2019年6月20日 (木)

日韓と国際法

 韓国の旧・徴用工に対する賠償金差し押さえ判決をめぐって韓国政府は黙視、日本政府は「国際法」に準拠した解決を、という平行線から一歩もはずれず、「打つ手なし」の状態になっている。

 このまま、韓国で日本企業の資産差し押さえを現金化するようなことがあれば、「経済戦争」にもなりかねない。日本政府の主張に、韓国側の「国際法無視」という文言がある。

 国際法とはなんぞや、ということでwikiを繰ってみても正直なところピンとこない。一口でいえば「慣習法」ということになり、人々がならい親しんでいるルールということ、別の言葉で言えば「不文律」とも言える。

 それならば、成文化されていないかというと違う。条約、国連憲章、多国間協定などもすべて国際法である。ただ、トランプ大統領が、大統領のサインひとつで簡単に温暖化防止の協定から抜けるなど、国内の憲法・法律より軽視されることが多い。

 慣習法とされるのは、時代や背景の変化で価値観や解釈などが流動的な面に対応しやすいようにするためである。

 外交ルール、たとえば「国賓」の扱い方などを「国際法」として扱い、それらを集大成した解説書も存在する。

 国際司法裁判所という、国連関連組織がオランダのハグーにあり、国際法に基づき権威ある決定をするが、当事国の一方が参加しなければ取り上げられない。韓国が日本の提訴に応ずるかどうか、疑問が残る。

 この点、日本は明治維新から韓国併合に至るまで、世界に例を見ないほど、国際法を重視し、これに反しないよう気を使った政治をしてきた。

 戊辰戦争最後の戦いで幕軍の指揮官榎本武揚は、五稜郭明け渡しを前に、オランダで入手した『海律全書』が戦火で失われるようなことがあれば、国家の損失であるとし、攻撃側の黒田清隆に届けさせた。

 捕らわれた榎本が東京へ護送され、死刑は免れないとされていた榎本を釈放させ、ついには新政府の高官として活躍するようになったのは、黒田が剃髪し助命運動に奔走した結果であるとされる。(拙著『浪士石油を掘る』所載)

 明治時代は、まず西欧文明の取り込みが第一、そして、日英同盟改定で、アメリカをはじめ諸国間との治外法権など不平等条約を解消するため、国際法に忠実な姿を示す必要があった。

 このため、日韓併合は、韓国の近代化と極東安定のために各国とも賛成しており、むしろ国内に韓国の莫大な対外債務を肩代わりしなければならないとの反対意見もあった。

 この、日本と韓国の認識の差は、国際法という観点からも到底埋めることはできない。両国の生い立ちの差ともいうべきで、安倍・文会談では到底解決しないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019年6月19日 (水)

アメリカの国防長官、なり手なし

 時事通信の配信を箇条書きにすると次のようになる。

■マティス= 昨年末に国防長官を辞任

■シャナハン= 現・長官代行→今回、長官指名を辞退

■マーク・エスバー= 現・陸軍次官→長官代行と交代

■軍トップ= 長官不在のまま

 トランプ大統領は、昨年末に辞任した次の次にあたるエスバー氏を指名する可能性が最も高いとされているが、その彼からも辞退されたらどうなるのだろう。イランをめぐる中東の現状は一触即発といっていい。

 日本では、内閣総理大臣が指名した陸軍大臣を、軍が就任拒否をして内閣が総辞職、変わった近衛内閣の元で第二次大戦へなだれ込んだことを本塾でも書いた。

 制度の違うアメリカだが、人事の行き詰まりが事態を思わぬ方向へ導きかねないということを心配する時期にきている。

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2019年6月18日 (火)

凧とイカの違い

 新潟市に「白根凧合戦」という伝統的な行事がある。今年も今月6日から10日にわたって開催されたようだ。塾頭は、かつてこの現場近くに住んだことがあるが、その後下越に移り住んだら、そこでは、タコではなくイカという人も何人かいた。

 「タコ」は関西を中心とする方言で、それ以外の全国各地にも散在し、総数では「イカ」を上回るので、これを標準語として明治以降に採用したとされる。(徳川宗賢『日本の方言地図』参照。以下同じ)

 いずれにしても、日本古来の風物かと思っていたら、言葉としてそれが最初に記録されたのは1620年、江戸時代初期で長崎の耶蘇教信者の風習として取り上げた『破提宇子』に、子供の遊びである「烏賊旗(イカのぼり)」を使うとしたのが最初らしい。

