恒久法は危険だ
福田首相と小沢民主党代表の会談実現により、自衛隊の海外派遣を規定する「国際平和協力法」といった、時限立法ではない恒久立法を、両党で検討立案するという動きが出始めた。これは、国際平和活動のあり方について、各国の考え方がこのところ流動的であるということと、国内の議論が成熟していないということから、現時点での法制化は反対である。
私はかねてから、憲法9条(第2章)はそのまま温存し、自衛隊による拡張解釈(解釈改憲)をふせぐため、章をあらためて自衛隊の役割と任務を定める改憲を主張していた。その限りにおいては、自衛隊が海外で国際貢献をする場合の歯止めとなるルールをしっかり決めておくことに反対の理由がない。
ただ、自民党の頭の中には、小泉政権下の昨年8月30日に起草した「国際平和協力法案」というベースがある。これは、有事法制3法案にはじまり、自衛隊法改正案、防衛省設置法案とつなげてきた、自民党の憲法9条の改正案、つまり戦争のできる軍隊を公認しようという構想の一里塚をなすものである。
安倍前首相は、官房長官時代からこの路線をひた走ってきた。それが参院選でストップがかかり、公明党の抵抗もあるのでもと通りにはいかないだろうが、民主党内には小沢流の国連信奉主義や自民党以上の軍国主義者もいることから、油断ができない。
両党が総選挙も視野に入れて、テロ特措法の落としどころにこの法案を考えているとすれば、物のはずみで共同提案されないとも限らない。つまり究極の「解釈改憲法案」だ。この動きはアメリカにとって洋上給油に代えられない贈り物となるだろう。
わが国の真の国際貢献、つまり宗教対立や民族対立などの地域紛争解消への寄与、社会基盤、医療、環境問題に関する支援、核を含む軍縮、武器輸出の制限などに効果ある貢献をするのか、軍事力行使優先・拡大に寄与するのかを国民が選ばなくてはならない局面にさしかかている。
この法案は3分の2ではなく、過半数で決められてしまう。よほど腰を据えてこの法案の行方を監視しないととり返しのつかないことになりかねない。安倍退陣を機に「反戦老年委員会」を解散した当ブログだが、ここて改めて警鐘をならしたい。
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コメント
ましまさま
こんにちは!
「自衛隊海外派遣恒久法」は、「集団的自衛権」の行使にあたる「自衛隊の海外派遣」ですが、
これは国際法から見ても違反です。
1944年の国連憲章原案には「集団的自衛権」の文言はなかったが、ソ連に拒否権が使われるとアメリカが軍事行動ができないと言う事で、45年に「集団的自衛権」が挿入されたそうです。
でも、この集団的自衛権にも個別的自衛権にも制約がかせられていて、
① 急迫不正の侵害があること
(集団的自衛権の行使は、国連が国連軍を組織して、違法な侵略を 止めるまでの緊急処置である)
② その侵害を排除する上で他の手段がないこと
③ 排除するための実力行使は必要最小限度であること。
(侵略された場合も、相手を国境まで押しもどすところまでしか認めない)
アメリカによる戦争は侵略戦争で、 上記①②③のどれにも該当しないから、 アメリカのために日本が「集団的自衛権」を行使することはできないのですよね。
それをごまかして、「集団的自衛権の行使」を検討しようという「有識者会議」を開いている自体 国民を騙しています。
投稿: 非戦 | 2007年11月 9日 (金) 17時05分
非戦 さま
しばらくです!。
全くおっしゃるとおりです。アメリカの国連憲章違反は、もはや世界の常識です。しかしそれを裁く仕組みがなく、やめさせる決議も拒否権がある以上不可能です。
テロ対は小沢代表のいうとおり、日本の憲法解釈で違反です。それを新法ですり抜けようとしているわけです。なぜそのようなことができるかというと国連決議がいろいろでており、どうにでも解釈できる余地があるからです。
このようなあやふやな国連決議で、堂々と自衛隊をアフガンに出そうという、小沢国連絶対主義もそれ以上に危険です。
投稿: ましま | 2007年11月 9日 (金) 18時25分