2019年4月23日 (火)

昭和と平成の天皇像②

 昭和天皇が戦後も左翼革新陣営を除き、比較的一般市民から愛されていたのは何故だろう。それは、昭和史の中で、軍部の暴走を要所要所でチェックされていたことを感じ取っていたことと、戦後、マッカーサーの信頼をかちとり、占領政策の中で大きな混乱がなく、食料確保や民主主義が定着したからではないか。

 戦前で大きな点は、二・二六事件の抑圧に自ら乗り出したこと、御前会議で終戦の最終決定をリードしたことなどがある。もちろん開戦の責任は逃れられないが、開戦前の御前会議に明治天皇の御製、

よもの海 みなはらからと 思ふ世に 

など波風の たちさわぐらむ

を引用、平和への道を追求する意図を示したことも歴史に残っている。

 皇太子・明仁親王(今上天皇)は、塾頭より1つ年下の同年配であり、当時の心境は推測可能だ。終戦時は、那須に疎開されていた11歳。米軍が鹿島灘などに上陸してきたら危険が迫る。逃げるとすればどこへなど、親元を離れて心を痛めていただろう。

 戦後も、天皇制がどうなるか、天皇が退位されたら、米よこせデモなどなどの大衆運動も発生。新憲法が定着するまでの不安は想像に余りある。

 塾頭が皇太子時代に会ったことは、2度ほどあるが、そのうち一度は東宮御所を訪れてお目にかかっているので印象が深い。勤め先の課長に呼ばれ、こう言われた。

 「社長が皇太子殿下に石油と石油化学についてご進講することになった。既存のPRフィルムを使ってご説明するのがいい、ということで映写技師と機材を準備するようにいわれた」。「16ミリ映写機や扱える人など御所で準備できるでしょう」。「あるけど手抜かりがあってはいけないということだ」。「わかりました」。「名前はもう通知してある。身元のチェックはすぐに始まるだろうから、今日から新橋あたりで飲み歩いたらいかんぞ」。

 当日、手配されたハイヤーに機材を積んで東宮御所の門をくぐった。着くと小さな応接間に通され、男性職員がお茶を運んできて、しばらくここで待つようにいわれ、すぐ下がった。

 見ると、テーブルの上に煙草盆がある。開いて1本とると、菊のご紋章入りだ。「これは課長へのお土産にしよう」とポケットに入れた。「恩賜のたばこ」といって、課長など、もと軍人にとっては特別の意味を持つ。そこで、前回予告した戦時歌謡の紹介をしておこう。

♪恩賜のたばこをいただいて

明日は死ぬぞと決めた夜は

荒野の風も生臭く

ぐっとにらんだ敵空に

星が瞬く二つ三つ

ついでに、天皇が組み込まれた別の歌謡を2

♪思えば今日の 戦いに

(あけ)に染まって にっこりと

笑って死んだ 戦友が

天皇陛下 万歳と

残した声が 忘らりょか

♪海ゆかば 水漬くかばね

山行かば 草むすかばね

大君の 辺にこそ死なめ

かえりみはせじ

 最後の歌曲には子供のこんな戯れ歌が

♪海ゆ馬鹿 水漬く馬鹿ね

山ゆ馬鹿 草むす馬鹿ね

    ――以下は同じ。

 

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2019年4月22日 (月)

昭和と平成の天皇像①

 塾頭が目にしたのは、お二方とも昭和の時代である。昭和天皇は、終戦の翌年から地方巡行をはじめられた。従って、中学の先生に引率され、お召列車が通過する信越線・新津駅手前で、窓から手を振る天皇に旗を振った記憶があるだけである。

 戦時中の各・小中学校には奉安殿があり、御真影と教育勅語が安置されている。登下校時にはその前で最敬礼する義務があった。軍事教練が始まった中学では、停止敬礼、団体の時は「歩調撮れ」「頭右」がこれに変わる。双方とも皇室から、直接下賜されるものが収められている。火災でこれを失った校長は、自殺してお詫びしたという話もある。

 奉安殿から持ち出されるのは、四大節(四方拝1/1・紀元節2/11・天長節4/29・明治節・10/3)だけで、ご真影は式が行われる校庭前面のテントへ、勅語は校長が捧げ持って校長室に移される。

 式が始まって、校長が勅語を読み上げるとテントの幕が上がるが、同時に「最敬礼」の号令がかけられるので、ご真影がどんなお姿なのか全く覚えがない。一般に公開されている写真は大元帥の礼装とか、白馬の乗馬姿が多く、生のお声を聞くのは、終戦の詔勅放送を聞くのが初めてだった。