 『古事記』『日本書紀』『万葉集』をはじめ『源氏物語』その他の詩歌にも一切出現しない風習だが、その頃にはイカとかタコの名で存在していたことを示す。

 結論からすると、「のぼり」とか「はた」以外の「タコ」「イカ」は、空中におけるその姿が海中動物を連想させ、国内で自然発生したのが最初で、それが言葉の分布の複雑さに及んでいるのだろう。

なお、「凧」という漢字は、日本だけの国字で、他国には通用しない。全く新しい言葉だったのである。

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2019年6月17日 (月)

急転直下

 毎朝、その日のブログネタをマスメディアから探すのが日課だが、今日は事件の早い展開に驚いたこと2件。

 ひとつは、千里山の交番で警官が刃物で刺され拳銃が奪われている件。犯人が相当計画的かつ慎重に準備を重ねていたと報じられており、防犯カメラの映像があったにしろ、逮捕がこんなに早いとは思わなかった。

 もう一つが、香港の中国への犯人引き渡し条例反対デモ。103万人、参加者は人口の7人にひとりと称され、空前の大衆行動のが審議をストップさせたが、撤回ではないとして昨日再度立ち上がった。

 今度は200万人だという。政府は16日夜、トップの林鄭月娥行政長官が「多くの市民の失望と心痛を招いたことを謝罪し、誠意と謙虚さをもって批判を受け入れる」意向だとする声明を発表した。

 参加人数に誇張があるにしても、政府は香港全体の民意と受け取らざるを得ない状況であると判断したのであろう。中国の反応は聞こえてこないが、習金平は相当ショックを受けているはずだ。

 それにしても、動きの鈍い日本政府が目立つようになった。一歩先を行くように見せかける外交も、底が割れており北朝鮮にしろイランにしろ相手にされていない。

 その中で、わずかな変化の兆しが見えてきた。新聞の世論調査による内閣支持率のわずかな変動を気にしない方だが、週末・昨日にかけて行われた調査が発表されている。

 毎日新聞が5月の前回調査から3ポイント減の40%、不支持率は同6ポイント増の37%。 

 共同通信では、47.6%で、前回調査の50.5%から2.9ポイント減となった。不支持率は38.1%。(19年6月16日)

 決して大幅とは言えないが、これまで各社の調査で微増を続けてきた支持率が、低下の兆しを見せ始めたのか、と思わせる点である。

参院選を前に、安倍首相は、急転直下を用心した方がよさそうだ。

 

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2019年6月16日 (日)

梅雨の晴れ間

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■今日の大ニュース

香港の103万人デモで犯人引き渡し決議凍結

――先行きに晴れ間も

■今日の小ニュース

詐欺電話、「捕えてみレぱ我が子かな」京都府警

――官僚のお先行き真っ暗

 

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2019年6月15日 (土)

季節が無くなった「雨」

しとしと、じめじめ、むしむし

これが6月、梅雨時のイメージだった。

♪米山さんから雲が出た

いまに夕立が来るやら

ピッカラ シャンカラ 

ドンカラリンと 音がする

これは、7、8月。そして、降る雨は、ざあざあ。

♪雨降りお月さん雲の蔭

お嫁にゆくときゃ 誰とゆく

一人でから傘 さしてゆく

から傘ないときゃ 誰とゆく

シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた

お馬にゆられて ぬれてゆく

これは秋雨のイメージ。

「春雨じゃあ 濡れていこう」

これは、新国劇の月形半平太のせりふ

♪雨雨降れ降れ 母さんが 蛇の目の

お迎えうれしいな ビチビチチャプチャプ

ランランラン

これも春雨のイメージ

ところが最近

「暴風、大雨、竜巻、落雷、そして崖崩れにご注意」

が季節を問わない天気予報の常套句になってしまった。

 

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2019年6月14日 (金)

ホルムズ海峡とトンキン湾

 昨夕から今朝にかけ「ホルムズ海峡」題した本塾の過去記事に、6件のアクセスがあった。今回、同海峡で日本がかかわる2隻のタンカーが何ものからかの攻撃を受け、火災被害を受けたということに対し、何か書こうと思ったが、誰が仕掛けたのか、目的は何かについて皆目わからない。

