとく。インタビュウに出たりのマズゴミの垂れ流し。帰還してくれば国会議員に当選。これも考えれば恐ろしい。投票で勝った
わけだから。そのあと問題。大問題発言してもお咎めなし。質問状のも答えず無視。それでお茶を濁し世間も他に論点移行。髭は卑怯者であり最低の隊長である。自衛隊員は髭と同じ精神構造なのかどうなのか不明。不明なのがまた気味が悪い。何と情けない武士サムライだろうか。まっとうな市民でなければまっとうな軍人にはなれないだろう。髭が佐藤
鬚がもてはやされる嫌な時代。それを忘れる
忘れさせられる騙す騙される嫌な時代だと
そういう時代認識を持ち続けねばなるまい。
佐藤のひげ野郎。ああ嫌な軍人である。
投稿: 鴨之嘴2 | 2008年2月 1日 (金) 21時04分
かっこよくとも、ヒゲで政治はできませんわなあ。能力あれば勉強してでなおし、好きじゃないけど東国原みたいに後半とばせるんだろうけど。
結局、ヒゲ・チルドレンですかねえ。
投稿: ましま | 2008年2月 1日 (金) 21時58分
佐藤隊長の違法はよくわかった。にもかかわらずサマワは成功して、あの作戦は成果をあげたわけだ。
違法発言は違法発言として、当然・正当な発言が、違法になってしまうような法律への批判は、ないのかなぁ?あの発言が違法になってしまうような、憲法のほうが、まちがっているんじゃぁないか?の疑問は、わきませんか。
投稿: 罵愚 | 2008年2月 2日 (土) 04時16分
この問題は憲法9条ではなく、憲法99条の問題と捉えるべきでしょう。
99条の公務員の法令順守義務です。
江戸時代でも、法に背く公務員は当然、懲戒の対象になる。
佐藤鬚隊長の発想は、400年以上前の戦国時代でもないかぎり正当化されません。
あたり前ですが憲法99条は日本国だけではなく、諸外国にも同様な項目が存在する、近代国家なら当然の規定です。
そして現在の佐藤衆議院議員も99条の法令順守義務がある特別職の公務員です。
投稿: 逝きし世の面影 | 2008年2月 2日 (土) 15時21分
だから、その憲法がまちがっているとしたら、正義の諫言ですね。いまや、国民の6割以上は、憲法の不当を感じているんだから…
投稿: 罵愚 | 2008年2月 2日 (土) 17時18分
どうしてサマワが成功なのか理解できない。
あんなものが成功だなんて。アメリカに対する奴隷根性がしからしめた屈辱的支援だと思う。我々はどうしてかくも為政者の立場に立って考える癖が付いてしまったのだろう。情けないねえ。と思う。自分の財布の中身重さ
から考えるべきだろう。現為政者は国民のことなんか本気で考えてなんかいない。それが
見えない国民だからいくらでも騙せるとおもっとぃるに違いない。
投稿: 鴨之嘴2 | 2008年2月 3日 (日) 00時09分
いま自衛隊は従軍僧を募集しているそうです。まさに戦争できる軍隊に着々と進んでいるというわけです。あのくそ小泉の靖国参拝
も一連の露払い戦争準備の撹乱でしょうね。
安部何ザ給油再開の再出航の軍艦マーチ佐世保で悦に入って、あれは笹川らしき輩と椅子に座ってましたねえ。戦争商人武器商人政治家どもの恥をしらぬオンパレードなんでしょうねえ。一時休息の彼らの息を止めるには政権交代しかありません。
投稿: 鴨之嘴2 | 2008年2月 3日 (日) 00時22分
自衛隊の従軍僧募集なんて、聞いたことない。ってうか、常識的に考えてありえない。こんなこといいだす人物がサマワの成功を理解できないのも、無理はない。
投稿: 罵愚 | 2008年2月 3日 (日) 03時36分
自衛隊従軍僧がほしいらしい。そのうち
従軍慰安婦などと言い出すまでそんなに時間はかかるまい。あべ馬鹿殿。
私もびっくり為政者は馬鹿ではない巧妙そのもの。http://www.zaigou.com/juugunsou1.htm| で見れます。
投稿: 嘴之嘴2 | 2008年2月 3日 (日) 09時46分
こんにちは、ましまさん、皆さん。
活発な議論、大いに結構ですね。僕も一言。
「宗教」を否定して、ギリシア正教会の爆破を命令してたスターリンも、対独戦が始まるとなると、宗教を容認し出してましたよ。大多数の農民(出身兵士)を動員するには、「神に頼る」っていうんですかね。太平洋戦争期、日本では、「大政翼賛」っていう語で呼ばれてましたけど、一方では、共産主義者を主とする各「反省主義者」へのいろんな弾圧があった。その一方で、「転向」表明者には、かなり「優しい」対応もあった。亀井勝一郎さんだったかな?「権力側のこの対応の違い」に大いにはしゃいでた様な、「手記」を書いておられるそうで・・鶴見氏がなんかの文章で紹介されてた。
「お国のために死んで来い」っていうのは、古代ギリシアのポリスと変わりませんが、その際の「お国」サイズが違い過ぎる。ポリスは、数万人の規模。その気になれば、親戚・友人関係をたどれば、すごく身近な人間関係で構成されてました(非市民扱いの奴隷或いは家畜も含めて、濃い関係性の上にあったと言えるのではないでしょうかね)。近代国家は、数千万人・数億人規模が主。しかも機械(高度科学機器や兵器)を緻密にして異種無政府性も有する企業群が支える、さらに多国籍企業グループも在り、さらには、どこであろうが儲けてやろうと「ヨダレ」を垂らす巨大企業群と一発当ててやろうと「知恵」を絞る若い「実業家」投資ファンドの大量群生の相互競争。新興国の国家戦略も複雑に絡まってますし、どこをどう「抑えたら良いか」日銀やIMFや世銀といった国際金融当局にも「雲を掴む」様な話になってしまっているというのが、榊原英輔氏らの「見立て」でしょう。
軍事にせよ金融にせよ混沌を嫌うが故に、「治安強化≒独裁」を強めつつあるのでしょうけど、その方向に「名答」があるとは必ずしも言えない(当局自身自覚している)ところに「苦悩」「逡巡」があると思いますね。
投稿: 三介 | 2008年2月 3日 (日) 12時24分
整理をさせていただいて、次のブログを考えます。 ましま
投稿: ましま | 2008年2月 3日 (日) 15時13分
もしかして、
http://www.zaigou.com/juugunnsou1.html
のことかなぁ?
投稿: 罵愚 | 2008年2月 5日 (火) 05時00分