 その翌年の1月1日、新日本建設二関スル詔勅「人間宣言」が発布されるが、それまてでも「天皇が神だ」などと思っていた人など一人もいなかったことを断言する。「朕がプッと屁をふればなんじら臣民くさかろう」という小学生の悪ふざけは、前にも書いたことがある。

 身近ではないが、次回取り上げる軍事歌謡で歌詞に組み込まれるなど、その存在感は平成と比較にならない大きな存在であった。そして、戦後は大衆の中に入って行かれるわけだが、発せられる声を、「あッ、そう」「あッ、そう」と聞かれるだけで特別のご発言としいうものは少なかった。それは一時流行語になったが「もしかして、普通の日本語はご存知ないのでは」という声もあった。

 天皇を「テン・チャン」、皇太子を「セミ(半分の・なかばの)テン」という言葉もこの頃はやったが、天皇紳格視はやはり仮の姿だったということになる。

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2019年4月21日 (日)

人面スミレ

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この色のパンジーは、笑顔になりやすい。何故かはわからない。😃

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2019年4月20日 (土)

日米の政治、ここが違う

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 写真の見出しに関連して、毎日新聞は社説のトップにもこれを取り上げていた。アメリカのこととはいえ、世界、ことに日本への影響は大きい。日本の安倍一強も似ているようで違いも大きい。

 アメリカでは、最初から大統領権限を大きく決めている。例えば、閣議で全閣僚の反対にあった16代リンカーン大統領は、「反対7、賛成1、よって賛成に決まりました」という逸話がある。合衆国憲法は、第2条に「行政権限は大統領に付与される」とあり、議会の決定に拒否権も持つ。これを覆すためには3分の2を超える立法措置を講じなければならない。

 任期については、当初明確な多選禁止規定がなかった。建国の父、ジョージ―・ワシントンは2期8年をつとめたあと、3選を請われたにもかかわらず、一人の人物に権力が長期間委ねられことを嫌って辞退したことで腐敗防止の範を示した。権力の大きさを誇示するのではなく、自制の利く人格者であることが選挙民が選ぶ資格条件になるということだ。

 その点、トランプに疑問の余地なしとは言えないが、合衆国憲法上の三権分立の精神が行き届いていて、トランプが気に入らなければ司法の要職が次々と解職されても「忖度」するというようなあいまいな話は聞かない。大統領権限が大きいため、議会の断行決議が成立するだけの決定的証拠が不足しているだけで、無罪ではないというのが今回の捜査報告書の内容である。

 明日は2度目の統一地方選挙日。アメリカにはあって日本にないものをしっかりと見極めよう。

 

 

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2019年4月19日 (金)

ええじゃないか

 天皇陛下伊勢神宮参拝で盛んにTVニュースの映像が流れる。それで思い出したのが、幕末の「ええじゃないか」大衆運動勃発である。皇大神宮のお札が空から降ってきたといううわさが発端である。

♪ええじゃないか ええじゃないか

臭いものに紙を張れ 破れたらまたはれ

ええじゃないか ええじゃないか

 こうはやし立てて、阿波踊りのように踊り狂う集団が、中部地方から全国各地にひろがっていく。そのまま、伊勢に向かう一団も出る。歌詞は世を狭くするタブーの否定で、歌詞は卑猥なものも含めてまちまち、神の世の再来で何をしても自由という願望が背景にある。京都では反幕の志士が活躍している頃だが、これとは関係がない。

 同時に「世直し一揆」という農民運動や、不満のはけ口として「打ちこわし」にも火がつく。このような大衆のエネルギーが大政奉還や討幕に大きく影響した。

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2019年4月18日 (木)

特使では解決しない

 産経ニュースによると、慰安婦問題について天皇陛下による謝罪で問題が解決すると発言した韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長が、日韓関係の修復を図るために日本に特使を派遣する意向を日韓議員連盟(額賀福志郎会長)側に示していることが17日、分かった。

 あまりひどすぎて日本側に譲歩する余地が全くない。

 何度相談して決めても、どうせほごになるのだから、やめといたら。

 

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2019年4月17日 (水)

