« 敗戦直後 | トップページ | サイトの表札 »

2005年9月 9日 (金)

テロの危険性

[反戦老年委員会復刻版]

2005年9月9日

仮想緊急委員会(出席者:硬、乙、平)

*平 カタールの衛星テレビ、アルジャジーラがロンドン同時爆破事件の容疑者の一人、モハメド・ザデック・カーンの写ったビデオを放映したそうだが、新聞にはあまり大きくでていないねえ。

*硬 アメリカは、アルジャジーラを敵視している。彼等の宣伝に乗るな、という線で、マスコミの自主規制が利いているせいじゃないの?。

*乙 だけど内容は、日本にとってきわめて深刻といわざるを得ない。同じビデオに収録されたアルカイーダのナンバー2、ザワヒリが声明した「パレスチナ、イラク、アフガニスタンへの攻撃に参加した国々」への戦闘を続けるということは、別段目新しいものではないが、問題は、カーンがいっている「我々に対し継続的に不正義を行ってきたのは、あなた達自身が民主的に選んだ政府だ」という部分だ。

*硬 いいかえると、犠牲になったロンドン市民にも責任があるんだよ、ということか。

*乙 それに、ブッシュに打撃をあたえるのは、直接攻撃より彼を支援しする友人を困らせるのが一番効果的、と考えているふしが最近のテロ攻撃からもうかがえる。

*硬 自衛隊のイラク撤退時期を明言しないし、12月の期限延長もアメリカ次第と思っている小泉外交では、ヤバいなあ。選挙の投票日をひかえているだけに、よけいおそろしいタイミングじゃあないか。

*乙 小泉の子分たちがよく口にする「北朝鮮のミサイル・核弾頭の脅威」などとは、比較にならない現実性と緊急性があると思わないか。

*平 そうだよねえ。今日は当委員会として「警鐘乱打」の結論としよう。

2005年9月6日

アメリカの無神経

 9月6日、『毎日新聞』朝刊

 【ワシントン笠原敏彦】米国務省は、米同時多発テロから4年を迎える9月11日に合わせて各国で追悼行事を行うよう、在外の米大使館に指示した。7月に爆破テロが起きたエジプト・シナイ半島の保養地シャルムエルシェイクなど各国のテロ被災地も開催場所として検討されているという。テロへの怒りを共有することで対テロ戦争での連帯強化を図る狙いだ。ブッシュ政権がイスラム社会を特に意識して進める「パブリックディプロマシー」(広報外交)の一環で、大統領側近で約3週間前に就任したヒューズ国務次官(広報担当)が主導いている。[上記趣旨の国務次官談話略]。イラク情勢の混迷に伴いイラクから撤兵する「有志連合」が増える中で、米国には、対テロ戦争は米国だけの戦いではないと訴え、各国の支持をつなぎ止めたい思惑があるとみられる。

 イラクでのアメリカの焦りからとはいえ、他国民、他民族に対するアメリカ独特の無神経ぶりがまた露呈した。日本の大使館がアメリカの災害地や、中国の南京などで、原爆記念日に「追悼行事」を主催したら、そこの国民はどう思うだろう。イスラム社会に重点を置くというが、全く逆効果だ。

 テロにあったエジプトの保養地は、イスラエルや同国とエジプトが攻防を繰り返したガザ地区の隣接地区だ。現地のエジプト人は死者を悼み、当然テロを憎んでいるだろう。しかし、なぜテロが発生し、あとを絶たないか、についてはイスラム教徒である彼等が一番よく知っている。まして、今や9・11と関係のないことが明らかになったイラクについて、アメリカとの連帯を押しつけられるいわれは全くない。

 こんな単純な道理がなぜ米外交に反映しないのか、アメリカには優れた中東やムスリムの専門家が大勢いる。そういった人の意見を聞かないのか、または、専門家が沈黙を余儀なくされているのか、是非知りたいところだ。

2005年9月8日

ノルウェー型貢献

仮想定例委員会

*平 「国際貢献論」が途中で、尻切れトンボになったが、カテゴリ「反戦論」でもうすこし続けよう。

*硬 ここまでの議論の中で、「経済大国になった日本が、金は出すが血や汗は流さない」という湾岸戦争での非難を受けて、国際貢献論に拍車がかかっていたこと、それが最近では国際貢献ではなく、アメリカ貢献に変身しているという実態を見てきた。

*平 変身のそもそものはじまりは何だろう。

*硬 1978年、この年は日中平和条約が調印された年だが、日米安保条約はそのままにしておいて、日米安保協議委員会で了承された「日米防衛協力のための指針」を決めてからだ。それが湾岸危機の時からものをいうようになった。

