« 懲りないアメリカ | トップページ | 筋金入り »

2007年11月21日 (水)

日中韓連合に期待

  20日、シンガポールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日・中・韓)で、プラス3だけの会合が行われ、今後はASEANから離れて3国だけのサミットを持ち回りで開くことが決まったという。

 これは、毎日新聞が1面で報じたが、わが塾にとっては大きなニュースである。というのは、非戦、安全保障問題ではじまったEUのアジア版にならないか、という淡い期待からである。そこで各新聞の社説に目を通してみた。

 その中で、「将来の東アジア共同体をにらんでの協調も……」と書いたのは朝日だけであったが、小泉・安倍と受け継がれた靖国問題や歴史認識問題の解消をとりあげ、相互信頼のもとでの3カ国の連携を歓迎するという、さきの戦争を意識した意見は、毎日でも共通していた。

 3国の連携にはまだ名前が付いていないが、全国紙でまともに取り上げたのはこの2紙だけで、読売、産経は、東シナ海のガス田問題や北朝鮮拉致問題など個別対立点を強調する方が先になり、小泉時代には想像もできなかった、3国首脳が同じテーブルに着くという意義づけは黙殺した。

 日経が、もっぱら経済問題に焦点を当てているのは当然のようだが、2006年3月に経済同友会が次のような提言をしている。(庄司克宏『欧州連合』岩波新書)
    「日本が東アジア諸国と今後、未来志向
    の関係を構築する上で重要なことは、日
    本が二〇世紀前半に東アジアでどの様な
    ことをしたのかを踏まえることが前提と
    なるが、ペースとなるのは、終戦五〇周
    年の村山総理談話と終戦六〇周年の小泉
    総理談話である。村山談話では、半世紀
    にわたるアジアへの侵略と植民地支配と
    いう事実を認め、加害者としての反省と
    謝罪にたって、過去と決別した戦後の平
    和国家日本をコミットしている。小泉談
    話は、村山談話を踏襲しつつ、戦争への
    反省を行動で示した平和の六〇年」を強
    調している。」
     提言書はまた、「将来の東アジア共同
    体実現及び、その第一段階としての東ア
    ジア自由貿易圏の構築は、日本と中国及
    び韓国の信頼関係がなくては、実現は不
    可能である」と指摘している。

 このたびの温首相の発言「日中関係は重要な発展の歴史的段階、転換期にある」や、福田首相の「戦略的互恵関係」「新福田ドクトリン」の中身が明らかでないので過大な期待はできない。しかし、欧州連合が、中世以来の民族間抗争や第一次、第二次大戦を経て、戦争の根を絶つための英知と根気と努力の積み重ねで今日のEUに発展した、という経緯を踏まえてのことであれば、大賛成である。

 ひるがえって、福田、小沢大連立構想の話も下火になったが、かりに両党から小泉・安倍的要素を排除し、前向きな平和・安全保障政策で安定勢力を作る話ならば応援したくなる。自民か民主か、と言っているだけでは問題解決にならない。安倍氏は早くも右派再興に向けて動き出すという。これが成功するような悪夢だけは決して見たくない。

|

« 懲りないアメリカ | トップページ | 筋金入り »

東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/9042058

この記事へのトラックバック一覧です: 日中韓連合に期待:

» 11月29日 生活扶助の切り下げに反対する緊急集会 [アッテンボローの雑記帳]
 転載です。  11月29日(木)に準備している生活保護集会の案内と賛同のお願い [続きを読む]

受信: 2007年11月21日 (水) 17時24分

» スランプの弁 〜 何のためにブログをやるのか [きまぐれな日々]
どうにももどかしいのがこのところのリベラル・左派系といわれるブログの記事で、私自身日々「何のためにブログで政治のことを書いているのか」と自問し続けているが、なかなか良い... [続きを読む]

受信: 2007年11月22日 (木) 00時26分

» スランプの弁 〜 何のためにブログをやるのか [きまぐれな日々]
どうにももどかしいのがこのところのリベラル・左派系といわれるブログの記事で、私自身日々「何のためにブログで政治のことを書いているのか」と自問し続けているが、なかなか良い... [続きを読む]

受信: 2007年11月23日 (金) 07時53分

« 懲りないアメリカ | トップページ | 筋金入り »