入札と国防

 海上保安庁の巡視船などに使う燃料の一般競争入札をめぐっては、NHKの取材で、おととしまでの2年間、非公開の予定価格と全く同じ金額で落札される100%落札が、相次いでいたことが分かり、海上保安庁が内部調査したところ、入札の参加業者が、非公開の予定価格を事前に把握できたとみられることが明らかになりました。

NHKが報道している。

 昔のある話を思い出した。当事者は海上保安庁でなく北海道の航空自衛隊である。取引に関係していた人の告白をまた聞きしたもので、真偽のほどはわからない。

 北海道では、領空・領海侵犯で緊急発進が増え、一時的に燃料在庫が不安になることがある。一般競争入札では極端な安値を示してくる業者もあるが、このような時、追加注文をしても即応できないことが多い。北海道に製油所を持つ大手2社ならば数時間以内に補給してもらえる。納入業者を特定したいのは国の安全に支障を来たさないようにするためだ。ルールはルールとして守りたいが、臨機応変の措置も認めてほしい。

というものである。

 

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2019年4月16日 (火)

地方議会と政党

   ①  ②  ③

自民 30  7  16    

立民  8  1   0.2

公明  4  8  19

共産  4  6  14

維新  3  1   0.2

社民  1  1   0.2

国民  1  1   0.2

 ①は、、今日付けの毎日新聞に載った世論調査の政党支持率

 ②は、当・市川市の市議立候補者数で、③が党公認の候補が全員当選したと仮定した場合の議会勢力である。

 地方議会は、どこでも無所属の議員が多い。地方特有の問題を審議するのだから、というのと、政党色のない方が支持を得やすいというのも一理ある。

 しかし、当たりさわりのない似たような政策をかかげているだけでは、誰に投票していいのか基準が定まらない。今、大騒ぎをしている元号、安倍首相の関与が取りざたされているが、元号法制定のもとは、地方議会から始まったのだ。日本会議は、46都道府県、1,632市町村で議会決議を達成したとしている。

 1977年(昭和52年)9月にの元号法制化を求める地方議会決議運動が始まった。その火付け役が日本会議で、安倍首相は国会議員懇談会の顧問をしており、地方にも組織が広がっている。

 日本会議は、憲法改正の急先鋒であり靖国参拝など、国政上の右傾化促進に力を発揮する。その有力な原動力が地方議会にあるのだ。

 ③は、②の立候補者数を定数42で除して影響力を指数化してみた。公明党・共産党が目立っていて、市議会報告などを見てもその存在感がわかる。国会の野党第一党も、地方ではコンマ以下である。

 ①による調査では、内閣支持率が前回より2%ふえ、41%となった。「支持する」と答えた人にその理由を4項目から選んでもらった結果「他にいい人や政党がない」が52%を占め、他の10%台の答えを圧倒している。

 立憲民主党がまずしなければならないのは、地方議員の候補者をふやし、地方での足腰を強めることではないか。先月21日に「野党第一党脱却を」書き、共闘関係で動きの取れない現執行部をさし置いても、顔の売れている有力議員が力を発揮すべきだと説いた。

 選挙民が動きたくとも動けない現状を放置していては、政権奪回などおぼつかない。

 

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2019年4月15日 (月)

「新」の寿命

新月=半日

新聞=1

新年=1カ月

新米=半年

新卒=1

新名所=23

新自由主義=そろそろ終わり

新幹線=永久?

 

 

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2019年4月14日 (日)

続・司法不信

続・司法不信

 前回は、国内・国際共に司法の独立、三権分立がゆらいでいる……ということを書いた。今日の共同電は、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の決定について、その裏幕まであからさまに報じている。ペンスダ主任検察官が提出しているアフガニスタンでの米兵らによる戦争犯罪だ。

 その容疑は、予備的な捜査を行った結果「米兵やCIA要員が2000年代前半、アフガン戦争で拷問やレイプなどの戦争犯罪を行った疑いが強い」というものだった。

 ICCは12日に、この正式捜査の請求を却下した。理由は、関係者の協力が得にくく、捜査が遂行できる可能性が低いから、としている。

 以下の引用は、アメリカの露骨な干渉を明らかなした部分である。

(前略)捜査を巡っては、トランプ米政権が猛反発し、3月15日にはCIA判事らに制裁を科すと発表。その後ペンスダ氏の入国査証(ビザ)を取り消した。

ICCは制裁を請求却下の直接の理由としていないが、国際人権団体アムスティ・インターナショナルは「米国の脅しに屈した」とする声明を発表した。

請求却下は3人の予審判事が全員一致。日本の検察官出身の赤根智子氏も含まれる。(後略)

