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2007年11月17日 (土)

戦争とは 1

 フイリップ・ナイトリー著、芳地昌三訳『戦争報道の内幕』からの引用。

①第二次大戦後、アメリカの作家ジョン・スタインベックの自己反省。
     「われわれはすべて戦争努力の一環だっ
          た。われわれは戦争努力に協力した。しか
          しそれだけでなくそれをいっそう助長する努
         力もした。何事であれ真実は自動的に秘密
         で、それを軽率に扱うことは戦争努力を妨げ
         ることになるという考え方が徐々にわれわれ
        の心のなかに植えつけられた……われわれ
        は戦争の一部分しか書かなかったが、当時
        それが最善のことと誠実に信じていた……」

②著者によるベトナム戦争分析。
     戦争にうまく勝利するには、敵を非人間的
    に見ることを将兵が学ばなければならないこ
    とは、あらゆる政府が気付いている。これを
    達成する最も簡単な方法は、国家主義的ま
    たは人種差別的感情の一方、あるいはその
    両方を燃え上がらせることである。こうして、
    まず第二次世界大戦時に全国的規模で高
    まり、そして朝鮮で復活したアメリカの人種
    差別主義は、ベトナムで頂点に達した。

 本著は1975年、ベトナム解放軍がサイゴンに無血入城した年に完成しているので、著者は四半世紀後に、ベトナム同様あるいはそれ以上の破廉恥な戦争がくりかえされるとは、夢にも考えなかったに違いない。教訓は生かされなかったのだ。

 軍隊、国防分野の秘密主義や現場優先主義については、何ら改善されておらず、平和憲法を持つ日本でさえその悪弊に染まりつつある。②の人種差別や、民間人殺傷をともなう非人道主義は、建前として国家レベルで否定しても、現場では通用しない。

 殺さなければ殺されるのが戦場だ。途中の方法はどうあろうと勝利に最大の価値が求められるのが軍人である。そして、命をかけている軍隊にクレームをつけたり、軍人の名誉を傷つけることを言うと、留守家族などの猛反発を受ける。その危険を避けるため、報道は自制され、言論も封印される。

 戦争や軍事力行使に「正義」はない。他国にでかけていく戦争を排除しない限り、ベトナム、そしてイラクの愚行は今後もやむことがないだろう。

 (追記)「戦争とは」のシリーズは、カテゴリ(左帯)を新たに設けました。関連記事はそこでご覧ください。

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