2016年12月 3日 (土)

「北・抜き6か国協議」の時期

 北朝鮮に対するより徹底した国連安保理の制裁決議がまとまり、北朝鮮経済の後ろ盾である中国を含め、全会一致で採択された。これに関連して、朝日・毎日の2紙が社説を掲げている。朝日の記事でその内容を示すと次のようだ。

 北朝鮮の最大の外貨収入源とみられる石炭の輸出を約6割減らすよう、上限を設けたことが最大の特徴だ。

 銅やニッケル、銀などの輸出は全面的に禁じられるほか、北朝鮮が労働者を派遣してアフリカ諸国などで作らせている銅像を建立する取引も認めない。

 この制裁が実行されれば、北朝鮮の総外貨収入は4割近く減り、核・ミサイル開発のペースは抑えられるとされる。

 これを見て思い出すのは、大東亜戦争開始前のABCD(アメリカ・イギリス・中国・オランダ)包囲網による鉱物資源を主にした対日経済封鎖である。これで日本は干上がり、戦争遂行能力がなくなるが、短期戦なら神国・日本に勝機もある、といって突っ込んだのがさきの戦争である。

 両紙の論調に多少のニューワンスの差はあるが、中国による「抜け道」を許さないこと、日米韓の連携を強化することなどで、制裁効果で金正恩を追い詰めるという点では一致している。国連と日本外交の基本姿勢をなぞっただけで、マスコミの洞察がこんなことでいいのかという気がする。

 韓国は今、大統領弾劾で空前の混乱に陥っている。韓国民は、この決議にどういう思いを持つだろうか。制裁強化で同じ民族が飢えたり、争ったり、正恩の独裁強化による内乱やクーデターが起きたりすることを望んでいるだろうか。

 北が、核開発やミサイル発射にこだわるのは、一にも二にも南北統一に優位、少なくとも対等以上の地位を占めたいからだ。北に混乱が起きてプラスになる国はどこにもない。難民の大量発生や内乱状態発生は、中・韓にとって直接的なクライシスになる。

 治安維持出動は、即内政干渉となり、中・韓の対立を生む。そして中東で見るような果てしない抗争にならない保証はない。本塾では、10月22日に「北・抜き陰謀論」を書き、同様な趣旨からこの際、北抜きでも6か国協議をすべきだと書いた。

 しかし、この素人考えは誰からも支持されていない。(;ω;)

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2016年12月 1日 (木)

天皇退位、迷路へ

 12月1日付毎日新聞の1面トップ見出しは、「退位専門家の賛否拮抗」である。新聞見出しだから字数を減らさなければならないのはわかるが、安倍首相好みの人選を「退位専門家」と表現したのは滑稽だ。

 天皇退位に関する安倍首相の私的諮問機関に意見陳述した16人を言っているのだが、10月28にエントリーした「追悼・三笠宮殿下」に書いたように、「結論が出せないか、出たとすれば到底歴史の批判に耐え得ない奇怪なものになるだろう」という予測が早くも当たりそうだ。

 新聞記事の内容では、退位の賛否で反対が6人、賛成が8人、今上天皇に限って適用する特別立法の可否については、反対が3人賛成が6人とされている。右派論客は、天皇の意向があっても退位反対が鮮明だ。皇室典範について、女性天皇の議論にならないよう、本体をいじりたくないのだ。

 有識者会議は12月7日の会合から「専門家」の意見を踏まえ、年明けにも論点を整理して公表するとしている。そして、同紙は「会議は特別立法で意見集約する見通し」と予測しているが、この予測は、会議がスタートする前からささやかれている奇怪なものだ。

 ところが、今日午前の毎日新聞・電子版に突然こんなことが――

 天皇陛下が退位の意向がにじむおことばを公表する直前の7月21日、恒久的な制度による退位を望む考えを学友に打ち明けられていたことが分かった。

 これで、政府が天皇の希望に逆らうような動きをしていることがさらに鮮明になった。天皇とほぼ同じ時代を生きてきた塾頭には、「お言葉」の意味がよくわかる。このままでは、天皇の希望が空転してしまうことになる。自民党改憲案のような戦前指向は、すでに死んでいるのだ。

