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2005年4月16日 (土)

衆院憲法調査会最終報告

[反戦老年委員会復刻版]

 今朝、題記報告書の要旨が各紙に掲載された。論点を整理して賛否両論を紹介する内容になっている。国民が憲法を勉強するには格好の教材になるだろう。今後改正に向けた動きがでそうな条項として、「・・・意見が多く述べられた」と結論づけたところを注意して見ればいい。9条関係など私見はあるが、別の機会に譲り、報告書の中に驚愕すべき暴論がしのばされていること紹介したい。

国民の義務規定を増やすべきとする意見の中に『近代立憲主義を克服し、憲法を、国家と国民の協働を規定するものとして再構築することを志向する』というのがあり、義務として「国防の義務」を掲げている以上、徴兵制も視野に入れているのだろう。

 これは、かつての戦時立法「国民精神総動員法」とどこが違うのだろう。憲法であるだけにもっとタチが悪くこわい話だ。思慮もなく勉強もしてない議員には、とてもまかせいおけない。

2005年4月20日

臣民、国民、人民

 『日本書紀』を見ると、古代「おおみたから」ということばがあった。漢字では、民、百姓、黎民という字を当てる。国家の形がなく、民衆を一律支配する権力がない頃にも使われており、「人民」に近いものだろう。

 旧帝国憲法ではすべて「臣民」のことばで規制され、昭和憲法から「国民」になった。「人民」は、幕末から明治にかけて新聞、書物などに多用され、PeopleやVolkesの訳語にも使われた。

 ところが、それぞれのことばがだんだん特別の意味合いを持たされるようになる(後述)。今は自民党が共産党に至るまで「国民」オンパレードである。

 憲法を考える上で最も基本的なことがらだ。皇族と生まれたての赤ちゃん、そして在日外国人は「国民」ではないのだから、もっと最初にもどって考えてみたらどうか。

2005年4月21日

人民の名において

 昭和3年(1928)の流行語に「人民の名において」というのがあった。この年はスカートの丈が膝上になるとか、労働争議が続発するなど、大正デモクラシーの名残を残す一方、政府は治安維持法の強化をはかり共産党関係者1568人を検挙するなど、左翼の弾圧にも乗り出した。

 同じ年、パリ不戦条約が15カ国間で調印された。これが現行憲法9条1項の根源となっている。その中に「各国の人民の名において厳粛に宣言する」との表現があるが、当時、これは天皇主権をうたう我が国の憲法に違反する、という声が議会の中からでた。

 解釈次第ではどうにでもなることだが、そうはいかなかった。政府は、この部分に限り日本ヘの適用がないものと了解する、と勝手に宣言してその場をしのいだ。

 以後、「人民」は語感としてなんとなく体制と相容れないような位置に追いやられ、今では社会主義国だけが使う特殊用語になってしまった。

2005年4月23日

国連過大視の危険

 「『国連が行動すべきか、大国が行動すべきか』なんて聞くこと自体が間違いだ。それは同じことなのだから」(元アメリカ国連大使ジーン・カークパトリック教授の発言、アルビン・トラーフ『戦争と平和』より)。「国連はアメリカにとって必要な時に利用できる小道具・・・」(アーミテージ国務副長官の発言趣旨)。

 日本は常任理事国入りにひたむきになっているが、アメリカはアナン事務総長の周辺疑惑をあばきたてたり、かつて国連の存在意義を否定した新保守主義者(ネオコン)ボルトン氏を国連大使に送り込もうとしたりで、国連の弱体化=アメリカ志向化工作に余念がない。

 海外派兵について「国連の決議があれば、国連軍であれば」など、国連を錦の御旗にしようとする意見(民主党にも)がある。しかし、国連改革は簡単にできそうにもない。大丈夫なのか。

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