MD迎撃実験成功
18日早朝、自衛隊が参加するハワイ沖のミサイル防衛システム(MD)実験に成功した。政府・防衛省は、自衛隊の不祥事やテロ新法の不人気から国民の目をそらすため、最大限これを利用するかも知れない。私ならそうする。これで、北朝鮮のミサイル攻撃を打ち落とせる見通しがついた、とか、今後も日米軍事同盟の強化が必要だという雰囲気作りに役に立つ。
しかし、昨日エントリーした「KY」を参考にしていただきたい。世界の潮流(風向き)が読めていないのだ。その部分について、17日付毎日新聞を引用しておこう。
給油活動中断日米関係がギクシャクする
中、日本のMD推進については「強固な同
盟を示すシンボル」(国防総省当局者)と
「優等生」扱いされている。ブッシュ政権が
日本の初実験を高く評価する背景には、
MDをめぐる「内憂外患」がある。国防予算
に厳しい目を向ける民主党は、MD予算に
削減圧力をかけ続けている。(中略)共和
党でもMD推進を明確な公約に掲げるのは
ジュリアーニ前ニューヨーク市長ぐらいで、
計画自体が先細りの可能性もある。
米国は、イランに対抗するため、11年まで
に東欧にMD配備を進める。しかし、米政
府は今月3日、イランが03年秋に核兵器開
発を停止したとの情報機関の評価を公表。
これにより東欧配備に強く反発するロシアと
の調整は一段と難しくなる可能性が高まっ
ている。
前から言われていることだが、ただブッ放せばいい攻撃方と、それをさぐって広大な宇宙で打ち落とすのでは費用がまるで違う。それにおとりの弾でも巻き散らしたら命中率はぐんと落ちる。打ち上げる場所と時間があらかじめわかっている実験成功など、喜んでいる場合ではない。
防衛省は、当面の整備費用として12年度までに8000億から1兆円を見込んでいるが、それにもましてほとんど底なしの開発費用を負担させられる可能性がある。カナダはこの「あほらしい」共同開発からすでにおりた。
相手を攻撃するのでなく、守るだけだからいいではないか、という考えもあるが、アメリカまで飛んでいくミサイルを日本が途中で打ち落とすとなると話が違ってくる。ロシアがシステムに反対しているのは、米露間でミサイルの本数を制限する協定を結んでも、途中で打ち落とすのなら協定の意味がなくなるではないか、ということである。
つまり、日本としては、憲法違反の「集団的自衛権」を行使しない限り手出しできないことになる。仮にアメリカ向けの弾道ミサイルを日本が打ち落とすことになれば、その発射国は、むつ市、佐渡市、薩摩川内市、糸満市の4カ所にある探知・追尾地上レーダーを先に攻撃してから発射するだろう。
実験成功を喜ぶ前に、軍縮の旗を掲げることがどうしてできないのだろう。MD計画推進が米国の軍需産業によるあくなき収奪に協力することになる、という反米・反軍の主張をどうして排除することができようか。
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コメント
最近、こちらへのTBが通りません。
このエントリー、誠におっしゃるとおりです。
「当面の整備費だけで1兆円」です。石破は、「命にかかわる問題だから金額で云々するのは~」と言いましたが、ならば、国の責任が明白で、命にかかわる薬害肝炎問題での1800億円と言う金額も支払うべきです。
政策に一貫性が無く、軍事と米国追従に偏重した、今の政府は早く政権から追うべきです。
投稿: 眠り猫 | 2007年12月18日 (火) 21時30分