沖縄戦の教科書検定
この問題の経緯は、当ブログのカテゴリ「データ・年表」を参考にしていただくことにして、今回教科書会社6社の記述訂正を認めたことについて、大手新聞社の社説がどう反応したかを、見ておきたい。
朝日新聞は、前回付された意見について、<当時は「戦後レジームからの脱却」を唱える安倍政権だった。時の政権の持つ雰囲気に、専門家らの審議会ものみ込まれたということはなかったか>と政治的配慮が働いていたことをにおわしているが、今回の生煮えのような結論であっても、こういった問題がクローズアップされた効果まであげて、歓迎ムードだ。
読売は、県民大会の参加者人数水増しをむしかえし、全く別の立場で「政治介入の愚を繰り返してはならない」としている。プチ右翼の主張を一歩もでるものではなく、日本一の発行部数を誇り、大連合を画策する黒幕をトップに置く新聞社としてはなさけない。
毎日は、やや改善はされているが、検定のありかたを含め、まわりくどいいいまわしに疑問をなげかけている。「個別の自決命令の有無より、まずそうした基本関係への理解が必要だ」という。
その「基本関係」の例として、本ブログが以前取り上げた資料を、以下に再録する。この資料では、細部については地方長官に一任するという備考もあり、女子・子供まで含めた一般国民が兵士と同じ指揮下に入ることを物語っている。
昭和20年(1945)4月13日の閣議決定
(注)4月1日 沖縄本島に米軍上陸開始。戦闘用艦艇318隻・補助艦艇1139隻・参加兵力約50万人・上陸兵力18万3000人。
6月23日 沖縄の日本軍全滅。軍人軍属の死者約12万人・一般県民の死者約17万人。なお、下記資料にある年齢は「かぞえ歳」で、満年齢なら1~2歳引かなければならない。
資料(『日本現代史15』大月書店)
情勢急迫セル場合ニ応ズル国民戦闘組織
ニ関スル件閣議決定
一億皆兵ニ徹シ其ノ総力ヲ結集シテ敵撃滅ニ邁進スル為情勢急迫セル場合国民義勇隊ハ左ニ準拠シテ之ヲ戦闘組織ニ移転セシム
一、情勢急迫セバ戦争トナルベキ地域ノ国民義勇隊ハ軍ノ指揮下ニ入リ夫々郷土ヲ核心トシ防衛、戦闘等ニ任ズル戦闘隊(仮称)ニ移転スルモノトシ之ガ発動ハ軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ命令ニ依ル右ノ為兵役法ニ規定スル者以外ノ帝国臣民(概ネ年齢十五歳以上五十五歳以下ノ男子及年齢十七歳以上四十歳以下の女子ト予定シ学齢以下ノ子女ヲ有スル母親等不適格者ヲ除ク)モ新タナル兵役義務ニ依リ「兵」トシテ動員シ統帥権下ニ服役セシメ得ル如ク必要ナル法的措置ヲ構ズ
二、戦闘隊組織ト国民義勇隊組織トハ表裏一体タルモノトス
地方長官ハ軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ指示スル所ニ基キ義勇隊組織ニ付戦闘隊移転ヘノ準備態勢ヲ整備スルモノトシ右軍事訓練、軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ担任トス
備考
(一)在郷軍人防衛隊ハ之ヲ発展解消スルモ在郷軍人ハ戦闘隊訓練指導ニ当ラシムルモノトス
(二)国民義勇隊ノ幹部タル在郷軍人ノ一部ハ戦闘隊トナリタル場合ニ於テモ軍ニ於テ個別ニ招集スルコトナク依然戦闘隊幹部トシテ残ス如ク別途措置スルモノトスル
(三)国民義勇隊中戦闘組織ニ編入セラレザル者ノ本場合ニ於ケル組織等ニ付テハ各地方長官ニ於テ別途定ムルモノトスル
| 固定リンク
「反戦・軍縮」カテゴリの記事
- IEAEと日本(2009.07.08)
- 白昼夢(2009.06.02)
- アーミテージは去れ!(2009.06.11)
- 軍縮先進国を主導する党は?(2009.06.10)
- 北朝鮮より怖いのは(2009.05.31)


コメント