【ワシントン共同】ポンペオ米国務長官は13日、国務省で記者会見し、イラン沖のホルムズ海峡付近で起きた日本などのタンカー2隻への攻撃について「イランに責任がある」と名指しで非難した。さらに安倍晋三首相のテヘラン訪問中にタンカーが攻撃されたことに触れ、最高指導者ハメネイ師が「安倍首相の外交努力を拒否し、日本のタンカーを攻撃することで日本を侮辱した」と批判した。

 イラン政府は13日、タンカー攻撃への関与を否定したが、トランプ政権が早くもイランの関与を断定したことで、緊張緩和に向けた動きが失速する恐れがある。

 そこに出てきたのが、上の記事である。ホルムズ海峡の制海権を握っているのは、周辺国ではなく、アメリカ海軍である。被害を受けた船舶の乗組員をいち早く救助したのが、米軍艦であることを見ても明白だ。米艦は、タンカーが被爆する前から同じ海域にいたとすれば、ミサイルの軌道を把握していたとしてもおかしくない。

 それならば、どこから発射されたか即座にわかるはずだが、「イランに責任がある」という言い回しは、その原因を指摘する意味にも取れ、米国側を含めて発射元を特定したとは言いきれない表現になっている。

 イランの軍隊は、「革命防衛軍」でホメイニ革命以来、宗教指導者・ハメネイ師の指揮下にある。アメリカの経済制裁で石油の輸出が減退し、危機的な状況にある時期に同海峡通過を不安定にすることを指示するとは考えられないし、「日本を侮辱する」理由もメリットもない。

 アメリカがそんなに愚かだとは思いたくないが、ベトナム戦争突入の口実づくりにした「トンキン湾事件」のことを思い出さずにはいられない。

 

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2019年6月13日 (木)

追いきれない殺人事件

 毎日新聞社会面(6/132425面)から見出しを拾った。

・駐車場に女性遺棄容疑 京都・日向 市職員ら2人逮捕

・児相「特定妊婦」と把握 札幌2歳児衰弱死 

・1歳長女暴行死の疑い 静岡 頭部外傷、21歳父逮捕

・生後3か月女児「床に落とした」 新潟・病院で死亡

・女医殺害容疑 山形大生逮捕 評判の良い眼科医

・妻殺害の夫懲役15年 千葉地裁判決 ほう助の母は7年

 殺人事件といってもアウトローの仕業ではない。犯人や被害者はハイソサエティ―に多く、近親者同士とか子供が犠牲になるという異常現象である。

 高齢者運転の交通事故激発と並んで、もはや社会や政治が関与すべき時期に来ているのではないかと思う。

 列記したように、一つの事件はその背景とか裁判にまで及ぶが、事件ごとに続報が続く。とても一つ一つを追いきれないのは、塾頭の認知症のせいではないだろう。

 こんな現象は過去になく、怪奇事件や近親者殺しなどがあっても、特異な例として長く語り継がれるものだった。

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2019年6月12日 (水)

氏・名の順序、日本の勝手

 「氏名の英語表記は名字を先に」という政府方針が明らかになったのは先月21日ころである。この件について、日本より中国の「人民網」などの方が大きく扱っている。

 それは、朝鮮・ベトナム・中国などは以前からそうしており、日本独特の特異な例であったということだ。全世界を調べていないが、維新で西欧文明取り込みに急なあまり、氏名表記まで、それにあやかろうという気があったのではないか。

 言い出したのは、柴山文部科学大臣で、20年も前の国語審議会の「言語や文化の多様性を生かすため名字を先にするのが望ましい」とする答申に基づいている。

 中国などの論調に特段批判めいたものはないが、アジアで伝統的な風習を軽視、西欧化・近代化に先んじて近隣国の上に立とうとしたことを、暗に揶揄しているようにも見える。

 河野外務大臣は、記者会見で「各国報道機関に要請したい」と言明したが、欧米報道機関では、これまで続けてきたSinzo Abeなどを変えることの混乱を予見しない、勝手な要請だと、冷ややかな反応もあるという。

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2019年6月11日 (火)

ロシア・マスコミの造反

今回、内務相は、捜査を指揮したモスクワ警察の幹部らの解任をプーチン大統領に提言するとしていて、メディアの報道が捜査当局の判断を覆す珍しいケースとなりました。(12日08:19)
 前回書いた香港市民による空前の大規模デモに続き、今度はロシア・マスコミによる言論弾圧に対する当局への一斉反撃が始まった。最近、狡猾な介入が露骨になってきた日本やアメリカでもこんなことはない。