 

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2019年4月13日 (土)

司法不信

 かつて法律関係の仕事をしていたことがあるが、これほど「司法不信」になったのは初めてだ。WTO(世界貿易機関)の2審判断だ。これは準司法だが、韓国の水産物禁輸措置に対する1審の判断を覆し、日本敗訴の決定をした。徴用工問題も、韓国最高裁の賠償・差し押さえ決定も塾頭の常識では考えられない。

 情報を日本の新聞、それも日本語で読むしかないのだが、何度読み返してもその意味が理解できず「なるほど」と思わせるものがない。

 日本をひいき目で見るからではない。国外では、これをどう見るのだろうかを理解しないで論ずるようでは、ネトウヨと同じになるからだ。

 司法不信は国外だけでない。ゴーンならあれほど執拗に拘束にこだわる日本の検察が、政府・官僚の公文書改ざん、隠匿・国会の偽証を不起訴にし、裁判所も無罪に持ち込もうとする傾向が見えてくる。かつての常識、三権利分立が揺らいでいるように見えるのは思い過ごしか。

 民間会社などでは、「お上にたてつくとロクなことにならない」とか、不法とわかっていても「裁判にかけると時間と金がかかる。金ですませるなら払った方がいい」という考えは昔から存在した。

 詐欺が横行する世の中。世界は変わりつつあるのだろうか。

 

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2019年4月12日 (金)

国民民主党のレベル

 こんなニュースがあった。

玉木氏が菅元首相に引退勧告

2019年0411 1539分 時事通信

 立憲民主党と同党会派の議員がインターネット交流サイト(SNS)を通じ、旧民進党議員の再結集を目指して国民民主党に「解党」要求を突き付け、国民側が反発している。

 口火を切ったのは立憲最高顧問の菅直人元首相。9日まで複数回にわたりブログで解党論をつづった。9日のツイッターへの投稿では「国民民主党は政治理念が不明確なので解散し、参院選までに個々の議員の判断で立憲との再結集に参加するのが望ましい」と踏み込んだ。

 立憲会派の江田憲司衆院議員も8日にツイッターに投稿。統一地方選前半戦の結果を報告する中で、立憲がもっと候補者を擁立していれば「国民民主は壊滅しただろう」と指摘、「立憲中心の野党結集」に期待を示した。

 これらに国民側は猛反発。玉木雄一郎代表は10日、東京都内の行事で同席した菅氏を呼び止め、「煩悩があり過ぎるようなので、お遍路でも回ったらいかがか」と引退を勧告。国民の原口一博国対委員長も11日、立憲の辻元清美国対委員長に「野党共闘の障害になる」と抗議した。辻元氏は「党役員会で問題提起する」と引き取った。 【時事通信社】

 菅氏のブログは、午前10時半現在これに答えるような更新をしていない。

 本塾は先月21日に「野党第一党脱却を」と題し、安倍一強を支える自民から政権を奪うためには、菅氏など知名度のある議員が、現執行部とは別の立場で自由な発言・行動をして党勢政拡大を図るべき、と書いていた。(なお、この記事の中にある「岡田克也発言」は誤報という指摘を受けたので取り消し、リンクもしません)

 玉木発言は、菅元首相が、首相退任後四国でご遍路周りをした故事を取り上げ揶揄しているのだが、涼しい顔で聞き流すのが一番。もし答えるなら「煩悩即菩提」の一言でいい。

 

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2019年4月11日 (木)

ブラックホール

 今日の毎日新聞1面のトップニュースは、「首相、桜田五輪相を更迭」と「ブラックホール初撮影」のふたつである。右に持ってくるか左にするかの違いはあっても、各紙同様であろう。

 ふたつは、全く違う分野・性格のニュースで比較しようがない。読者がどっちに関心を持つか、整理部も困ったに違いない。などと考えているうちに、塾頭はなにか共通点があるような気がしてきた。宇宙のブラックホールと自民・安倍首相をめぐるブラックホールである。

 政治の方は、野党が共同して電波望遠鏡をあてても、中身が見えてこず、安倍吸引力に迫ることができない。宇宙なら「見果てぬ遠い夢」でいいのだが、政治はそうはいかない。

 一刻も早く見えるようにして、人間の力で毎日が安心して暮らせるようにしなくてはならないということだ。

 

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2019年4月10日 (水)

