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2007年9月 5日 (水)

EUを知る 4

 このシリーズは、小屋修一氏の著作『欧州連合論』を主な参考文献として使っているが、同書の中でEEC/EC/EUと書かれた部分が各所にある。それぞれ日本人にとってなじみのある略称であるが、その違いや意味ということになるとよく説明できる人は少ないのではないか。

 さらにEECやECではなく、CEEやCEが正しいなどと言われるとますます混乱してくる。その理由は、英語とフランス語の違いで、EECやEC発足当時は、イギリスは未加盟だったからだ、ということらしい。

欧州経済共同体
EEC=European Economic Community(英語)
CEE=Communauté économique européenne(仏語)
欧州共同体
EC=European  Community(英語)
CE=Communaute européenne(仏語)
欧州連合
EU=European Union

 このシリーズの目的は、その中味をくわしく解説することではないので、前回に書いたようにCECA(欧州石炭鉄鋼共同体)が始まりで、その成長にともなってEEC→EC→EUと、あたかも出世魚のように名を代えた、とだけ覚えていただければいい。

 その中で、日の目を見なかった一つの組織がある。それがCED(欧州防衛共同体)である。この話は古く、朝鮮戦争直前のことで、ソ連の軍事的脅威増大と西ドイツの再軍備構想のなかで生まれてきた。シリーズの2で記述したように、米主導の軍事同盟・NATOはこの時すでに存在する。

 これを提起したのはアメリカである。フランスはドイツの復活を警戒しておりアメリカはドイツを含めた統一欧州軍が米軍の指揮下に入ることが望ましい、と考えていた。結局、冷戦進行など情勢の変化とアメリカの覇権を望まないフランスの反対で流産した。

 わざわざこれを取り上げたのは、その後もこの構想が復活する気運が消えていないからである。その説明の前に、同案の一部を前掲書から抜粋しておく。

 a.「欧州防衛軍」は、共通の予算を持つ「超国家的性格」を持つ、史上初の軍隊である。
 b.契約国のいずれかの国に対し、または、「欧州防衛軍」に対して行われる攻撃は、全締結国への攻撃とみなされ、全締結国と「欧州防衛軍」は、被攻撃締結国とその軍に対して、軍事的、その他の援助を与える。
 c.「欧州防衛軍」は締結国が提供する兵員によって構成され、共通の制服を着用する。また、その組織、訓練、装備はNATO軍最高司令官の管轄下に置かれる。
 d.締結国が、独自の国防軍を持つことを禁じる。
(以下略)

(「反戦老年委員会」より再録)

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