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2016年11月30日 (水)

反戦塾乗16/11/30

 ベタ記事といっても3日前の古新聞である。

 民進党の野田幹事長は27日、地元の船橋市の講演会で、野党共闘について「私は自衛官のせがれで、共産党に対する意識は、どなたより強烈だ。魂は売らない」と述べた、とある。

 共産党の議員も国民が選んだ人だ。父親の職業で政治の方向を決める、そんな人が全国民を代表する立場の総理大臣をやっていたのだ。幹事長に指名した蓮舫代表の意見とも違う。

 聴衆は、後援会関連の人が多いのだろうが、そういう場では意識して受けねらいの発言をするものだ。あってはならぬ失言が出ることも多い。アメリカのトランプ大統領候補が頻発した問題発言もそのような場が多かった。

 ある知識人が、「これからの政治家は、キャラが立つことが第一条件だ。トランプしかり、小池都知事しかりだ。ポピュリズムでもいいではないか。それが民意ならば」といったようなことを発言していた。

 そのトランプの「日本の米軍駐留費は全額日本に負担させる、さもなければ撤退させる」といった発言について、共同通信が26、27両日世論調査をしていた。その結果は、

・負担を増やす必要はない 86.1%
・増やした方がよい 9.2%

となった。日本の大衆は「衆愚」ではない。すくなくても政治家よりはましなようだ。

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2016年11月29日 (火)

撃ちてし止まむ

 このところ、天皇退位問題などに関連して、天皇が平和を祈る伝統的な役割をになっているような書き方をしてきたが、戦中は天皇の違った面が強調された。

 「撃ちてし止まむ」が標語として日本中を覆っていた。神武東征・大和侵略戦争の歌からきている。

大和国磯城郡忍坂(おさか)の土雲(今でいえば土人)を撃ち殺す歌。

忍坂の 大室屋に 人多(さわ)に 来入り居り 
人多(さわ)に 来入り居りとも みつみつし 
久米の子が 頭椎(くぶつつい) 石椎(いしつしい)もち
撃ちてし止(や)まむ みつみつし 久米の子等が 
頭椎 石椎もち 今撃たらば良らし

登美毘古を撃たむとしたまひし時、歌ひけらく、

みつみつし 久米の子等が 粟生(あわふ)には
韮(かみ)一茎(もと)そねが茎 そね芽繋ぎて
撃ちてし止まむ

とうたひき。また歌ひけらく、

みつみつし 久米の子等が  垣下に 植ゑし
椒(はじかみ) 口ひひく 吾は忘れじ 撃ちてし止まむ

とうたひき。また歌ひけらく、

神風の 伊勢ノ海の 大石に 這ひ廻(もとろほ)ふ
細螺(しただみ)の い這ひ廻り 撃ちてし止まむ

 以上『古事記』岩波文庫参照。「久米」は軍事を専管する一族。「頭椎」「石椎」は大刀と石の武器。「粟生」粟畑。戦いの厳しさをニラや山椒そして貝に例えるなど牧歌的ではあるが……。

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2016年11月28日 (月)

完全死語「すいこん」

Cocolog_oekaki_2016_11_28_10_50先週24日、東京都教育委員会は都立学校の水泳授業において、来年度から飛び込みによるスタートを禁止すると発表した。今年7月に都立高校の水泳の授業で、生徒がプールの底に頭部を強打して首を骨折した事故を受けて、都教委が対応を検討していた。

 最近は、小学校から高校まで、体育授業が人気のあるサッカー、野球等の球技に集中して水泳が無くなり、泳げない子が多いという。

 また、塾頭の懐古趣味だが、国民皆泳の時代で、小学一年の時は完全に平泳ぎができた。それでもなくてもエアコンなどどこへ行ってもない。夏休みは、暑さしのぎに海か川へ泳ぎに行くのが日課だった。そこで思い出したのが「スイコン」。

 「なんのこと?」という人が多いと思うのでネットをさがしたが見つからない。漢字で書くと「水褌」だろう。そこで、家にある古い『広辞苑第4版』、これならあるだろうと思ったらやはりない。70年前は男の子の必需品だったが、言葉の寿命の短さに改めて驚いた次第。

