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2007年10月17日 (水)

風が吹けば桶屋

 ハリケーンが吹けばビルマの僧尼がデモをする。ニューヨークの原油先物市場で一時1バレル88.20ドルをつけた(10/16)。90ドルも目前である。その理由としてアメリカ南部に多い製油所を襲うハリケーンの季節は終わっものの、①冬場の暖房需要の増加、②中東情勢、③投機資金の活発な流入などをあげている。

 冬場の暖房需要増加は毎年のことだし、中国等の消費増大などもすでに織りこみ済みのはずだ。中東情勢はトルコとクルド系武装組織の間で緊張が高まったというが、イラクの原油は機能不全で特段世界の原油需給を左右するような話ではない。

 最後の投資資金流入、これだけは確かだろう。例の低所得者向け高金利住宅ローンこげ付きに始まる金融不安で、逃げ出した資金がよりハイリターンをねらえる石油や金などの先物に流れ込んだ。ニューヨーク・マーカンタイル取引所に上場されるアメリカ産原油の1銘柄の価格が投機の対象となっている。

 どうしてそれがビルマの僧尼を騒がすことになるのだろう。ペルシャ湾岸から積み出される日本を含むアジア向けの原油は、本来アメリカの石油市場と直接関係がない。しかし売り渡し価格は、古くからニューヨークの取引価格を一定期間平均した価格にスライドする決めになっている。

 日本でもガソリンや灯油価格が相当厳しいことになりそうだが、ビルマの場合、低い消費水準の中で、輸送交通費、家庭用光熱費に原油価格の高騰が直接影響し、生活に大きな打撃を与えているようだ。原油価格の高騰は農作物をバイオ原料に転換させ、温暖化にともなうアジア・アフリカの砂漠化などで食糧不足も深刻になり、農畜産物価格を押し上げている。

 こうして、貧困化が進むことにより地域間、民族間、階層間などの格差がひろがり、抗争と緊張が高まり戦争のたねにもなる。そして、投機家が資源の供給不安をあおりたて、膨大なキャピタルゲインを手にすることになる。貧しい者はますます貧しく富める者はますます富む。

 風が吹けばビルマの僧尼がデモをし、金融ブローカーが儲かる仕組みは、アメリカ主演で世界を舞台にまだまだ続きそうだ。

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