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2005年11月23日 (水)

愛犬家の皆さん!!

[反戦老年委員会復刻版]

 パソコン老年ブログ管理者には、引きこもり症にならないため日頃の散歩がかかせない。その際、犬を連れてないと肩身が狭いほど愛犬家が多くなった。最近は、うん万円のおせちセットをあてがうなど、家族そっちのけのお犬さまも稀ではないようだ。

 統計があるわけではないが、昭和14年頃までは飼い犬も多くまた野犬も多かった。公認の野犬を狩る人がいて、つないでなく首輪もない犬は、棒の先に針金をつけた道具で強引に拉致されるので恐れられていた。

 戦局もいよいよ危急を告げる昭和19年12月、軍需省は、毛皮を飛行服、肉を食用にするため、飼い犬の強制的供出を決定、大は3円、小は1円(たばこ「光」が30銭)であった。

 愛犬家のみなさん、これを「ひどい!」と思った人は、次の選挙で忘れずに反軍・反戦の立場をとる候補者に投票してください。戦争は決してカッコよくないのです。

2005年11月24日

戯れ歌

 昨日の「愛犬供出」の話の前年、昭和18年8月に上野動物園では、象3頭のほかライオンなど猛獣22頭と毒蛇が殺された。同じ年の1月、たばこが5割以上値上げされ、次のような替え歌がはやった。

 ♪金鵄あがって15銭 栄えある光30銭 いよいよあがる 鵬翼は25銭になりました ああ1億の民は泣く (紀元2600年奉祝歌のふしで)

 ついでながら、金鵄は「ゴールデン・バット」が敵性語であるという理由で改名したもの、光は戦前から戦後まで続いた高級たばこ、鵬翼は当時の新銘柄である。同じ年、 ♪見よ東条のはげあたま ・・・・ (愛国行進曲のふしで)、という替え歌があったとされるが、そのあとの歌詞には覚えがない。

 東条の独裁体制に不満が表面化し、内閣総辞職が実現したのは翌19年7月だから、そんな歌を公然と歌ったらまちがいなく検挙されただろう。次は記録上見たことがないが、子供が大声で歌っていたことを覚えている。

 ♪ジャンジャンじゃが芋さつま芋 頭のでっかい衆は まんま(米飯)いっぱい食う それよりでっかい衆はもっといっぱい食う(あと、それより以下の繰り返し=軍艦行進曲のふしで)

 これほど直裁的で痛烈な、しかも気づかれずに権力批判をしている例はあまりない。食い盛りの子供たちは、米の代用食として芋をあてがわれることが多くなった。ラジオの軍艦行進曲につづく空虚な大本営発表は、まだ続いている。頭のでっかい衆、つまり軍部や官僚など上へゆくほどうまいものを食っている、という世相風刺にとれる。おそらく昭和19年頃のものだろう。

 こういった庶民の動向は、ある程度国家首脳や皇族・天皇まで伝わっていた。それは街中に張りめぐらした、特高や憲兵による報告が中枢にあがっていたからである。庶民の意志が歌などで伝えられる伝統は、日本古来のものである。古くは、『日本書紀』で多く取り上げている「時に、童謡有りて曰はく」から、江戸時代の川柳・狂歌にいたるまで庶民発の有力メディアをなしていた。

 残念ながら現代はテレビというマンモス媒体と情報操作で、戯れ歌などが活躍できるステージがなくなった。暴動や自爆テロでしか意志を表現する手段がないとすれば、人類にとってこれ以上悲惨なことはない。日本はまだそこまでいっていない、と思いたい。

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