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2007年11月26日 (月)

世界の孤児 2

 前回の「世界の孤児」は日本に向けて言った。しかしアメリカの孤児ぶりはもっとひどい。ブッシュ大統領は相当あせっている。北朝鮮のテロ支援国家解除について、日本の拉致問題に耳をかす余裕すら失っている。

 今日の報道では、ポーランドの政権交代でトゥスク首相が米国主導のイラク派兵約900人を、来年中に撤退すると表明、さらに米国のMD(ミサイル防衛)システム受け入れも慎重姿勢に転じた。昨日の主要国リストには入れていなかったが、東欧や旧ソ連圏の小国はアメリカの援助やロシアの影響力排除をあてにイラク派兵した国が多い。

 アメリカは、イラクでいっこうに改善しない治安維持と米兵の死者増加に兵力削減もままならず、訓練不足で質の低い民間警備会社などに委託して、米兵の損耗を防いでいる。それがまた民間人殺傷などの問題を起こしているという、いきづまった状態だ。

 こういったとき外国軍隊とくに陸上兵力の撤退は、実質はともかく心理的な孤立感はおおえないだろう。日本の給油作戦撤退も同様に感じとられているはずである。そのイラクへ、アメリカの外交官補充要員約250人の希望者がなければ、あえて強制派遣に切り替えるという(毎日新聞)。自国の外交官にすら見放された様相だ。

 アフガンのカルザイ大統領は、すでにアメリカの宿敵・タリバンの要員を一部地方官庁に採用してしているというし、アメリカには、アフガンの治安はタリバンと話し合いをしないと解決しない、と言っているらしい。

 アメリカはタリバンといっても、交渉相手が誰であるかもはっきりしない、という態度のようだが、かつてのソ連勢力追放以来、さんざんアメリカにだまされたタリバンが「はい、私です」と名乗り出るわけがない。カルザイは、隣国パキスタンの混乱もあり、婉曲に「出ていってほしい」といっているように聞こえる。

 イラクのマリキ首相も、アメリカが嫌悪するシリアやイランと接触し、外国軍撤退の方途をさぐっている。アメリカはアフガンもイラクも指導して選挙で選ばれてきた指導者を無能者扱いにしている。たしかにそうだが、彼らにとってはアメリカの資金援助と駐留兵力しか力の源泉がないためだ。

 ここは、一時の混乱があっても米軍撤退しかないのではないか。それにはブッシュの不名誉とアメリカのいう「テロリストの巣窟」になるという心配がある。前者は自ら招いたものとして甘んじて受けるしかないだろう。また、後者はあり得ない。アメリカが中東から手を引くことで、彼らは勝利し自爆までする理由がなくなるのだから。     
 

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