 上の下手なイラストがそれ。上部にひもを通し右か左で結ぶ。

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2016年11月27日 (日)

朴槿恵追及デモ

 27日の韓国大統領辞任要求デモは5回目である。回を重ねるにつれて参加者が多くなり、主催者推計150万人、警察推計で27万人に達した。日本の警察は、デモを反権力的行動と見がちで過小評価するが、5倍半も違う。

 日本でも安保闘争で17万人から33万人までいろいろな数字があるが、27万人は、人口比から見ても安保闘争の方が完全に負けている。検察は朴槿恵大統領が共犯の可能性が高いと言っているが、証明できていない。

 この段階で韓国民の「怒り」の境地になれないのが塾頭だ。それは、彼女の父・朴 正煕(パク・チョンヒ)大統領時代のある体験も作用している。それはこんなことだ。

 当時の勤務先に韓国の新聞記者が取材したいと言ってやってきた。担当者の手がふさがっていたので、初対面の記者を応接に入れ話を聞いた。

 なんでも、同国でこの頃始めて日刊の経済専門紙ができたばかりで、はじめて特派員として着任したが、取材の要領も目下勉強中とのこと。実直そうな人で、「新政権ができて、韓国の経済の現況についてどう思うか」と遠慮がちに切り出した。

 日頃勉強していない話だ。とっさに、当時日本の新聞によく出ていた「妓生(キーセン)外交」の話を持ち出した。本当は失礼な話なのだがほかに知識がないのでやむを得ない。

 それは、日韓基本条約による援助がまだ効果を発揮できず、韓国では外国人に対し、伝統的な慰安婦であるをキーセンによる接待だけが盛んで、そこからなかなか抜け切れない、という観察である。

 その後、「漢江(ハンガン)の奇跡」と言われる成長を遂げ、今日の韓国の経済的地位を築き上げた大統領だ。新聞記者は申し訳なさそうな顔をしたが、「そのうちよくなりますよ」という双方の結論で彼は帰って行った。

 しかし、大統領夫妻は暗殺者の凶弾に倒れた。また、日本の陸軍士官学校出の大統領を快く思わなかった人も少なくない。朴槿恵大統領は、そんな過去を背負った人だ。デモの中心をなす若者は、どこまでそんな知識があるのだろう。
 

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2016年11月25日 (金)

答えが出ない天皇退位

 政府は24日、天皇譲位への対応などを検討する安倍首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の第4回会合=ヒヤリング(14日開催)の議事録を首相官邸のホームページで公表した。

 選定された「有識者」の先生は16人いるが、安倍首相好みの右翼雑誌常連執筆者もちゃんと顔をそろえている。今月6日の記事、「追悼・三笠宮殿下」の中で、「渡部昇一・八木秀次・桜井よしこなど」と指摘しておいたが、そのうち渡部・桜井の2人がこの第4回の会議で意見陳述をしている。

 その両氏の意見の核心部分を公表された議事録から抜粋しておこう。

■渡部 昇一 
「十分お休みになってもお祈りすれば十分です」とおっしゃる方がいればよかったわけです。おっしゃる方がいないから、今、天皇陛下は皇室典範の違反を犯そうとしていらっしゃいます。だから、それはそうさせてはいけません。皇室典範を変えてはいけないし、臨時措置法などというインチキなも
のを作ってはいけません。どうしてもこれはしかるべき人が説得すべきです。

■桜井よし子
戦後作られました現行憲法とその価値観の下で、祭祀は皇室の私的行為と位置づけられました。皇室本来の最も重要なお役割であり、日本文明の粋である祭祀をこのように過小評価し続けて今日に至ったことは、戦後日本の大いなる間違いであると私はここで強調したいと思います。

 いずれも祭祀(祈り)が天皇のつとめで、体力を消耗する視察や災害慰問などを割愛すればいいという意見だ。立場は全く違うが、塾頭の考えは渡部氏のほうがやや近い。政治のやまと言葉は「まつりごと」で、魏志倭人伝による卑弥呼の役割も霊験を示すことのできる巫女的な存在だ。