 なにか、ベルリンの壁の二の舞になるのではないか、とさえ思えるような事態だ。鉄壁のように見える社会主義体制が意外なもろさを呈し始めたのだ。

 道はふたつにひとつ。政権が非常事態宣言か戒厳令のような超法規的権力を手にし、軍隊まで使って新聞社を沈黙させ、御用紙だけにして完全独裁国家にするか、民衆の力をおそれ、融和策や改善策で当面を繕い体制を維持しようとするか、である。

(毎日新聞6/11、夕刊)

 ロシアで反政権的な調査報道をしていた記者が今月上旬にモスクワで逮捕され、主要メディアが一致して「冤罪(えんざい)」と訴えている。強権的なプーチン政権下では異例の事態で、10日には大手3紙が1面に共通の見出しを掲げて抗議の意思を表明。背景には、政権によるメディア規制や言論弾圧への強い危機感があるようだ。【モスクワ大前仁】

 逮捕された記者は、当局が用意した麻薬を、記者が所持していたことにして、強引に逮捕された模様。

【追記】(TBS)6/12 12:25

「急展開です。今、ゴルノフ記者が内務省の建物から出てきました。証拠不十分として釈放された模様です」

 

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2019年6月10日 (月)

香港デモ、7人に1人参加

 香港のデモ参加者103万人。大変な数だ。いわゆる60年安保、自民党単独可決に対して空前といわれた60/5/26国会デモが、17万人。自然成立した6/19日は33万人。

 日本の全人口1億人超から見れば、岸首相のいうように野球見物をする人の数に近いのは確かだ。ところが香港は、子供から老人まで含めた7人にひとりという勘定になる。

 組織的動員では、こんなに集まらない。香港の「民意」であることに疑いの余地はない。ただし、中国の全人口となると、けた違いの少数意見になる。

 市民らが抗議している「逃亡犯条例」の改正案は、事件の容疑者を香港から中国本土に引き渡せるようにするもので、香港政府は7月までの可決を目指している。

 デモ参加者らは、中国に批判的な言動を行った場合、何らかの容疑で逮捕されて、引き渡しの対象になる可能性があると抗議しているのである。

 基本的人権が侵されるかも知れないというもっともな心配で、デモの質を加味すると中央政権への波紋は決して少なくない。

 沖縄の辺野古埋め立てと比べながら、民主主義の根幹とは何かを考えざるを得ないニュースだ。

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2019年6月 9日 (日)

解散のための国会延長か

 休み前の金曜日、丸山穂高議員が国会の「糾弾決議」を受けてどう対応するか目を離せない――で記事をしめた。明日、月曜日にもう一つ目を離せないことがある。

(時事ドットコム)

 政府が7日に閣議決定する「スーパーシティ」実現に向けた国家戦略特区法改正案の扱いをめぐり、自民、公明両党のずれが6日、表面化した。公明党は同日の政調全体会議で改正案を了承したが、今国会成立にこだわらず、会期延長も必要ないとの立場。一方の自民党は、延長も排除しない考えを示した。

 自民党内では会期を延長しての衆参同日選が取り沙汰されているが、同日選に反対する公明党が同改正案の処理を理由とする会期延長にくぎを刺した形。与党の足並みの乱れは終盤国会の行方に影響を与えそうだ。

 公明党の桝屋敬悟中央幹事会長代理は記者団に「(同改正案は)提出だけという形になると思う」と指摘。個人的な考えとして「一歩でも進めたいというのは当然だが、物理的には簡単ではない」と語った。

 同党の斉藤鉄夫幹事長も記者団に「会期延長と法案提出は直接関係していない。(同日選は)全く関係のないことだ」と訴えた。

 これに対し、自民党の森山裕国対委員長は記者団に「(公明党と)齟齬(そご)は生じないと思う。通さなくてよい法律が出てくるはずはない」と強調。「会期内にどうかということは、その時に判断する」と述べ、会期延長に重ねて含みを持たせた。

 会期延長してまでして通さなければならない法案ではない。解散権は国会開会中でなければ、行使できないということが焦点になる。

 かといって、今国会中に解散を決めてしまうと、G20の日程にからんで、国際会議がお留守になってしまうような事態になりかねない。その道具として上記特区法案が出てきたというのだ。