*乙 それまでは、野党が日米安保を「日米軍事同盟」というのを、政府与党の方で嫌やがっていたが、最近はどうだ、政府の方が積極的に「日米同盟」というようになった(笑)。

*平 各国の間では、国際貢献イコール多国籍軍参加という図式はすでになくなっている。テロ制圧に正規軍派遣というのも筋違いな感じがしてきた。国際貢献と自衛隊海外派遣を結びつけるのは、ますます実態から遊離した神学論争になってしまっている。

*乙 本来の意味での国際貢献なら、ノルウェーの外交を買いたいね。議会でノーベル平和賞の選考をしたり、国連で最初の事務局長を引き受けるなど、その評価はともかく伝統的な平和への努力は並のものじゃあない。

*硬 イスラエルとPLOの秘密交渉を仲介、いわゆる「オスロ合意」に成功したのをはじめ、スリランカの停戦合意、スーダン、フィリピンの和平交渉など、軍事衝突を避けるため、世界のあらゆる所でどんどん前にでている。

*平 北極圏に近い小さな国なのに、どうしてそんなことができるんだろう。

*乙 小さな国なんていったら失礼だよ。7日に国連開発計画が発表した05年版「人間開発報告書」では、健康、教育、経済力の総合的な充実度を示す「人間開発指数」で連続5年世界第一位を維持している。アメリカと日本は、8位と9位だったのが仲良く10、11位と2桁台へ転落だ。アメリカは、首都ワシントンのアフリカ系米国人の乳幼児死亡率が、インドの農村部より高いことまで指摘された。アメリカの国連嫌いもわかるような気がするね(笑)。

*硬 ノルウェーのまねはすぐできないにしても、今ならギリギリ「平和憲法」を名刺代わりに使えないか!。「郵政改革」にうつつをぬかしているようじゃーね(肩を落とす)。--投票日を前に--

2005年9月11日

アメリカの堕落

 今日、最も衝撃を受けた新聞報道は、毎日新聞の国際コラム「東論西談」に國枝すみれ記者が書いている、米国の有力な科学月刊誌「ナショナル・ジオグラフィック」の嘆きについてである。

 今度のハリケーン被害について、温暖化に関連づけた論調も一部にあるが、米国の世論はそれに否定的だという。上記月刊誌は、かつて温暖化特集を組む際に「温暖化は存在しないと主張する勢力が国家の頂点に君臨」する中で、数千部にのぼる購読拒否を覚悟した、といい、さらに進化論特集の企画では、神が人間を創造したと考える米国人が45%もある上、聖書の天地創造説を信じる人々が地方の教育委員会委員に立候補し、公立学校の授業で進化論を否定するように圧力をかける事態を憂慮した、というレポートである。くわしくは、是非原文でお読みいただきたい。

 こんな状態では、アメリカ産牛肉などとても口にするわけにはいかない。青少年の頃、あこがれていた科学の国、自由の国、正義の国、明朗闊達の国アメリカは、一体どこへいってしまったのだろう。ひるがえって、日本ではこんなことを見習おうとしているのか、そうでないのか。是非真相を知りたい。

2005年9月12日

小泉圧勝を嘆く暇はない

 当委員会では、最初から小泉圧勝の可能性を指摘し、野党の選挙戦術にコペルニクス的転回がなければ勝利はむつかしい、と主張した。その概要は、小泉の掲げる争点を役に立たなくすること、ファッショ的な小泉手法を集中攻撃することなどであるが、各野党とも、解散を自民以上に絶好のチャンスととらえていたので、上記のような無責任な素人考えに思いをいたすことなどあり得なかった。

 社民党は、解党の危機を脱したように思っているらしい。しかし、護憲が理解されたなどと気をゆるめている暇はない。共産党には無理な注文だが、早速公明党と9条を守るための協議をし、民主党の護憲勢力に働きかけ、党再編の決断を迫るべきだ。それくらいのやんちゃぶりを発揮しなければ存在する意味がない。

 小泉圧勝のため、自民党の性格づけがより鮮明になり、国民の監視もしやすくなった。昭和10年前後、経済の立ち直りが見えたものの、国民が軍部の専横と政党政治の混迷に慨嘆して口を閉ざしてしまったことが、一党独裁と相次ぐ戦時立法に道を開き、人権や自由を失ない敗戦を招いた。このにがい経験を忘れないで、さあブログの発言を続けようではないか。

