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2007年12月 3日 (月)

地名あれこれ

 ふうてんの寅さんの発しますところ、葛飾は柴又。その柴又は正倉院の古記録に残る地名である。ただし古代は嶋俣(しままた)であり、江戸川(古くは利根川)の水が両側に分かれる三角州のまたにあたる場所であったらしい。

 その下流に当たるところが、現在の江戸川区小岩。これも同様に古い記録がある。この方は「かわわ」で砂州となった自然堤防で川の流れが輪のように大きくカーブするところである。ここの住民について養老律令による戸籍調べが残っている。

 その対岸に、千葉県市川市真間がある。

  葛飾の真間の入江にうちなびく
     玉藻刈りけむ手児奈し思ほゆ

2007_12020002_2   二人の男性に求愛されて悩み、投身自殺をした女性、いわゆる手児奈伝説がある地で、万葉集にはこのほか数首の歌がある。真間(まま)とはアイヌ語で崖の意味だというが真相はわからない。関東ローム層の台地を川や入江の水が裾を洗ったとみえて、確かに急な崖が多い(写真)。秋田、新潟あたりまではアイヌ語起源といわれる地名がいくつかある。

 そのほか日本各地には、意味のわからない地名はたくさんあるはずだ。それはアイヌ語であるかも知れないし、廃れてしまった日本語であるかも知れない。また、日本神話には地名説話というのが実に多いが、おそらくその半分近くはあてずっぽうのような気がする。

 谷川健一氏の『日本の地名』(岩波新書)によると、島根県には鵠(くぐい=ハクチョウ)にちなむ地名が多くあり、古代出雲の伝承に、沖縄で大正の頃まで使われていた表現に共通するものがあるという。九州には地名でなくとも、琉球や朝鮮と共通する言葉がある。たとえば長崎県にある、村や集落のあとにつく「面」などは南朝鮮と同じである。

 こう見ると日本は古来、北から南からそして西からいろいろの民族が混ざり合う中で、独特の民族、国を作り上げてきたという珍しい例ではないかと思う。

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