 何を祈るかといえば、国土安寧・五穀豊穣だろう。誰のためには、黎民(おおみたから)のため、誰に向けては、先祖や八百万(やおろず)の神ということになる。これは古記録を見ればわかる。ただ一部右翼が言う神だけに限らない。

 飛鳥時代に仏像を拝み奈良時代には国費で大仏を建立した。それを無理やり分けたのは明治維新である。

 ご両人に抜けているのは、今上天皇の被災者慰問や、戦没者慰霊は、祈りの一部分として密接不可分なものというお気持ちが斟酌できていないことである。

 桜井氏は、現憲法は押しつけだから認めないという発想だろう。しかし今上天皇は、敗戦を疎開先で迎え、天皇の地位が続くのか廃絶するのかの瀬戸際を知っている。それが、新憲法で「象徴」という地位を国民の総意のもとで継続できるようになったのだ。

 天皇は、憲法第99条で憲法尊重擁護が義務付けられているというより、新憲法の申し子といってもいい存在だ。始めて与えられた「象徴」をこのさきどう引き継いでいくか、それでいっぱいだろう。

 憲法20条では、国およびその機関に対し宗教的活動を禁止している。桜井氏が伝統的な神式にそった祭祀を憲法に明文化したいというのなら、それこそ「間違い」。私的だからこそ、時代の変化を取り込むことにより伝統が長く受けつがれていくのである。

 まだ先が長いが、安倍流の’私的諮問委員会’も今回は人選が粗雑で、答えが出たとしても失敗作になるだろう。

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2016年11月24日 (木)

天変地異とカルト

 医食住――、衣食住の誤植ではない。昨今のテレビではどの局の番組を見てもその3つであふれかえっている。ところが、昨日は「つなみ にげろ」、今日は「大雪・大雪」でテレビ画面に太い帯やテロップが、日常の放送を立ちはだかるように出っ放しだった。

 3・11で津波に敏感になるのはやむを得ない。11月に都に雪を見るのは54年ぶり、積雪を観測したのが史上初。なにか天変地異の連続、といったような表現だが、気象庁が何センチ積もったか計ったのが今回初めてというだけで、雪国の人から見ればばかばかしい限りだろうと思う。

 世界を覆う異常気象。それに加えて中国・北朝鮮などとの不調和音、日常化するテロの脅威、人種・民族・貧富の差などが、融和を拒み協調を拒否する政治的傾向を生む。そういった不安定さは、カルト教団出現の恰好な餌場になる。大きくとらえるとISの出現やトランプ現象もその変形かもしれない。

 日本でも、けっして油断できない。すでにその「気(け)」が出ていることに塾頭も気づくことがある。数編前の記事に、「公明党・創価学会凋落のはじめ」という表現を使ったが、そのあたりに狙いをつけた運動や、右翼団体のカルト化にも警戒の目を向けなければならないのではないか。

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2016年11月22日 (火)

足るを知る

  禍莫大於不知足――「禍(わざわ)いは、足(た)るを知らざるより大なる莫(な)く」と読む。中国の古典『老子』の中の一節である。西欧では、16日の記事「かけつけ警護、やっと社説に」で、クラウゼビッツの「戦争論」がナポレオンの時代から、戦争の実態・本質をついた名著として読み継がれているということを書いた。

 ところが中国では、何と紀元前5~6世紀頃に現代でも通用する兵書を孫子が書いており、上の老子も戦国春秋時代を背景に、鋭い観察眼で戦争の実態を明らかにする戦争論というべき文章を残している。江戸時代の武士は論語など「四書五経」を教養の糧とした。

 しかし、現代では軍事をつかさどる政治家には全く通用しない。これは、日本の安倍首相や稲田朋美防衛相もさることながら、中国の習金平主席でさえ心得ているかどうかはなはだ心もとないと言わざるを得ない。老子については、4年前に本塾で「老子の訓え」を書いているので、参考までにリンクしておく。

 冒頭の文意は、既に足りているのにそれを知らず、欲張って身の丈以上のことを成し遂げようとすると必ず失敗するということである。囲碁の金言「むさぼるなかれ」と同じ意味だ。同文の前後を含め、金谷治『老子』講談社学術文庫では、こう解説する。