2005年9月14日

政界マグマの激動

 前々回の投稿で、圧勝した小泉自民党の行方を監視しつづける必要がある、と書いた。いままでの自民党、いや小泉氏自身でさえ変貌を遂げる可能性がでてきたからである。小泉氏にとって、いままでの抵抗勢力や圧力団体はもとより、所属する党すら無視できる権力を手に入れたのだ。あとは、彼の美学からして、いかに晩節をけがさず歴史に残る名宰相として1年を送るかにある。その意味からすると、永田町に飛び交う「続投論」に乗ることは、彼自身の否定につながりかねないので、まずあり得ないとしておこう。

 これまでの政界マグマは、裏工作などで「蠢動」するものだった。今回は、大爆発、大地震、大津波がいつ起きても不思議ではない、政治環境「激動」の予兆がある。

 その一つが右派勢力の小泉離反である。先月はじめ、共産党をのぞく4党共同で、先の戦争に対する否定、反省と平和志向を盛った戦後60年の国会決議をまとめた。また首相は、選挙戦のさなかTVインタビューに答え、戦争を肯定する靖国神社の論理を明確に否定した。これに「新しい教科書をつくる会」など右派勢力の中から猛反発が起き、反小泉色がこれまでになく高まった。

 右派勢力の主張は、中国、朝鮮とは、一歩たりとも妥協するな、の一点張りである。外交にこんな理不尽なことがいつまでも通るわけがない。首相に残された期間で、実現可能な最大の課題は、小泉首相の業績に影を落とす中国との関係の改善である。

  そこで大胆な予想、「首相は今年の靖国参拝を中止する」。 当たる率は、なんらかの了解を中国から得ることを含め、50%としておこう。

2005年9月18日

民主党代表の憲法感

 民主党代表に前原誠司氏が就任したことは、憲法にとって自民党大勝以上の危機的状況である。いうまでもなく、同氏が9条2項改訂論者であり、集団的自衛権肯定論者であるからである。

 自民党の改憲論者は、これまで与党が衆議院の3分の2といっても、公明党の協力がなければ、改憲の発議を通過できなかった。しかし野党・民主党の代表が前原氏になったことにより、民主党と改憲案を協議する絶好の機会ととらえるだろう。

 前原氏にとっても、「政権を奪取するため一致団結を」と口で言うだけでは、政権からますます遠ざかることぐらい知っている。4年間じり貧状態でいるより、公明党に代わって自民と連立を組む機会をねらうことがあってもおかしくない。政界再編の嵐は、一歩手前まで迫っている。

 本当は、民主党にアジアを重視するとともに、アメリカの一方的な軍事戦略強化へのはどめ(抵抗勢力)になってほしかった。菅野氏が代表になっても政界再編は避けられないだろうが、リベラル勢力を結集して、自民に塩を送るようなことだけは避けるだろう。

 ブッシュの大義なきイラク攻撃、これに易々として乗ってしまった与党の姿勢を見て、いま9条2項に手を加えたらどんなことになるか。共産、社民、公明、それに菅野氏を推した94名を足しても3分の1には達しない。護憲はもはや政治家にまかせておけない段階になった。

2005年9月26日

小泉だけの世界

[わずか11分の施政方針演説を聞いて(9月26日)]

 「改革、民営」の連呼がむなしく議場に消える。新味なし、政策なし、憲法なし、緊張もなし。竹中さん武部さんの疲れきってゆがんだ顔。変わらぬ表情は細田さんのみ。ほかの政治家の顔は、いつしかどこかに消えてなくなった。

 パレスチナもイラクも遠のく平和、イランも北朝鮮にも進歩なく、アメリカ、イギリスは荒れ模様。「イラク人道復興支援継続」「中国・韓国との相互理解友好関係推進」「国連強化、安保理改革」。ひとつも現実とかみ合っていない。

 かつての施政方針演説は、官僚の作文という批判をよく受けた。だがそれにもおよばない。悪者にされ、余計ものあつかいされた官僚達は、しらけきっているのだ。やはり小泉の中味は空洞だったのか。国民は信念の政治家、孤高の政治家、先見と行動力の政治家を小泉に託した。

 その夢は見果てぬ間に早くもかき消されそうだ。このさき生まれる混乱も、やはり国民が負わなくてはならない。この国をどうするのか。どこへ行こうというのか、小泉日本のあやうさをあらためて知る。

2005年9月28日

人類には法の支配を

 日頃、新聞のコラム欄はあまり見ないが、今朝の毎日新聞「余録」には引きつけられた。要旨は次のようなものである。

 オオカミなどキバやツメなど強力な武器を持つ動物は、同じ種同士の戦いで相手を殺すような致命的攻撃はひかえる。逆にヒトのように強い肉体を持たない動物は、元来攻撃を抑制する本能にとぼしく、残忍性ががある(動物行動学者、K・ローレンツ説)。武器を発明したヒトが、体力の限界をはるかに超える攻撃力を身につけた時、どういう行動にでるか。余録の筆者はこれを自動車への無差別発砲事件に結びつけ、こう結んでいる。

