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2007年10月18日 (木)

新造語

  このところ2回にわたって言葉に関するエントリーになったが、韓国の中央日報電子版のコラム(オピニオン「噴水塔」)におもしろい記事がのっていた。その書き出しはさすが中国古典を尊重する国だけある。老子の言葉を引いた。

  かつて老子は道家思想に即して望ましい君主の順位を付けた。最上位は「民たちの生活に直接干与せず、民たちにはいないに等しく感じられる王(帝力何有於我哉)」だった。次は民たちが親愛してほめたたえる王。3位は権力を振りかざして刑罰で治める覇権政治の指導者だった。これよりひどい「最低の王」は民たちによって蔑視あるいは嘲弄の対象になる王だった。

  続いて、いきなり日本の新語(私も知らない)が出てきてびっくりした。このごろ日本で入試シーズンを控え受験生の間で広がっている新造語が「“アタシ、もうアベしちゃおうかな”」というんだそうである。

  「試験をあきらめたい心情」う~ん、わかる。というより「受験を投げだしたい気持ち」も加味され、言い得て妙というべきか。安倍前首相が新造語を通じて嘲弄の対象になった「君主」である、と続けている。さらにもうひとつ‘KY’も紹介している。

  「空気」の頭文字である‘K’と「読めない」の頭文字‘Y’を結合した言葉で、「現実がどうなのかきちんと把握できない人」を意味すると言い、この発信源も安倍前首相だったと解説する。日本のネット右翼に猛反発を食らいそうだが、ちゃんと自国のことも言っている。

  最近韓国の国立国語院が新造語辞書に「ノムヒョンスロプタ」という単語を加えて発刊すると、青瓦台が「国家元首に対する冒涜だ」と言って熱くなった。意味は「期待を裏切り失望させることがある」だそうだ。本は回収されなかったが、青瓦台の抗議のためか、追加配布は中断した。新造語の対象になった当事者は悔しいかもしれないが、多くの国民がうなずけば、それで新造語が成立することは韓国も日本も同じだ。

 そして最後に再び老子の言葉を引き、指導者の最も重要な品性とは「民を信頼し、干渉しないこと」とであり、最も肝に銘じなければならない言葉として「貴言」を挙げ、言葉を惜しむという教訓を示した。さて、わが福田総理大臣「貴言」なのか「棄言」なのかやがてはっきりするが「最低の王」にだけはならないでほしい。

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