 世界じゅうに道理が行われて平和であるときは、早馬は追いやられて畑の耕作に使われるが、世界じゅうに道理がなくなって乱れたときには、軍馬の活動が都の近くでも起こるようになる。

 戦争のもとはといえば、それは諸侯たちの私的な欲望だ。欲望をたくましくするのが、最大の罪悪であり、満足を知らないのが最大の災禍であり、物をむさぼりつづけるのが、最もいたましい罪過(あやまち)である。だから、満足を知るというその満足こそは、永遠に変わらない誠の満足なのだ。

 日本は日清戦争に勝ち、日露戦争に勝った。両戦争とも「自衛のため」という理屈は、苦しいながらも立たないわけでもない。しかし、第一次大戦で敵ではない中国の山東半島のドイツ租借地を攻撃、青島を占領して日本の利権獲得を目指す「対華21カ条要求」を中国につきつけた。

 それでは足りず、満州で鉄道爆破という自作自演のもと満州事変を起こして傀儡政権・満州国を作り、事実上日本の版図にしてしまった。その結果が第2次大戦の敗北につながっていく。まさに「足るを知らなかった」のである。

 ソ連は、アフガニスタンで手痛い失敗をし、崩壊に導かれた。アメリカは、オバマになってそれに気が付き始めているが、トランプに変るとどうなるか。日本はとっくに「足るを知る」境地になくてはならないが、大国主義で中国と張り合って真の満足から遠ざかり、痛ましい罪過の繰り返しになるこ知らないでいる人が多すぎる。

 どうだろう。中国古典に親しみのある日中韓で、「老子研究会」でも開催したら――。
 

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2016年11月20日 (日)

本当はこわい韓国の危機

 韓国朴槿恵大統領糾弾の空前規模のデモが繰り返される。韓国情報は、いやに微細にわたる面と、なにか空を掴むような的の見えない面と両方ある。塾頭が危惧する面は、南北の偶発的衝突である。

 中国関連では、今にも尖閣諸島に中国が攻めてきて占領、その矛先は次に沖縄に向けてくる、といった言説をなす「かくれ右翼」が日本に蔓延している。大坂の機動隊員が「土人とかシナ人」という暴言をはいたのは、裏に日本の安全を確保するのに反対するのは「日本人ではない」という隠された意図がある。おそらく、上司などの言葉の受け売りだろう。

 しかし、韓国については、心の底に「ざまー見ろ」といった嫌韓感情を満足させるものがいても、あまり戦争をイメージする人はいない。しかし、北にとってなにか仕掛けようとするなら、このような韓国の混乱状態は千載一遇のチャンスである。

 核実験やミサイル発射など、アメリカの権威をからかっているだけで、本当はそんなに危険ではない。北対韓国・アメリカは、休戦協定はあっても、法的に戦争状態が続いているのだ。

 北の一部跳ね上がり分子がことを起こそうとすれば簡単だ。それこそ、韓国に潜り込ませた工作員に仕事をさせ、それできっかけを作ればいい。しかしそんなことになりそうにもないことは、北が、事件発覚後砲兵部隊の演習を一度金正恩視察が視察したという程度で、それがオープンであるだけにかえって常態どおりだと言える。

 そして最大のポイントは、韓国の軍部が朴大統領を支持し、野党や国民のペースに乗らないということだ。従って在韓米軍に変化がなく、その抑止力が利いているということになる。

 日本にとって何が危険かというと、北がことを起こせば当然地上軍の戦闘になる。ソウルが火の海になる可能性も高い。アメリカが韓国支援を決意すれば、当然在日米軍海兵隊参戦を考える。

 日本が協議を受けるとすれば、賛成せざるを得ない。そこで在日米軍・抑止力論が正当化され、日米居留民救出や難民輸送に自衛隊との共同作戦が組まれ、安倍安保法制のもと、一挙に憲法を無視した戦乱に巻き込まれることになる。

 それが、最大の危険なのだ。そういった危険を冒して戦争に関与し平和を取り戻しても、その先、朝鮮民族から感謝されることは金輪際ないといっていいだろう。

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