 暴力をめぐる人間の能力のアンバランスへの解決策の一つは、厳格な法の支配である。

 私は、これを国際紛争や戦争にあてはめ、こう訴えたい。

 厳格な法の支配は、まず日本国憲法第9条を手がかりとする。これを世界に訴え続け、国連憲章への反映に努力する。東西対決が解消し、かつてのパワー・バランス論だけでは対処しきれなくなった現在、これを夢物語視するのではなく、新しい潮流を見つめながら、その中で生かすことを考えようではないか。

2005年9月29日

嫌米を憂慮

 【ワシントン28日共同】「日本の牛肉禁輸で1万人が職を失った」「郵政の特権が温存された不十分な民営化を懸念する」--。米下院歳入委員会は28日、日米の経済関係について公聴会を開き、対日牛肉輸出や郵政民営化の問題をめぐり議員や政府、業界関係者から不満や「日本たたき」が相次いだ。

 トーマス委員長(共和党)によると、同委員会が日本問題の公聴会を開催したのは約7年ぶり。牛海綿状脳症(BSE)による牛肉輸出の停止から約2年近く経過しながら再開が実現しなかったことなどに、議会の保護主義的な不満が強まっている証拠といえそうだ。(gooニュース)

~~~~~~米議会で何をしゃべろうが勝手だけど、これは日本人が決めることでしょう。ハリケーンで人気下落真っ最中のブッシュ政権に圧力をかけさせようというのがみえみえ。9・11同時テロのすぐあと、アメリカはアーミテージ国防副長官とか同省ヒル日本部長クラスを使って、極秘で日本大使館に圧力をかけ、「ショウ・ザ・フラッグ」といったか、いわなかったか、あるいはそれ以上の露骨で具体的に軍事行動への協力を迫ったということが、すでに知られています。

~~~~~~靖国問題や歴史認識などに内政干渉だと反発する嫌中・愛国者のみなさん、これをどう思います。やはり、嫌米になる?。やめてください。太平洋戦争の根っこに、日本人移民をめぐる人種差別が感情的対立を深めた事実があります。

~~~~~~強力な軍隊や原爆がないから、馬鹿にされる?。世界中に日本が軍事大国になることを望んでいる国などありません。馬鹿にされるのは、これまで外交を官僚まかせにし、確乎とした外交政策・理念を持たなかったからです。イラク撤退も、米英からいいださないと何も言えない、だから馬鹿にされるのです。

~~~~~~平和憲法があればこそ、あらゆる国との経済発展を共有できます。国際貢献もできます。現憲法を時代遅れのものとするのではなく、先取りするものとし具体的な議論がおきないのが残念です。

2005年9月30日

教育基本法の焦点

 小泉首相の国会答弁で、自民党が依然として教育基本法改正に執念を持ち続けていることが明白になった。その意図するものに危険を感ずるのは、戦前回顧主義や憲法9条改正と、地下水脈でつながっていると考えざるを得ないからである。すなわち首相のいう「憲法改正環境の醸成」の一環である。

 国や地域の伝統文化の理解と尊重→郷土や国を愛する心を育成→国を守る責任と任務→憲法改正・軍事力強化というシナリオは、社・共はもとより、公明・与野党のリベラル派からも警戒されている。しかし、今回進出した大勢の小泉チルドレンには、それを理解する知識も能力もなさそうなところが心配の種だ。

 古いことを教えるのはいい。ただし「天皇中心の神の国」などのウソだけはやめてほしい。伝説としての神話復活結構、そして『日本書紀』にあるように、やきもちやきの天皇、変態で凶暴な天皇その他いろいろな人間的な天皇のいたことも紹介されていい。要は、明治以降の硬直した皇国史観だけが日本史だと考える偏狂さを捨ててほしいのだ。

 「愛」というのは、注ぐものであり受けるものだと思うが、教えるものなのだろうか。法律も言語学も門外漢なのでわからないけど、心の内面的問題、つまり心境を法律で規定するというのは、どうもしっくりとこない。成文化するとすれば、勅語、聖書、お経の類ではないか。

|

« 敗戦直後 | トップページ | サイトの表札 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/49853745

この記事へのトラックバック一覧です: テロの危険性:

« 敗戦直後 | トップページ | サイトの表札 »