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2006年6月19日 (月)

日露戦争

[反戦老年委員会復刻版]

 今から102年前のことです。1904年(明治37)年表より(『20世紀年表』小学館・準拠)。

2/6 日本政府、日露国交断絶を宣言。
2/8 陸軍先遣部隊仁川に上陸開始。連合艦隊、旅順港外の露艦隊を攻撃。
2/10 日本、ロシアに宣戦布告
2/23 日韓議定書調印。日本は韓国皇室の安全ならびに領土保全を図り、軍事上の便宜を獲得。
2/24 第1次旅順港封鎖失敗。

3/27 第2次封鎖失敗
5/1 陸軍第1軍が鴨緑江を越え、九連城を占領。
5/3 第3次旅順港封鎖実施。
5/5 陸軍第2軍が遼東半島上陸。
5/26 第1軍、金州を占領。日本側の死者4287人。旅順包囲を開始。第2軍は南山を占領。
5/30 大連を占領。

6/20 満州軍総司令部を編成、総司令官に大山巌参謀総長、総参謀長に児玉源太郎参謀総長山県有朋を任命。
8/10 露艦隊旅順を出撃し黄海で連合艦隊と海戦。露艦隊敗退、戦力の半数を失い旅順に逃げ込む。
8/19 乃木希典率いる第3軍、第1回旅順総攻撃、24日までに1万5860人の死傷者を出して失敗。
8/22 第1次日韓協約調印。韓国は日本推薦の外交・財政顧問を雇用。外交は日本政府と事前協議。
8/28 遼陽で開戦以来最大の会戦。9.4 一進一退の死闘の末占領。日本軍の死傷者2万3533人。

9/29 徴兵令改正公布。陸軍後備兵役を5年から10年に、補充兵役を3年間延長して12年4カ月に。
10/10 日露の大軍が沙河で会戦。
10/20 日本軍、弾薬不足で砲撃中止し、両軍対峙。日本軍の死傷者2万497人。
10/26 第2回旅順総攻撃失敗、31日までに死傷者3830人。
11/26 第3軍、第3回旅順総攻撃を開始。
12/5  203高地を占領、日本軍の死傷者1万6935人。旅順港内の露艦隊に砲撃開始。

 明けて明治38年

1/1 旅順の露司令官ステッセル将軍、降伏。
1/28 竹島を島根県に編入。
3/1 奉天に向けて総攻撃開始。
3/20 日本軍勝利、日本側死傷者7万28人。
5/27 日本海海戦で露バルチック艦隊を破る。
6/8 米、ローズベルト大統領、日露講和会議を呼びかけ。
9/5 日露講和条約調印。

 この戦争による死者・廃疾者は11万8千人、死傷者にするとその約倍にのぼります。民間人の死傷者は不明ですが、その十分一にも満たないでしょう。現在のイラクでは米軍の死者がこれまでに2500人、イラク民間人はその10倍を越えても不思議ではありません。

 日露戦争のような兵員消耗戦は、だんだん過去のものになりつつあります。しかし、それだけに新たな戦争は民間人に犠牲を強いるものとなるでしょう。日露戦争は、それまでになかったナショナリズムの昂揚と、その対極にある反戦の言論が公然と叫ばれた非常に示唆に富む時代でした。

 そして帝国主義的な野望を隠さない列強が、東アジアでどう覇権を争い合ったのか、それが後の時代にどんな影響をもたらしたのか、またそこから何を学ぶかについて、特に韓国をふくめ真摯な検討が必要な時期に来ていると思います。

 一と足ふみて夫思ひ ふたあし国を思へども
 三足ふたたび夫おもふ 女心に咎ありや
                   (大塚楠緒子)

2006年6月29日

韓国と拉致被害者

 横田めぐみさんの元夫、金英男北朝鮮工作員と韓国の家族との再会、および同氏の記者会見の模様が報道された。再会劇の展開と会見の内容とが予想通りであったという点と、北朝鮮に韓国と日本の連携を分断しようとする意図が見える、という報道のコメントには全く異存がない。ただし、下記のような声はどうだろうか。(『毎日新聞』19日朝刊13版)

 家族会の飯塚繁雄副代表は「(桂月さんらは)怒っておらず、英男さんが拉致されていたことを忘れているようだ。犯人のところに行って『ありがとう』と言っている感じ。北朝鮮が譲歩したというのは間違いで信用していない」と語った。

 被害者家族の止むに止まれない感情が、つい口にでたというなら理解ができる。しかし新聞の1面に掲載されるとなると、これは「韓国と日本の連携を分断」という北朝鮮の意図に、まんまとはめられたことにならないか。

 拉致被害者といっても、日本とは全く事情が違うことをどれだけの人が意識しているのか、はなはだ疑問になってきた。まず、韓国と北朝鮮は同一民族であり統一が悲願になっていること。したがって金英男氏は洗脳されていたにしろ、祖国統一のためという職業意識で働いているかも知れない。

 次に最近までは(法的には今でも)交戦相手国で、工作員の侵入、拉致、誘拐、暗殺など双方ともに当然視されていた行為であったこと。現状のように双方の交流が深まっていけば、やがて解決に向かうと思われていること、などがある。

 これらのことからも、北はともかく韓国国民の心情を逆なでしかねないような発言はつつしむべきではないか。福田元官房長官ではないが、相手の心を傷つけておいて協力関係を、というのは成り立たない。相手国に対して「どうしてか、わからない」という前に、「どうして、わかろうとしない」ということの方が問題なのだ。

 拉致問題解決に今もっとも大切なことは、6カ国ほか各国が強調して北朝鮮を孤立させることであるし、政府もその方向で努力している。拉致被害者が、対中国、朝鮮強硬路線をつらぬく支援団体に振り回されているとすれば、それこそ悲劇である。

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