 法案を担当するのは、片山さつき地方創生担当大臣である。日本会議懇談会に所属する同大臣が、首相と水面下で組んでいるとしたら、質の悪い陰謀がらみということになる。

 

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2019年6月 8日 (土)

江戸時代の児童福祉

 毎日のように報道される児童虐待、近親者の殺傷事件、それを後追いする政治と施策――。

 江戸時代はどうだったか。以下、西山松之助編『江戸ことば百話』東京美術、から拾った。

町内で捨て子があると、その旨を届け出た上、町内で大切に養育し、素性の確かな貰い手があれば、養育金までつけてやり、もらった方もその旨を届け出ている。こうした安心出来る方法を取っているため、子供が多くて生活に苦しむ者が捨て子をするのである。(『正宝事録』1725・享保10年)

 その一方で、こんな犯罪も。

奉公人同士が密通をしたため解雇となり裏長屋に住んだが、子供が生まれてその養育をしかねるありさまとなった。そこで計略を巡らし、わざと我が子を捨て子にし、その子を養ってもらっておいて、自分は引越しをし、名前も改めて他人を装い、その子を貰いに出る。そうして養育金三両をまんまとせしめた。(『金(こがねの)父母(かぞいろ)1777・安永6年)

 なんとも、のどかでほほえましくもある。ただし、今、それを復活させるわけにはいかない。無情なDNA検査が邪魔をする。

 

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2019年6月 7日 (金)

丸山議員が「風」に

 本塾は先月18日に、「丸山穂高議員辞職不要」と書いた。

 当初の、北方領土訪問団メンバーに向けた発言内容を新聞で見る限り「領土問題解決は、しばしば戦争になるほど困難な問題ですよ」という問いかけをして、それを回避しながら目的を果たすにはどうすればいいか――という本質的な議論を引き起こそう、とする会話のアヤかと思ったからだ。

 現に政治家の中にも、北方領土問題を選挙向けのパフォーマンス程度にしかとらえていない向きが多い。それに一石を投ずる意味ならば、不用意発言ながら言論の自由の範囲に入る。選挙や利権に関係づけることだけが仕事と思っている議員よりはましだ。

 それが、酒の勢いによるわいせつ発言や、夜間外出禁止を破ろうとしていたことも明るみに出て、議員自体の資質が問題となり、このたび衆議院全会一致で「糾弾決議案」が可決された。

 本塾も前回の記事が不当だったことを認め、全面撤回する。仮に丸山議員があくまでも辞職しなれけばどうなるか。日本の政治レベルの低さを世界中にさらし、国民の政治不信は留まるところを知らない、ということになる。

 毎日新聞の社説では、「維新の責任で辞職説得を」という表題を掲げたが、筋違いもいいところ。すでに除名処分に処した日本維新の会にそれができていれば簡単だった。丸山がそれを受け入れても受け入れなくても、維新は恥の上塗りになるだけだ。

 議員の資格を奪うには、1.議会を解散して再当選させない。2.解職のための住民投票制度。3.法改正(場合によれば憲法)などの措置が必要となる。それには膨大な費用がかかるし、解散の口実を模索していた安倍自民党だが、党内には、この件はマイナスに働く、という意見も出てきそうだ。

どっちに向くのか、目の離せない展開が続くことになる。

 

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2019年6月 6日 (木)

『海舟座談』

(毎日新聞06/06

安倍晋三首相は5日の参院本会議で、日米貿易交渉を巡りトランプ米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を上回る関税引き下げなどを求める考えを示唆したとされる発言について、「抗議すべき内容のものとは考えていない」との考えを示した。

(『海舟座談』岩波文庫、明治三十一年/1898、十一月三十日)

国というものは、独立して、何か卓絶したものがなければならぬ。いくら西洋西洋といっても、善い事は採り、そのほかに何かなければならぬ。それがないのだもの。つまり、アジアに人がないのだよ。それで、一々西洋の真似をするのだ。西洋は規模が大きくて、遠大だ。チャーンとして立っているから、ほかが自然に倒れるのだ。まるで、日本などは、子供扱いだ。褒めてやったり、叱ったりする。それで善い気になってるというものがあるものか。

今日は引用だけである。何か付け足すのは、野暮。

 

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