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2007年12月13日 (木)

「偽」

 東京は新宿・中村屋……といえば創業100年以上の伝統を誇るパン屋でありレストランである。

   ☆戦時の中村屋レストラン献立
   (『昭和経済史上』日経新書より)

 配給品=サメおよび名称なき魚のごときもの
     貝類、代用肉
 カレー=貝柱、配給魚、代用肉などを用い、カレ
             ー粉のみ本物
 代用コーヒー=芋の皮小麦粉等をこがせし品
 主食=米(玄米の場合もあり)、短麺、きし麺、
           豆類を混合す。
 *売り切れと同時に閉店

 これでもほかの店に比べて高級な献立である。肉や魚はその日の配給などで入手できたもの。肉は、馬であるか犬であるか蛙であるか正体はわからない。しかし、産地や中身をウソの表示でごまかしたりはしていない。「ごときもの」とか「代用品」とちゃんとことわってある。
 賞味期限も延長などない。開店前から並んでいる人200人ほどで売り切れるのだから、材料を翌日に回すようなことはあり得ない。

 「偽」。昨日のニュースは、本年を表現する漢字「偽」を清水寺の管長が揮毫する写真でにぎわった。現在おこなわれている国会でも、防衛省の「偽」の追求に急である。しかしこの中村屋のメニューは、「偽」であることを最初から「偽(いつわり)」なく堂々と公表したものである。

 今年の「偽」は、云われなかったら気がつかなかったという点で、やはり幸せな時代に生きていているのだな……、というのが実感である。フリーター評論家・赤木智弘先生は、違う!「希望は戦争」といいたいかも知れないが。

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本格的な貿易風のシーズンになって、今季初めてのヨットが入ってきた(写真ではゴマ粒になってしまったけど、赤い矢印の先にいます)。 オーストラリアの大型ヨットで、クルーによると船内に海水淡水化装置があるので、陸からの水の供給は全く必要ないとのこと。おそらく電気もソーラーと風力でまかなえるのだろうな。たぶんクルーは屋とわれで、オーナーはどっかのリッチなお方とか。 ところで、「今年を漢字一文字で表わすと...」という例のやつは、偽になったそうだ。去年はアベシンゾーくんが何度聞かれても「漢字一文字... [続きを読む]

受信: 2007年12月15日 (土) 00時13分

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