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2007年11月12日 (月)

ナベツネ さん

 大読売グループの会長、読売巨人軍のオーナー、そして読売新聞の現役主筆である「ナベツネ」こと、渡邉恒雄さん。別名大連立の仕掛け人「さる人」。フィクサーのはずが、このところすっかりメディアに名を売ってしまった。

 また古い話で恐縮だが、それで思い出すのが、戦時中朝日新聞の主筆をしていた緒方竹虎さんである。フィクサー的な仕事に精出したことは同じであっても、なぜか全く違う印象を受ける。ご両人には会ったことがないが、一口で言えば緒方さんに感じるすがすがしさが、ナベツネさんには全くないのだ。

 ウイキペディアで見ると、祖父が幕末に大坂の「適塾」で緒方洪庵の教えを受け、塾頭となって緒方姓をもらったという。蘭学者として種痘を普及させ、大村益次郎、佐野常民、橋本左内、福沢諭吉などを輩出した適塾を、私は松下村塾などよりよほど高く評価している。

 また、本人は中学生時代に山岡鉄舟について、無刀流免許皆伝を受けている。鉄舟は武士道に生きた日本最後の武人と称されており、勝海舟の依頼を受けて、高輪藩邸における西郷隆盛との会談実現のため命がけで静岡へ往復したことで知られている。

 刀、禅、書をよくし、西郷隆盛をして「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ、何分にも腑の抜けた人」と言わせた傑物が、緒方少年時代の師である。頭山満や中野正剛という本格的な右翼を通じての人脈も豊富で、朝日新聞入社後は主筆から副社長まで務めた。

 ナベツネと違う点は、本格的な政界裏面工作を展開するのは、新聞社を辞めてからである。中国・蒋介石政権と和平工作をはかった、昭和19年秋から20年はじめにかけての繆斌(みょうひん)工作は、情報局総裁としてタッチしたものであり、戦後のそれは衆議院議員になって、政治家としての活躍だった。

 前述した山岡鉄舟の「腑の抜けた」に対し、緒方は朝日新聞当時から「空気のような」と評されていた。かつて「朝・毎・読」と言われた発行部数が、「読・朝・毎」になって久しい。その拡販攻勢はなやかな頃、地方紙やブロック紙関係者から、仁義なき(えげつない)読売の物量作戦への苦情を聞かされた。2007_11120229

 読売が政権党・自民寄りであるのに対し、地方紙が反権力的なのは、広告収入に左右されない通信社経由の記事が多いこともあるかも知れないが、購読者を総ざらいするような読売の記事・論調への反感もある、と言えばうがちすぎになるだろうか。

 ナベツネの覆面工作からは、どうしてもある生臭さが抜けきれず、「天下国家」といっても、独善的で浅薄なものしか感じられないのだ。
 

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