自衛隊エジプト派遣

引用2

【カイロ時事】エジプト東部シナイ半島北部にある検問所近くで9日、自爆テロが起き、警官や市民3人を含む計7人が死亡、少なくとも26人が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張した。

 シナイ半島では北部を中心に、IS傘下の武装勢力の活動が活発で、治安部隊などを狙ったテロがたびたび起きている。シナイ半島でエジプト軍とイスラエル軍の停戦維持を監視する「多国籍軍・監視団(MFO)」司令部には、今月19日から陸上自衛官2人が派遣される予定。【時事通信社】

 

Tbsニュース2/10)政府は今回、隊員の安全は確保できると判断したことから、近く、派遣する方針を正式に決定することが分かりました。実現すれば、安保関連法で可能となった国連主導以外の治安維持活動などに参加する「国際連携平和安全活動」で初のケースとなります。

 本塾がかねてより指摘している通り、シナイ半島は決して安定などしていない。むしろ火薬庫といっていいエリアだ。イスラエル北部のゴラン高原は、米・トランプ大統領が国連決議に反してイスラエルの肩をもって支配地拡大を目指し、イランをバックにつけた軍事組織ヒズボラと一触即発状態にある。

 シナイ半島の多国籍監視団(MFO)は、かつてイスラエルとエジプトが戦い、半島のエジプト帰属を確認することで平和条約が結ばれた。以来、ムスリム・スンニ派の大国である同国とサウジアラビアは、国家権力に批判的なIS攻撃でイスラエルと同盟国であるかのような関係になっている。

 従って、本来なら上記監視団などは役割を終えて、すでに撤退していていい存在だ。それなのに、ISを名乗る自爆テロなどが北部で頻発する。もともと、イスラム原理主義穏健派のイスラム同胞団がイスラエル・ゴザ地区支援の根拠としていた地域である。選挙で政権を得た同胞団だか、たちまち国軍のクーデターで今の軍事政権になった。

 軍事政権は、同胞団をテロ組織に指定した。日本政府の「隊員の安全は確保できる」という判断と、タイミングを失している多国籍軍参加の理由は何だろう。

 強行採決した安保法案の実績づくりと、イスラエルは支援したいが、世界中に広がる米軍撤退もしたいトランプから、ノーベル賞ではないが電話による要請があったのかも知れない。

 

 

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2019年4月 9日 (火)

朝鮮独立の機会

 4回前の4月5日付で「日韓関係の歴史市認識」を書いた。その中で外務大臣陸奥宗光が、日清戦争勝利の後、朝鮮の他国依存や容喙を排し、健全で統一された独立国となることを期待していることが、わが国にとって最大の目標であることを、彼が残した記録『蹇蹇録』を引用して説明した。

 これと似たようなことが、日本敗戦後の朝鮮半島をどうするかについて、当時のアメリカ・国務長官バーンズの考えが記録に残っている。(アーネスト・メイ・遠藤栄一訳『歴史の教訓 アメリカ外交はどう作られたか』岩波現代文庫、所載)やや長いが次に引用する。

 バーンズ長官は、スターリンがアジアよりヨーロッパに興味を持ち、しかもアジア問題を英仏両国を除外し米ソ二国間だけで討議できると考えていた。そのため彼は、一九四五年十二月にモスクワ外相会議を開き、その冒頭で、極東に関する取り決めを提案した。

 バーンズは、もしこの提案がうまく合意されれば、それは、他の地域でのもっと困難な問題に関する合意を作りだすきっかけになると考えた。

 そこで彼は、ソ連側に対して、中国で進められているアメリカの[国共]調停工作を支持し、日本におけるマッカーサーの権限を承認するよう求めた。しかもその見返りとしてバーンズは、マッカーサーに勧告を行う委員会を設置し、それにソ連も代表を送るよう提案し、その米ソ合同の委員会の手によって、全朝鮮臨時政府を発足させ、五年以内に朝鮮の完全独立を図る計画を立てるよう提案したのである。

 ソ連は、このバーンズの条件を、字句に若干の変更を加えるでけで受諾した。バーンズは、主にこのソ連側の受諾を理由に、モスクワ会議が成功したと思いながら帰国した。(改行は塾頭による)

 朝鮮は、強国による戦後処理計画の中で出てきた二度にわたる独立支援計画を、手中にすることができなかった。その原因を他国のせいにすることは簡単だ。しかし、朝鮮民族にとって不幸な環境があったことに加え、反省すべき点も多々あったということが理解されなくてはならない。

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